トラバーサー (Traverser)、は、重量物を水平方向に平行移動(長尺物を横移動)させるための装置。一般には、鉄道の工場、検査場、車両基地などで複数線路間で鉄道車両を移動させる遷車台(せんしゃだい)を指すが、ロケット基地でロケットを発射台に移動させる装置等もトラバーサーと呼ばれる。
矩形坑の中に敷設された軌条の上を可動桁が平行移動する構造になっている。
車両の入換を行う際に、奥にある車両も効率よく引き出せるために考案されたという。敷地の形や広さに制約のある大都市における路面電車の基地などに見られることがある。
また、ラック式鉄道のうち、ロヒャー式ラックレールでは分岐器が作れないため、複線区間の折り返し駅ではこれを使って車両を移動させることになる。スイスのピラトゥス鉄道では駅構内の他、信号場でトラバーサーを採用している。
鉄道工場などには機関車や電車を載せる大型の遷車台があるが、駅の貨物側線に設置された2軸貨車入れ換え用の小型のものである。遷車台の使用により、荷役線(貨物ホームに面する線)での貨車の整理が容易になる。