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のじま (JCG Nojima, PL-01) は、海上保安庁の巡視船である。分類上はPL型、公称船型は1000トン型。
就役時は横浜海上保安部に配属されていたが、1997年に境海上保安部に配属替えされ、これに伴っておきに名称を変更した。
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1970年代、200海里排他的経済水域制定など新海洋秩序時代の到来に伴い、海上保安庁は、昭和52年度補正計画から55年度計画にかけて1000トン型PL(しれとこ型)28隻を整備した。これはワークホースとして、警備・救難業務のいずれをも実施できるように設計されていたが、ハードが状況に対応しきれず、乗員に負担がかかる面も多かった。このことから海上保安庁は、ある程度振り分ける業務指定船制度を開始、昭和59年度からは救難強化巡視船も登場した。しかしこれは、あくまで既存の汎用船に所要の器材・人員を搭載したものであり、依然として不十分な部分が指摘されていた。
また新海洋秩序を契機にヘリコプターも大量整備されたものの、巡視船との連携はあまり配慮されていなかった。このことから、ヘリコプターとの連携能力や潜水作業の支援能力などを強化した、救難強化型巡視船のプロトタイプとして建造されたのが本船である。
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船型は長船首楼型、船質は鋼である。堪航性を考慮してブルワークを備え、シアやフレアも大きく取っているほか、上部構造物は縦揺れが少ない中央部に集中配置された。また航空運用能力が要求されたことから、フィンスタビライザーも備えている。
操舵室に隣接してOIC(Operation Information Center)を設置したほか、操舵室およびその周辺区画には高度集約操舵室システムを採用して、指揮統制の迅速化を図った。また居住区は機関室の前方に集中配置されているが、ここには第1・2公室が設けられ、特に第1公室には38名収容可能な会議室としての機能が付与された。
主機関はディーゼルエンジン(単機出力3,500馬力)2基、推進器は可変ピッチ・プロペラである。またマリーナー型舵2舵を備えて、操舵性能向上を図った。なお遠隔操縦装置を備えており、航行時の機関監視・制御は操舵室で行っている。
電源としては、給電の連続性や設備スペース、経済性を考慮して、ディーゼルエンジンを原動機とする等出力(150 kVA)の発電機3セットを搭載した。停泊中は1基、航行中は2基、出入港などは3基の並列運転を行うこととしている。
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本船では、新造巡視船としては初めて、海中捜索救難システムを装備した。これは水中テレビカメラを装備したROVと高周波のサイドスキャン・ソナーから構成されており、海中での捜索救難能力が大幅に向上した。
また本船の特徴の1つが航空運用能力であり、船尾甲板上には、船首楼甲板より更に1層高めて架するかたちでヘリコプター甲板が設けられている。この甲板は、公式には救難甲板と呼ばれており、竣工直後はヘリコプターの運用能力を持たないと発表されていたが、実際にはベル 212の運用に対応しており、燃料補給装置も備えている。ただしハンガーは備えていないため、固有の搭載機はもたない。
搭載艇は7.5メートル型潜水支援艇と7メートル型高速警備救難艇、各1隻である。
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昭和62年度計画において、同名の900トン型PLの代船として建造され、1989年9月21日に竣工、横浜海上保安部に配属された。平成元年度計画からは、本船の運用実績を踏まえて設計を改良したおじか型の建造が開始された。
なお、1997年に境海上保安部に配属替えされ、これに伴って「おき」に改称されている。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』ではプルトニウム輸送船を護衛中、自力で動く謎の環礁に遭遇する。
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運用者 海上保安庁
建造所 石川島播磨
種別 1,000トン型PL
計画 昭和62年度
起工 1988年8月16日
進水 1989年5月30日
竣工 1989年9月21日
除籍 就役中
前級 しれとこ型
次級 おじか型
要目
常備排水量 1,500トン
総トン数 993トン
全長 87.00 m
全幅 10.50 m
深さ 5.50 m
吃水 3.50 m
主機 ディーゼルエンジン×2基
推進 スクリュープロペラ×2軸
出力 7,000馬力
速力 20ノット
航続距離 7,000海里
乗員 39名
兵装 JM61-M 20mm多銃身機銃×1門
搭載機 艦尾にヘリコプター甲板を設置
ハンガーなし
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