ビーチ C-12 ヒューロン (Beech C-12 Huron) は、ターボプロップビジネス機キングエア200をアメリカ軍向けに改修した軽輸送機。現在はホーカー・ビーチクラフト社が販売を請け負っている。ベースとなったタイプに応じてサブタイプも多くあり、同じC-12でもC-12Sはキングエア350を、C-12Jはビーチクラフト 1900をベースにしたものとなっている。
キングエアは人員輸送、連絡用として適した機体であることからアメリカばかりでなく多くの国の軍で採用されているが、その大部分は民間型(民生用)として製造された機体であり、アメリカ以外でC-12を採用したのはイスラエルのみである。
なお、アメリカ空軍ではヒューロンの愛称を使用していない。また、電子偵察機型RC-12は搭載システムの名称からガードレール(Guardrail)とも呼ばれる。
アメリカ海兵隊は1979年から1982年にアメリカ海軍が導入したUC-12B、66機のうち17機を受領し、アンドリューズの海兵隊総司令部やビューフォート、エルトロ、ユマ、ニューリバーといったアメリカ本国のMCAS(海兵隊航空基地)に配備した。これらの機体には数字の5とアルファベットを組み合わせたテールコードが与えられている。例えばアンドリューズは5A、ユマは5Y、エルトロは5Tである。
1986年にはエンジン改良型のUC-12F、12機をアメリカ海軍が調達したがうち4機は海兵隊に引き渡され、3機は岩国、1機はアンドリューズに配備された。
アメリカ空軍の運用例では2007年7月1日C-12J、3機が横田基地に到着、第459空輸飛行隊に配属され前任のC-21と交代し要人輸送の任務に就いている。
現在アメリカ空軍では4機のC-12Jを運用しており、3機はの横田基地、残りの1機はニューメキシコ州ホロマン空軍基地(英語版)で運用されている。
MDS指定(Mission Design Series)
1962年に国防省によって導入された共同命名規則で、軍用機だけでなく航空機やミサイルなど飛翔体に付けられている。
主な軍用機の構成要素は6つ!!
航空機の種類 Vehicle Type(機体種別記号)
航空機の基本的な使命 Basic Mission(基本任務記号)
航空機の変更された任務 Modified Mission(任務変更記号)
設計番号 Design Number(設計番号)(D)
シリーズレター Series(シリーズ)(S)
ステータスプレフィックス Status Prefix(現状接頭記号)
正式名称は、MDSのM (Mission) が示す現状 / 任務 / 機体種別(任務記号)とD (Design) が示す設計番号、 S (Series) が示すシリーズの3つの基本的な部分によって付けられています。
G:Glider – グライダー
H:Helicopter – ヘリコプター(回転翼航空機)
Q:Unmanned Aerial Vehicle – UAV(無人航空機)
S:Spaceplane – スペースプレーン(宇宙飛行機)
V:VTOL / STOL – VTOL機(垂直離着陸機)・STOL機(短距離離着陸機)
Z:Lighter-Than-Air Vehicle – 軽航空機(飛行船・気球)
D – UAVコントロールセグメント(無人航空機用の地上統合制御装置)
航空機の基本的な任務 Basic Mission(基本任務記号)
A:Ground Attack – 攻撃機
B:Bomber – 爆撃機
C:Transport – 輸送機
E:Special Electronic Mission – 特殊電子装備(電子戦機、早期警戒機など)
F:Fighter – 戦闘機
L:Laser-Equipped – レーザー装備
O:Observation – 観測機
P:Maritime Patrol – 哨戒機(海上巡視)
R:Reconnaissance – 偵察機
S:Antisubmarine Warfare – 対潜機
T:Trainer – 練習機
U:Utility – 汎用機
X:Special Research – 研究機(Xプレーン)
航空機の変更された任務 Modified Mission(任務変更記号)
A:Attack – 攻撃(グラウンドアタック)
C:Transport – 輸送(貨物)
D:Director – 指揮(ドローンのような無人航空機の制御用に改造されたもの)
E:Special Electronic Installation – 特殊電子装備(大規模な電子機器の追加)
F:Fighter – 戦闘(空戦)
H:Search and Rescue/Medevac – 捜索・救難 / 航空救急
K:Tanker – タンカー(空中給油)
L:Cold Weather – 寒冷地仕様(北極または南極の環境)
M:Multimission – 多用途
O:Observation – 観測(敵や潜在的な敵の位置の観測)
P:Patrol – 哨戒(海事パトロール)
Q:Drone – ドローン(UAVまたは無人機)
R:Reconnaissance – 偵察(敵軍、領土、施設の航空偵察)
S:Antisubmarine – 対潜(敵の潜水艦の探索、配置、攻撃)
T:Trainer – 練習
U:Utility – 汎用(ベースサポート航空機)
V:Staff – 要人輸送( VIP /米国大統領が使用する航空機に限定)
W:Weather – 天気予報(気象観測と空気サンプリング)
変更された任務はある?(設計目的とは違う任務に変更されているか)
ステータスプレフィックス Status Prefix(現状接頭記号)
通常、正規の軍務に運行されている機体には使用しません
C:Captive- 打ち上げができないロケットとミサイル。
D:Dummy- ダミー。非飛行ロケットとミサイル、通常は地上訓練用。
G:Permanently Grounded – 地上設置。通常、乗組員の地上訓練と支援のため。
J:Special Test (Temporary) – 特別試験(臨時)試験のために一時的に設備が整備された航空機。
N:Special Test (Permanent) – 特別試験(永久)常設。試験のために装備され、元の構成に戻すことができない航空機。
X:Experimental – 実験的。まだ軍が受領していない航空機又は標準構成が確定していない試作機に適用される。
Y:Prototype -プロトタイプ。試作。(当初は構成が決定されたデモンストレーション機に適用されたが、最近は、生産を意図する全ての航空機のプロトタイプに適用される。“Y”記号が伝統的な“X”記号より危険が少ないことを意味したため、1970年代から大部分のプログラムにおいて政治的理由のために“Y”記号が好まれている。)
Z:Planning – 計画フェーズ。計画段階/開発前段階。実際の航空機ではありません。
設計番号 Design Number(設計番号)(D)
同じ任務を持つ航空機の各々の設計に割り当てられるシリアル番号。任務記号と設計番号をダッシュ(-)によって分けて記述されています。
命名システムによると、航空機の機体種別又は標準機体の基本任務ごとに連続して番号を振られることになっているが、最近は例外も多いようです。
たとえばF-14、F-15、F-16など、米国の飛行機のFighterクラスに従ってつけられましたが、研究機であったX-35は、戦闘機の次の番号がF-24であったにもかかわらず、戦闘機になるとF-35に改名されました。
シリーズレター Series(シリーズ)(S) –
同型の航空機の異なるバージョンは、“A”から始まり順に増えていく1文字のシリーズ記号 (Series) を使って詳細に示されることになっています。
ただし、数字の“1”及び“0”との混同を避けるために“I”及び“O”は使用されません。しかし、どれだけの変更や時間の経過があればバージョンが変わるのかは明らかにされていませんし、F-16Nの「N」のような特定の顧客を指定するための「Navy」などの例外も多いようです。
その他
愛称・・・FA-18ホーネットやC-130ハーキュリーズなどニックネームがついているものが多いです。ただし、軍用機の場合は正式名称ではありません。
Block(ブロック)・・・航空機専用。シリーズ又は設計の範囲内で定義された構成(
メーカー記号・・・製造元のメーカーを表すアルファベット記号
F/A-18ホーネットは、AF-18(攻撃戦闘機)という名称になるはずだけれど、多用途任務能力が最も初期の段階から組み込まれたという事実を強調するために非公式の名称がつけられました。(なお、公文書ではFA-18)
しかし、他にこれに該当する航空機、例えばF-16やF-15Eは任務変更記号“A”を与えられることさえなく、それらの“F”記号がそのままになっています。軍用機の名称には例外も多い。