キヤ97系気動車(キヤ97けいきどうしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)が所有する事業用気動車である。
キヤ97-101 - 104・東海道本線上で神戸向きの先頭車。
レールの輸送に供される事業用の気動車で、キヤ97形・キヤ96形・キサヤ96形の3形式が存在する。
編成は、25mの定尺レール運搬用の2両編成4本と、200mのロングレール運搬用の13両編成1本があり、それぞれR1 - R4、R101の編成番号を称する。いずれもメーカーは日本車輌製造で、前者は2008年(平成20年)4月、後者は同年7月に運用を開始している。配置されている車両基地は、前者が名古屋車両区、後者が美濃太田車両区である。
エンジンは電子燃料制御方式で定格出力360PSのカミンズ製N14ER(JR東海形式:C-DMF14HZC)をキヤ97形およびキヤ96形に1基搭載する。液体変速機は加速性能を高める目的で変速2段・直結3段式とし、定低速用クラッチブレーキを内蔵した日立ニコトランスミッション製C-DW19A形を採用した。ブレーキシステムはキハ75形・キヤ95系と共通の電気指令式空気ブレーキであるが、自動空気ブレーキの機能も有しており、機関車による牽引も考慮されている。
空車時の最高速度は110km/h、レール運搬時は95km/hである。最大レール積載量は、定尺レール運搬用が25m×46本でロングレール運搬用が200m×20本となっている。
ロングレール運搬用車両の運転室の下部には積載したレールを下ろす際に通すことが可能な空間が確保されている。
なおR1・R2編成は、出場時に測定室を積載していたが、これはその後R101編成に積載された。
2010年に佐久間レールパークの保存車両をリニア・鉄道館に移動するために、配給列車が設定された。佐久間レールパークのある中部天竜駅は、道路事情が悪く、トレーラーによる車両輸送ができず、列車で輸送されることとなった。JR東海は、除雪用を除き機関車を保有していなかったため、キヤ97系R101編成を3両組成にした上で、保存車両を日本車輌製造まで運搬した。
2012年10月、事故で損傷した213系H2編成を日本車輌から名古屋工場まで輸送した。
編成 2両固定(R1-4編成)
最大13両(R101編成)
最高速度 110km/h
車両定員 非営業車両(事業用)
最大寸法
(長・幅・高) キヤ97形 18,200×2,800-2,935×3,998-4,080(mm)
キヤ96形 18,200×2,706×3,541(mm)
キサヤ96形 18,200×2,700×2,070(mm)
機関出力 360PS(C-DMF14HZC)×1 / 両(キヤ97形・キヤ96形)
駆動装置 液体式
変速段 変速2段・直結3段
台車 軽量ボルスタレス台車
* C-DT66形(動力)
* C-TR254形(付随)
軸箱支持:ウイング円筒積層ゴム+コイルばね 枕ばね:空気ばね
制動方式 電気指令式ブレーキ
機関ブレーキ・リターダブレーキ
自動空気ブレーキ
保安装置 ATS-PT ATS-ST EB装置 TE装置
製造メーカー 日本車輌製造
備考 2M編成(定尺レール運搬用)
8M5T編成(ロングレール運搬用)