クルーズトレイン「ななつ星in九州」は、九州旅客鉄道(JR九州)が運行する寝台列車です。
九州各地を巡り、自然・食・温泉・歴史などを楽しむことを目的とした観光寝台列車です。列車名は、九州の7つの県(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)と、九州の主な7つの観光素材(自然・食・温泉・歴史文化・パワースポット・人情・列車)、そして7両編成の客車を表現したものです。
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JR九州では本車両を「大人の空間」と位置づけているため、ツアー参加者は中学生以上に限定されている。車内の共用スペースでのドレスコードは「スマートカジュアル」と定められ、ジーンズやサンダルは禁止である。車内は全面禁煙で、寝台個室にテレビは設置しない。本列車を申し込む際は、参加者全員の名前を登録する必要があります。
最大33‰での連続勾配における起動や列車密度の高い線区での加速性能を考慮し、日本貨物鉄道(JR貨物)が開発した電気式ディーゼル機関車DF200形「ECO-POWER RED BEAR」を設計の基本として、「ななつ星in九州」仕様に外観などを設計変更した。形式表記は「DF200-7000」が使用され、連結器は77系客車と同様に密着自動連結器(密自連)を採用しているが、並形自動連結器(並自連)と連結する際には連結器の動きを、上下左右から左右のみの動きに切替えるための切替レバーが装備されている。
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なお、回送やプッシュプル運転時(運行開始時は、長崎 - 長与間、有田 - 佐世保間、由布院 - 庄内間)の際には黒色塗装に塗り替えられたDE10形がDF200形を含む編成ごと牽引する。また、DF200形は予備車が無いため、機関車故障の際は代走としてDE10形2両による重連運転が行われたことがある。
専用のディーゼル機関車1両と、客車7両で運転されている。機関車・客車ともにすべて大分鉄道事業部大分車両センターに所属している。日本貨物鉄道(JR貨物)が保有する北海道支社用電気式ディーゼル機関車DF200形を設計の基本として、「ななつ星in九州」仕様に外観などを設計変更した型式表記は「DF200-7000」が使用され、連結器は77系客車と同様に密着式自動連結器を採用しているが、並型自動連結器と連結する際には連結器の動きを、上下左右から左右のみの動きに切替えるための切替レバーが装備されている。2013年7月2日に製造元の川崎重工業兵庫工場から車体に傷防止の黒いカバーがされた状態で大分へ向けて甲種鉄道車両輸送が実施された。
専用の77系客車が使用される。寝台車5両とダイニングカー、ラウンジカーで構成された7両一編成で、製造はJR九州小倉総合車両センターが1 - 3号車を、日立製作所が4 - 7号車をそれぞれ担当した。小倉総合車両センター担当車の車体構体は日立製作所で製造された。寝台個室はスイート12室、DXスイート2室の計14室で、定員は28名である。今回、超豪華列車ということで永らく使用されてこなかった旧一等車形式区分である「イ」が使用されている。まず、日立製作所担当の客車4両(4 - 7号車)が完成し、DF200形と同じく黒いラッピングフィルムによるカバーを装着した状態で7月18日に日立製作所笠戸事業所から小倉へと甲種鉄道車両輸送され、小倉総合車両センターで製造された客車3両(1 - 3号車)とともに8月1日に小倉総合車両センターで構内試運転が実施され、8月15日からJR九州管内での本線試運転が開始された。車両製造費は7両編成で約30億円である。
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客車が7両編成となったのは「山間部の(線路・駅設備等の)制約が大きく、機関車を入れて8両・約160mが限界」という社内での検討の結果による。関係者への取材によれば「社長(唐池恒二)からは『もう1両増やせないか』という話があった」ものの結局断念したという。
車体は817系電車のものを基調としたアルミニウム合金のダブルスキン構造を採用しており、客室内の天井の高さを最大限確保するため、屋根高さを車両限界に近い4080mmとした。空調装置は、1・2号車は21000Kcal/hの容量のAU700形を各2基ずつ、3-7号車は6000kcal/hのAU701形を各5基搭載しており、空調カバーと屋根のカーブを極力合わせている。1・2号車には、床下にサービス電源用発電エンジンのSAD40HE-2形を搭載しており、320kVAの発電機を駆動させることにより三相交流440V/60Hzを出力させ、各車に装備されたKE10形ジャンパ連結器で連結され各車両に引き通されて電力を供給する。また、制御回路は別のKE70形ジャンパ連結器で連結され各車両に引き通されている。
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ブレーキは電気指令式空気ブレーキを採用しており、1号車と7号車にブレーキ読替え器を搭載して、機関車から客車へのブレーキ指令を送るブレーキ管の圧力変化を電気信号に読替えてから電気回路で各車にブレーキ指令を送りブレーキを作動させる。また、電気指令式空気ブレーキが使用できない場合には、各車にバックアップで搭載されたCL形自動空気ブレーキに切替えて運転を継続できるようになっている。
台車は787系電車のTR400形をベースにした軽量ボルスタレス車台車のDT407K形で、基礎ブレーキは踏面ブレーキとディスクブレーキを装備しており、軸箱支持装置は円筒積層ゴム式で軸バネのコイルバネ内に取付けられている。軸箱の上にはオイルダンパが装備されており、台車枠と車体の間にはアンチヨーダンパの他、上下方向の振動に対して、減衰力を切替えて振動を緩和させる可変減衰上下動セミアクティブダンパを上下方向に取付けている。
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さらに、1号車と7号車には、空気圧式のフルアクティブダンパを搭載しており、それを作動させる他に、空気バネの空気圧供給、電気指令式空気ブレーキを作動させる圧縮空気を4・6号車に搭載したMH3095K-SC1500形電動空気圧縮機により供給されるが、機関車からも元空気ダメ管を連結して客車で必要な圧縮空気の供給を行う。
各車両は密着連結器で連結されており、衝動緩和を図っているが、機関車の連結部は密着式自動連結器を装備している。また、連結時には、機関車との間でKE158形ジャンパ連結器を連結して、機関車側で客車のブレーキ不緩解・火災表示・エンジン故障表示・非常警報表示などの客車の情報を監視できるシステムになっている。また、内外装のデザインは水戸岡鋭治が担当している。寝台個室は全室シャワー・トイレ付き。ただし、水タンクの容量が2日分しかないため、3泊4日コースの場合は2日目の夜(旅館泊)に車両を一度鹿児島車両センターに回送して、水及び燃料を補給する。洗面台の洗面鉢は、2013年6月15日に死去した14代目酒井田柿右衛門の遺作です。
ななつ星in九州
営業運転を開始し、阿蘇駅で運転停車中の「ななつ星in九州」牽引機関車のDF200形7000番台と77系客車。 (阿蘇駅 2013年11月)
営業運転を開始し、阿蘇駅で運転停車中の「ななつ星in九州」牽引機関車のDF200形7000番台と77系客車。
(阿蘇駅 2013年11月)
概要
国 日本の旗 日本
種類 寝台列車(臨時列車)
現況 運行中
地域 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県
運行開始 2013年10月15日
運営者 九州旅客鉄道(JR九州)
「ななつ星in九州」のすべて DVD付き (別冊宝島 2171) 宝島社
路線
起点 博多駅
終点 博多駅
車内サービス
クラス A寝台
就寝 「DXスイート」(7号車)
「スイート」(3・4・5・6号車)
食事 ダイニングカー「ジュピター」(2号車)
展望 ラウンジカー「ブルームーン」(1号車)
技術
車両 DF200形ディーゼル機関車・77系客車
(大分鉄道事業部大分車両センター)
軌間 1,067 mm
電化 交流20,000 V・60 Hz
非電化
最高速度 100km / h