柏駅(かしわえき)は、千葉県柏市柏一丁目および末広町にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東武鉄道の駅である。
JR東日本の常磐線と、東武鉄道の東武アーバンパークライン(野田線)が乗り入れ、接続駅となっている。JR東日本の駅には、快速線を走る特急・中距離電車および常磐線快速電車と、緩行線を走る常磐線各駅停車が停車する。
駅構造
改札は当初からある北側の中央口と、東武は1992年(平成4年)4月、遅れてJRは1999年(平成11年)4月に開設した南口の2か所にある。
駅舎は中央口側は通路と一体のものが双方にあり、双方の通路を接続することで東口・西口を相互に利用している。一方南口は1本の跨線橋に両社の駅舎を接続する形を取っている。JRと東武の改札内は完全に分離されており、連絡改札口も存在しないため、双方の改札口を通らないと乗り換えができない。
構内は双方が接しており、同じ向きに線路とホームが並んでいる。
なお、西口の出入口は駅名に東武・JRの2社表示があるのに対し、JR管理の東口の出入口はJR東日本のロゴのみで東武の表示がないが、既述の通り両社の駅舎は事実上一体であるため、東口もJRコンコース経由で東武コンコースにつながっている。
JR東日本
島式ホーム2面4線を有する地上駅で、橋上駅舎を有している。駅番号は快速と各駅停車でそれぞれ「JJ 07」「JL 28」が付与される。
改札口は中央口と南口のほか、朝ラッシュ時限定の3・4番線(快速)ホーム直結の入場専用改札が中央口改札側(自動券売機の左側)にある。
2005年7月9日のダイヤ改正より朝ラッシュ時の上りを除く「フレッシュひたち」の全列車と上り「スーパーひたち」1本が停車するようになり、3・4番線ホームに自由席特急券券売機が設置されていたが、2015年3月14日のダイヤ改正で新たな着席サービスの開始(自由席の廃止)に伴い、2015年3月6日から新型の指定席券売機が設置され、自由席特急券券売機は使用停止となった。設置場所も11号車付近から、8号車付近に移設されている。なお、現在の特急停車は夜の下り1本と朝ラッシュ時の上りを除く「ときわ」全列車と下りの「ひたち」1本となっている。
中央口前にみどりの窓口・びゅうプラザがある。なお、南口券売機横にあったみどりの窓口は2006年7月に営業を終了し、その役目を指定席券売機や中央口のみどりの窓口に譲っている。自動改札機はSuica・PASMOおよびSuicaと相互利用を実施している各ICカードに対応している。
緩行線は北柏方に留置線が1本あり、松戸・綾瀬方面へ折り返すことが可能である(毎日朝夕に、当駅折り返しの常磐線各駅停車が設定されている)。なお、1番線の当駅始発列車は我孫子方面発よりもわずかに南柏寄りに停車し、整列乗車位置を分けている。
快速ホームは、利用客増加に伴い1998年7月12日にホームの拡幅工事が行われ、4番線側が広げられた。このため、3番線側は階段の壁とホームの端までのスペースが狭いままの箇所がある。また、10両編成の快速・特別快速は上野寄りに詰めて停車する(中央改札口そばの階段下が10号車の停車位置に当たる)。
複々線化工事前は、2面2線に、貨物列車用の中線1線のみ存在するシンプルな構造の駅であった。
事務管コードは▲441112。
のりば
当駅は快速線と緩行線の線路別複々線区間内にあり、1・2番線が各駅停車専用で、3・4番線が快速専用のホームとなっている。
番線 路線 方向 行先
1 常磐線(各駅停車) 上り 新松戸・綾瀬・西日暮里・大手町・代々木上原方面
2 下り 北柏・我孫子・取手方面
3 常磐線(快速) 上り 松戸・日暮里・上野・東京・品川方面
(上野東京ライン)
4 下り 我孫子・天王台・取手・成田・土浦・水戸方面
上野東京ライン開業に合わせて、2・4番線はほぼ全面的に放送が更新され、1・3番線は埼京線で導入されている放送に一部更新された。
備考
3・4番線ホームにはSuicaグリーン券自動券売機・指定席券売機がそれぞれ設置されている。
JR東日本 - 2017年度の1日平均乗車人員は125,354人である。
同社の駅では武蔵小杉駅についで第27位、常磐線のみのJR駅では、北千住駅に次ぐ2位、千葉県内の駅では船橋駅、西船橋駅に次いで3位である。取扱収入ではJR東日本で第17位で、千葉県内では第1位である。
1972年(昭和47年)に当時の日本国有鉄道(国鉄)が実用試験として自動改札機を当駅に設置。国鉄としては中央快速線国立駅・武蔵小金井駅に次ぐ3番目の導入である。試験終了後は撤去された。
常磐線の複々線化当初、快速線ホームは設置されておらず、利用客の利便性の低下において国会で激しい追及を受けたため、新たに快速線ホームが設置され、1972年10月2日から快速電車が停車するようになった。
快速電車が停車するようになった1972年当時の国鉄側コンコース内の広さは、幅21m、奥行き15mで、階段4か所、階段の幅は3.8mであった。
この拡張前のコンコースは狭いことで知られており、1984年(昭和59年)4月19日には大混雑でけが人が出る騒ぎとなった。朝のラッシュ時間帯は改札制限を行い、駅員14人が改札内外で整理を行っていたが押し寄せた乗客によって改札ボックスに押しつけられ負傷した。同年3月7日には当時の国鉄総裁・仁杉巌がピーク時の当駅を視察した。
常磐線 - 武蔵野線方面の臨時急行列車(ぶらり鎌倉号(現:ぶらり横浜・鎌倉号)、わくわく舞浜・東京号(現:快速「舞浜・東京ベイエリア号」)など)が停車していた時期もあったが、2013年3月15日まで「フレッシュひたち」の定期列車として使用されていたE653系を使用していたため誤乗が絶えず、途中から当駅通過のダイヤに変更された。これは485系に変更されてからも継続された。ただし、快速「ぶらり高尾散策号」はE653系を使用していた頃も含め、柏駅停車を継続している。また、「フレッシュひたち」は2013年3月より基本的にE657系での運行に変更されたこともあり、「ぶらり鎌倉」についても、2014年から当駅への停車が復活し、2015年春季以降上野東京ライン経由となった「ぶらり横浜・鎌倉号」も引き続き停車する。なお、「舞浜・東京ベイエリア号」は引き続き通過している。
(明治29年)12月25日 - 日本鉄道の柏駅が開業。
当時、当駅一帯は「千代田村」「柏村」といった地名があったが、当時「千代田」は千代田城、つまり現在の皇居を示し「畏れ多い」とされる言葉だったため「柏」を採用したという経緯がある。
1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定により常磐線の所属となる。
1911年(明治44年)5月9日 - 千葉県営軽便鉄道野田線の駅が開業。
1923年(大正12年)- 12月27日 - 北総鉄道船橋線の駅が東側に開業。
1930年(昭和5年)8月30日 - 総武鉄道船橋線から野田線柏駅への連絡線を設け、船橋線の柏駅を野田線柏駅に統合。
1948年(昭和23年)4月16日 - 東武鉄道野田線と船橋線を統合、野田線となる。
1956年(昭和31年)12月27日 - 西口を開設。
1965年(昭和40年)10月 - 混雑緩和のため当駅折り返しが新設される。
1970年(昭和45年)4月20日 - 貨物取り扱いを、東武野田線からの貨車継承を除いて廃止し、北柏貨物駅に移管。同時に、常磐線複々線化工事に着手。
1971年(昭和46年)
4月1日 - 橋上駅舎(現在の中央口)完成。
4月20日 - 国鉄常磐線複々線化。ただし快速線にホームは設置されず。
1972年(昭和47年)
6月28日 - 自動改札機を設置(国鉄初の、利用者を限定しない実用試験運用、試験終了後撤去)[2][注釈 2]。
10月2日 - 国鉄常磐線の快速線ホーム設置で快速電車が停車するようになる。
1973年(昭和48年)6月30日 - この日限りで自動改札機の試験を終了。
1979年(昭和54年) - 東武鉄道の駅に駅ビル「柏ローズタウン」(現・柏高島屋ステーションモール)が開業。
1980年(昭和55年)10月1日 - 客車列車を除く普通列車がすべて停車するようになる。
1984年(昭和59年)
東武鉄道野田線の貨物列車廃止。
1月 - 国鉄駅舎の増改築工事開始。
12月 - 国鉄柏駅の駅舎増築完成。コンコースの奥行きを30m拡張し、ホーム階段を4つから6つになった。
1986年(昭和61年)11月1日 - 国鉄特急列車(「ひたち」)の一部が停車するようになる。
1987年(昭和62年)
2月20日 - 東西自由通路(現在の南口がある橋)が完成。
4月1日 - 分割民営化に伴い、国鉄の駅はJR東日本が継承。
1992年(平成4年)
4月23日 - 東武柏駅に南口を開設。
12月22日 - JR柏駅で自動改札の供用を開始する。
1998年(平成10年)7月12日 - JR常磐線の3・4番線ホームを3m拡幅。
1999年(平成11年)4月8日 - JR柏駅に南口を開設。
2005年(平成17年)7月9日 - JR特急列車「フレッシュひたち」の千葉県内停車駅を柏に統一。朝の上り一部を除くすべての「フレッシュひたち」が停車。特別快速新設に伴い、停車駅となる。
2007年(平成19年)3月10日 - 東武柏駅に発車メロディを導入。
2011年(平成23年)7月23日 - 東武柏駅の番線表記が変更。
2015年(平成27年)
2月7日 - 東武柏駅の1番線・2番線でホームドアが稼働開始。
3月14日 - 東武柏駅の3番線・4番線でホームドアが稼働開始。
JR東日本 柏駅
かしわ
Kashiwa
所在地 千葉県柏市柏一丁目1-1
北緯35度51分44秒
東経139度58分15.8秒座標: 北緯35度51分44秒 東経139度58分15.8秒
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
電報略号 カシ←カシワ
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 2面4線
乗車人員
-統計年度- 125,354人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1896年(明治29年)12月25日
乗入路線 2 路線
所属路線 ■■常磐線(快速)
駅番号 □JJ 07
キロ程 26.9km(日暮里起点)
上野から29.1km
◄JJ 06 松戸 (11.2km)(4.4km) 我孫子 JJ 08►
所属路線 ■常磐線(各駅停車)
駅番号 □JL 28
キロ程 26.9km(日暮里起点)
綾瀬から19.2km
◄JL 27 南柏 (2.4km)(2.3km) 北柏 JL 29►
備考 2路線とも正式名称は常磐線
直営駅(管理駅)
みどりの窓口 有