アメリカ海軍 厚木基地に駐屯する第51軽対潜ヘリ飛行隊第11分遣隊(DET-11)のSH-60F オーシャンホーク。SH-60は当初、駆逐艦などに搭載されるLAMPS Mk IIIの多目的ヘリコプター、SH-60B シー・ホークとして開発されました。その後、派生型として、航空母艦搭載の艦上対潜哨戒用としてSH-60F オーシャンホークが開発。
1987年より配備されはじめたSH-60F オーシャンホーク。これは、SH-3H シーキングの後継として航空母艦に搭載され、空母戦闘群周辺での対潜作戦を担当する、いわゆるCVヒーロー(HELO)である。前任機のシーキングは各国で長く使用されている名機であったが、SH-60Fは、より小型でありながら、それよりも優れた飛行性能を備えています。
CV HELOは、正式名称を空母内側ゾーン対潜ヘリコプター(Aircraft Carrier Inner Zone Anti-Submarine Warfare Helicopter)と称し、空母戦闘群の護衛艦、およびそれらが搭載するLAMPSヘリコプターの対潜バリアーを突破してきた潜水艦を撃破することを目的としている。従って、その担当水域は比較的狭く、かつ、護衛艦部隊の警戒をかいくぐれるような敵は静粛性に優れていることが予想されるので、対潜センサーとしては、アクティヴ・モードのディッピングソナーを使用します。また、ディッピングソナーは、ソノブイよりも目標捕捉精度が高い(方位解析精度3度、測距精度45メートルと言われる)ため、敵潜水艦が近ければ、ソナー探知に続いて即座に攻撃を行なうことができるが、これは、空母という護衛対象が間近にいることを考えると、極めて重要な特性です。
SH-60Fは、基本的にSH-60Bをベースとしてはいるが、このように求められる任務が異なるので、設計変更された部分も多い。まず、LAMPS Mk III用の電子装備に代わり、内側ゾーン用の対潜アビオニクスが搭載され、ソノブイ投射機はAQF-13ディッピングソナーに変更された。ディッピングソナーの運用に対応して、自動操縦システムのプログラムも書き換えられており、例えば前進飛行から、より迅速にホバリングに移れるようになりました。また、対水上捜索も不要なので、APS-124レーダーも撤去されたが、これは外見からSH-60BとSH-60Fを区別するための重要な識別点です。さらに、駆逐艦などよりはるかに安定した空母の飛行甲板で発着するので、RASTも撤去されました。
また、多目的の使用を考慮しなくて良いため、航続距離延長のために機内に燃料タンクが増設され、空母から50 kmを進出して、100ノットでの移動とホバリングしてのソナー吊下げを繰り返しつつ、10パーセントの燃料を残して4時間の作戦行動が可能となっています。ただし、空母搭載機の事故などの際に捜索救難を実施するため、救助ホイストは残されています。
エンジン: ゼネラル・エレクトリック T700-GE-401C ターボシャフトエンジン × 2,
全長: 19.76m 幅:2.36m
ローター全長: 16.36m
最大速度: 334 km/h
最大航続距離: 6000 km
馬力:1662軸馬力