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はやぶさ型ミサイル艇 PG-828うみたかPG-824はやぶさ

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はやぶさ型ミサイル艇(JMSDF PG HAYABUSA class)は日本の海上自衛隊が保有するミサイル艇。2002年から2004年に6隻が竣工した。

海上自衛隊は1993年と1995年に全没型水中翼艇の1号型ミサイル艇3隻を就役させたが、就役後波浪時の船体強度や耐航性、中速域での運用が不能などの問題が明らかとなった。そのため1号型ミサイル艇の建造は3隻で打ち切られた。


そして問題点を改良して新たに建造が計画されたのが「はやぶさ型」である。平成11年度計画で2隻が予算化されたが、能登半島沖不審船事件を受けて、本格的な侵略事態における対艦ミサイルと主砲を活用した対水上戦闘はもちろんのこと、不審船対処も考慮に入れた性能向上のための改良で予算が追加された。

耐航性向上のため基準排水量はミサイル艇1号型の4倍の200トンになっている。船型は予算概算要求の段階では双胴型として検討されていたが、不審船事件後、同事件を教訓に要求速力が40ノットから44ノットに高められ、双胴型では要求達成が困難なため単胴型となった。

また、船体強度や耐航性確保、高速時における安定した航行のため、船底はV字型とし、船体の長さに対し幅が狭くなっている。

船殻にはアルミニウム合金が多用されている。


船体は、同様の理由により、ほぼ同時期に建造に着手された海上保安庁のつるぎ型巡視船とほぼ同サイズで、3基のウォータージェット推進により推進する点も(主機がガスタービンとディーゼルの違いはあるが)共通である。

海上自衛隊の艦船では、ウォータージェット推進は、本型が初となる。
他の特長にはステルス性が重視された設計になっている点があげられる。

これはレーダー反射断面積(RCS) のシミュレーション計算をもとに行われており、船体の各部にはレーダー波を直接反射しないようにするため傾斜がつけられている。

また、マストも三脚構造のステルス性が重視された形状になっており、前甲板のオート・メラーラ(62口径)76ミリ単装砲もステルスシールドが採用されている。

舷側手すりやウォータージェットノズルの防護材も、通常の円筒状材ではなく、断面が菱形になるようにするなど、徹底している。

主機はアメリカのゼネラル・エレクトリック社が開発し、石川島播磨重工がライセンス生産しているLM500-G07ガスタービンエンジン(出力5,400馬力)を3基搭載している。主機についても当初の予算概算要求段階では、ガスタービンは2基として検討されていたが、不審船事件後の要求速力増加に対応し変更された。

各エンジンは船体に並列に並べられ、それぞれ一基のウォータージェット推進のノズルに接続されている。LM500-G07エンジンはミサイル艇1号型に搭載されているものと同型であるが出力が400馬力向上している。最大速力は44ノットに達する。


また、始動速度が他の護衛艦の主機よりも速く、有事に即時対応することが可能である。

日本テレビの報道番組「きょうの出来事」では、「蒸気タービンを採用している艦艇では、主機を出撃可能な状態にするのに2時間を要するところだが、はやぶさ型ミサイル艇はガスタービンを採用しているため諸作業があっても主機を30分以内に出撃可能な状態にできる。」というミサイル艇「わかたか」乗員のコメントが紹介されていた。

主兵装は前甲板の62口径76ミリ単装砲と、後部に搭載している90式艦対艦誘導弾連装発射筒2基である。

加えて、海上自衛隊では武装ではなく、搭載品としての扱いになるが、12.7mm重機関銃M2用の銃架が艦橋後部に両舷各1基ずつ搭載されている。


76ミリ単装砲は日本製鋼所がライセンス生産したもので、海上自衛隊で初のステルス型シールドを備え、毎分約100発の発射速度を有する。射撃指揮装置2型31Cによって管制される。

射撃指揮装置のレーダーは、ステルス性に配慮してやや仰角をかけた状態を係止位置としている。シールドの形状変更は製造ライセンスの関係上、開発元のオート・メラーラ社からの承認に時間を要したという。

目立たないが、砲基部の甲板とのリブにもステルス対策が施されている。

他には対不審船用に赤外線暗視装置OAX-2や臨検用の複合型作業艇なども搭載されている。


はやぶさ型のウエポン・システムは、OYQ-8B戦術情報処理装置を中心に構成されている。

これは、小型のAN/UYK-44コンピュータを使用しているが、一世代前の小型コンピュータであるUYK-20よりも性能は飛躍的に向上しており、UYK-20を使用していたOYQ-5では果たせなかったリンク 11の対応を果たしている。

これにより、他の洋上部隊や航空部隊との攻撃の調整が可能となっている。

データリンクは、水平線の向こう側にいてレーダーに捕捉できない敵艦に対して射撃するためには必須の機材である。

また、海上自衛隊の基幹指揮システムである海上作戦部隊指揮管制支援システム(MOFシステム)を搭載しており、衛星通信を介して、地方総監部などから攻撃命令や攻撃に関する情報資料を受け取ることができる。


科員のベッドは3段ベッドである。
小型のため艦内に厨房を設置できず、食事は航空機用の加温ボックスや電気ポットで暖めたレトルト食品やレーション、あるいは電子レンジ調理の食材や弁当を食することとなる。


高速航行中は、乗組員全員が座席に着席し、両肩と腰にシートベルトを装着する。

平成33年度末から順次退役し、代替として防衛省技術研究本部が開発中の「コンパクト護衛艦(通称名)」が複数、就役する予定である。

現在、はやぶさ型を代替するミサイル艇を開発する計画は存在しない。

「しらたか」の進水命名式は、上記のとおり2003年8月8日に行われたが、おりから接近した平成15年台風第10号の強風の為、実際の進水(このクラスは全艇、クレーン船による釣り上げ進水である)作業は翌9日に実施された。

造船所職員以外では、フリーカメラマン1名のみの立ち会いであり、このカメラマンは全艇の進水に立会っていることが「世界の艦船」誌から特定される。


「くまたか」のニックネームは、部隊帽に書かれるなど「Turbulence Hawk」であるが、意図した「猛烈な鷹」より、一般的に「騒々しい鷹」「(乱流に)翻弄される鷹」と翻訳されてしまう。(出典:佐世保時代の乗組員から。同隊員は佐世保誘導弾整備所勤務経験を持つ)。


「はやぶさ」以外は「たか」で統一された命名となったが、当時の命名起案者は東北出身で、JR東日本の東北新幹線八戸開業で失われる特急の「ゆうづる」「はくつる」「はつかり」などを命名する誘惑にかられたという話が残っている(当時の海幕総務課課員による)。(出典:起案文書作成者(第40期一般幹部候補生出身)。出身は盛岡である。)
海上保安庁に同名の航空機がある(「しらたか」除く)


このクラスには、隊司令室が無い為、「司令乗艇時は、艇長は艇長室を司令に譲り士官室で仮眠する」と「はやぶさ」艇長小出渚3等海佐(当時)は語っている。


振動が激しいため、ブリッジなどのシートは、スポーツカーや航空機で実績が高いレカロ社製である。


排水量 基準:200トン
満載:240トン
全長 50.1m
全幅 8.4m
深さ 4.2m
吃水 1.7m


機関 LM500-G07ガスタービンエンジン(5,400PS) 3基
ウォータージェットポンプ 3基
速力 最大44ノット
定員 21名


武装 90式 SSM連装発射筒 2基
62口径76ミリ単装速射砲 1基


12.7mm単装機銃M2 2基
C4I MOFシステム
海軍戦術情報システム
(OYQ-8B + リンク 11)
FCS-2-31C 砲FCS
レーダー OPS-18-3対水上レーダー 1基
OPS-20航海レーダー 1基
電子戦 NOLR-9 ESM
暗視装置 OAX-2 赤外線暗視装置


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