ダイハツ・4代目「Tanto」
タント(初代、4代目:Tanto、2代目:TANTO、3代目:TanTo)は、ダイハツ工業が生産・販売している軽トールワゴン(軽スーパーハイトワゴン)のブランド(商標)、車名。生産はダイハツ滋賀工場(第2地区)で行われていた。
車名の由来
イタリア語で「とても広い、たくさんの」という意味。日本語にも「たんと」という似た言葉がある。
FFレイアウトながら2,000mm(初代)の長い室内長と、発売時に軽自動車のなかで最長となる2,440mmのロングホイールベースが特長であった。「タント」の車名が示す通り、同社で発売されている「ムーヴ」よりもキャビンの拡大を図っており、結果として全高1,700mmを超えた。
2005年6月には、前後デザインを差別化させてディスチャージヘッドランプなどの装備で更に充実させた「カスタム」を追加。「ムーヴ・カスタム」のような、押し出しの強いスポーティな外観デザインが特徴である。
2019年:7月9日 - フルモデルチェンジが公式発表され、発売が開始された[28]。ロゴは初代と同じ「Tanto」へ回帰した。キャッチフレーズは「クルマを超えて。」で、CMキャラクターには大泉洋、CMソングには東京スカパラダイスオーケストラの「ORIHIME」が起用された。
運転席のスライド量を最大540mmまで可能にする運転席ロングスライドシートを採用。安全面に考慮し、シフトポジションがPレンジの場合のみにインパネ又は運転席シートバック背面にあるスイッチを押すことでスライドが可能となる。また、軽自動車では初の装備として、助手席ドアが半ドア時に自動で全閉する助手席イージークローザー、パワースライドドアが閉まりきる前にフロントドアハンドルのリクエストスイッチに触れることで事前にドアロックを予約することが可能なタッチ&ゴーロック機能、降車の際インパネに設置されたスイッチを押すことで、車両に戻る際にパワースライドドアの自動オープンを予約することが可能なウェルカムオープン機能が採用された。また、フューエルリッドは室内のオープナーレバーを無くし、ワンプッシュでの開閉が可能なドアロック連動型となった。
3代目で採用された「スマアシ」が「次世代スマートアシスト」に強化され、車線逸脱抑制制御機能、標識認識機能(進入禁止)及び軽自動車で初となるADB(アダプティブドライビングビーム)が追加されるとともに、誤発進抑制機能にはブレーキ制御が追加された。また、全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)、LKC(レーンキープコントロール)、サイドビューランプ及び軽自動車初採用となる駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」で構成された運転支援機能「スマートアシストプラス」も採用された。なお、オートライト義務化への対応として、ライトOFFスイッチをリターン式に変更されオートライトをデフォルト化するとともにインパネに装備されていたオートハイビームスイッチが廃止されオートハイビーム「ON」がデフォルトに変更された。
また、4代目は「DNGA」による最初の車種に位置付けられており、サスペンションアレンジ最優先の設計と、曲げ剛性の向上やハイテン材の活用・構造合理化によりボディ構造全体の軽量化が図られた新プラットフォーム「DNGA-Aプラットフォーム」となり、CVTにはスプリットギアを組み込み、ベルト+ギア駆動を可能にした「D-CVT」を採用。エンジンはこれまで通りKF型が踏襲されるが、エンジンの基本性能をより一層磨き上げる理由でNAエンジン・ターボエンジン共に連続式可変バルブタイミング機構(DVVT)の省略、並びにペントルーフ型燃焼室から自動車用4バルブガソリンエンジンとしては世界初となる半球型燃焼室への変更、複数回点火(マルチスパーク)の採用や燃料噴霧方式をスワール噴霧へ変更するなどの改良により燃焼効率が向上し、NA車は軽乗用車初の「平成30年排出ガス基準75%低減レベル(☆☆☆☆☆)」認定を取得。ターボ車もWLTCモード走行による排出ガス試験に対応し、「平成30年排出ガス基準50%低減レベル(☆☆☆☆)」認定が取得された。
ボディカラーは3代目からタント・タントカスタム共通色のブラックマイカメタリック、ブライトシルバーメタリック、ファイアークォーツレッドメタリック、タント専用色のホワイトが継続設定され、3代目ではタント・タントカスタム共通色だったプラムブラウンクリスタルマイカ(メーカーオプション)をタントカスタム専用色へ移行。新色としてタント・タントカスタム共通色のマスタードイエローマイカメタリック、シャイニングホワイトパール(メーカーオプション)、レーザーブルークリスタルシャイン(メーカーオプション)[補足 15]、タント専用色のアイスグリーンとブルーミングピンクメタリック、タントカスタム専用色のパールブラック(メーカーオプション)が追加設定され、タントは9色、タントカスタムは8色となり、タントカスタムにはブラックマイカメタリックと組み合わせた2トーン3色もメーカーオプションで設定される。なお、2トーンではサイドガーニッシュが追加で装着される。
グレード体系はスマアシの標準搭載が基本となったことで3代目ではスマアシ搭載車に付記されていた"SA"のグレード表記が無くなり、タントは「L」・「X」・「Xターボ」、タントカスタムは「L」・「X」・「RS」の各3グレードとなった。タント「L」には「スマートアシスト非装着車」が設定される。
福祉車両の「フレンドシップシリーズ」も同時にフルモデルチェンジされ、新たに回転シート車「ウェルカムターンシート」が設定された。助手席に装備された「ラクスマグリップ」を正面でつかめる30度の回転角度に設定し、回転後にシート部分が車外に出ない構造となっているほか、天井部には車いすをラゲッジスペースへ収納させるための電動式パワークレーン(車いす収納装置)が装備されている。継続設定の昇降シート車「ウェルカムシートリフト」と車いす移動車「スローパー」はそれぞれ改良され、「ウェルカムシートリフト」はシート座面形状がフラット化され、助手席の前後位置を調整するスイッチを運転席側にも設けた。また、乗降ユニットの改良により車外への突出量が約230mm低減され、車内電動スライド量の増加と回転軸中心位置の見直しにより回転時の足元スペースが45mm拡大。2WD車は従来よりも低い位置までシートが下降するようになった。「スローパー」はスロープがワンタッチ操作で前倒が可能で、車いす乗車が無い時はラゲッジスペースがフラット化する「リトラクタブルスロープ」となったほか、車いす固定ベルトをリトラクタ式に、ベルトやリアシートのロック解除がワンタッチ式となり、ワイヤレスリモコンの収納ポケットの位置も変更。さらに、標準仕様同様にミラクルオートステップや「ラクスマグリップ」をオプションで装着することが可能となった。グレード体系は「ウェルカムターンシート」は「L」と「X」、「ウェルカムシートリフト」と「スローパー」は「L」・「X」・「カスタムRS」がそれぞれ設定され、「ウェルカムターンシート X」、「ウェルカムシートリフト X」、「ウェルカムシートリフト カスタムRS」には4WD車も設定される。