長野県塩尻市奈良井
昭和中/1961
石造3階建、瓦葺、建築面積33㎡
1棟
長野県塩尻市大字奈良井字城1096-1他
登録年月日:20131224
登録有形文化財(建造物)
奈良井駅北側に建ち、石造三階建、切妻造、妻入、桟瓦葺である。大谷石積で、階境に水切を廻らし、妻にペディメントを表す。二階と三階の妻面に石庇付の窓を設ける。特徴的な外観をもち、丁寧に施工された石蔵で、伝統産業である漆器生産の様相を伝える。栃木県宇都宮大谷から運び、石工を招いて建築された。
URL http://www.city.shiojiri.lg.jp/tanoshimu/bunkazai/kunibunkazai.html
アクセス JR奈良井駅から徒歩3分
登録年:平成25年
員数:1棟
所有者:丸山氏
備考:
石造三階建、切妻妻入、桟瓦葺、昭和36年(1961)築、産業3次
大谷石(おおやいし)は軽石凝灰岩で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材である。柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきた。軽くて軟らかいため加工しやすく、さらに 耐火性に優れている。このため住宅(かまど、石塀・防火壁、門柱、敷石・貼石など)、蔵や倉庫、大きな建築物の石垣、斜面の土止め石(擁壁)といった幅広い用途を持つ。耐火性・蓄熱性の高さからパンやピザを焼く窯や石釜の構造材としても用いられる。
産地に近い宇都宮周辺では古くから、石蔵をはじめとした建築物の外壁、プラットホーム、石垣や階段、門柱に大谷石が盛んに利用されている。テレビ番組とのタイアップにより当初は宇都宮駅東口に設置された餃子像や、1932年に建設された宇都宮カトリック教会(通称:松が峰教会)も大谷石造である。
同じく地元にある下野国分寺や宇都宮城などの築造にも古くから使われた。多孔質の独特な風合いが広く知られるようになったのは、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが、帝国ホテル旧本館(東京)に用いてからである。
地下から切り出した直後は水分が多いため青みがかっており、乾燥するにつれ茶色っぽい白色に落ち着く。表面に点在する茶色の斑点は「ミソ」と呼ばれる。「ミソ」が大きい荒目より、小さい細目(さいめ)が高級品とされる。
多孔質故に風雨に晒される野外では劣化が早く、第二次世界大戦後はコンクリートに押された。近年は厚さ2cm程度に薄くスライスする技術が開発されたほか、見た目の美しさが再評価されている。さらに吸湿や消臭、音響効果があることも分かり、住宅や店舗の内装、音楽ホールへの利用が広がっている。