Quantcast
Channel: 観光列車から! 日々利用の乗り物まで
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3251

82式指揮通信車:陸上自衛隊

$
0
0

 

82式指揮通信車は、日本において第二次世界大戦後初めて実用化された装輪装甲車です。陸上自衛隊で使用され、主に師団司令部や普通科連隊本部、特科連隊本部などに1983年から配備されています。防衛省は略称を「CCV (Command Communication Vehicle) 」、公式愛称を「コマンダー」としており、自衛隊内では単に「指揮通信車」又は名称を略して「シキツウ」とも呼ばれています。

陸上自衛隊は、悪路走破性の高さから戦闘車両は無限軌道による装軌式を採用してきたが、1974年に防衛庁(当時)は装輪式の車両の機動性研究を行う事を決定し、三菱重工業と小松製作所に車両試作を発注しました。走破性に関する試験を行った防衛庁は、1978年から三菱重工業と小松製作所に新型指揮車の開発を依頼し、1980年までに4輌の試作車が完成。1982年に小松製作所の車両を制式採用しました。生産は小松製作所が担当し、最終調達契約年度は1999年、231両が調達されました。1両当たりの価格は1億円近いと推定されています。

一般的に指揮通信車は既存の装甲戦闘車両(主に車内容積の広い装甲兵員輸送車か歩兵戦闘車)に通信機材等を追加する形で開発されることが多いが、本車は当初から通信機能に特化した車両として開発されました。
3軸6輪駆動による装輪式を採用しており、水深1m程度の渡河能力を有しています。前部の操縦室上面にはハッチがあり、銃架が設けられている為、62式7.62mm機関銃もしくは5.56mm機関銃MINIMIを装備することができます。また、操縦席前面と左右側面の窓には、装甲板が取り付けられており、必要に応じて開閉が可能。操縦者は車体側面から車体上部に登り、操縦席上部のハッチから出入りする。車体前部右側に操縦手席があり、前部と後部が通路で繋がれ、通路左側にエンジンがあります。後部乗員席には指揮通信要員が6名搭乗できる。車体の中央部から後部に指揮・通信室があり、折り畳み式のテーブルや各通信機器が装備されています。また、同室の上面にある2つのハッチには銃架が設けられており、12.7mm重機関銃M2を据え付けられています。
冬季間は車両に合うスタッドレスタイヤが無いため、夏タイヤにチェーンをはめて走行をします。後に本車輌をベースとした87式偵察警戒車と化学防護車が開発されました。また、同じく小松製作所が製造している96式装輪装甲車の開発にも経験が活かされ、開発期間の短縮に繋がった。


CCV
コマンダー

乗員:8人
全備重量:約13.6t
全長:5.72m
全幅:2.48m
全高:2.38m
最高速度:100km/h
エンジン:水冷4サイクル10気筒|ディーゼル機関|305ps/2,700rpm
武装:12.7mm重機関銃|62式7.62mm機関銃もしくは5.56mm機関銃MINIMI×1(必要に応じ)
懸架・駆動:装輪式(3軸6輪駆動)
行動距離 :500 km

開発:防衛庁技術研究本部
製作:小松製作所


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3251

Trending Articles