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6号機関車 東武鉄道B1形(東武鉄道記念物12号)

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東武鉄道では、1898年製の10両(製造番号4026 - 4035)を輸入し、B1形 (3 - 12) とした。これらは、日本鉄道のものと主要寸法は同一であったが、使用圧力が9.8kg/cm2と、官設鉄道や日本鉄道のもの (11.2kg/cm2) よりも低かった。翌年、東武鉄道は伊勢崎線北千住・久喜間を開業したが、以遠の建設は資金難のため困難となってしまった。

 

超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道   渡部史絵 河出書房新社

 

10両ものテンダー機関車の保有が重荷となった東武鉄道は、1897年に本所(現錦糸町)・銚子間が全通したものの、タンク機関車ばかりを保有していた総武鉄道に本形式を譲渡することとした。両社には共通の重役もいたため、譲渡話は順調に進み、1899年に4両 (9 - 12) 、1901年に2両 (7, 8) の計6両が譲渡され、総武鉄道の16 - 21に改番された。

東武鉄道は伊勢崎線北千住 - 久喜間の新規開業用として、1898年に10両の5500形の同形車B1形 (3 - 12) を輸入したが、1899年および1901年に計6両を総武鉄道に譲渡し、4両 (3 - 6) のみを継続して使用した。

しかし、1907年(明治40年)8月に(亀戸線)亀戸 - 足利間の開通に伴い、残った4両だけでは不足を来すこととなってしまった。そのため東武鉄道では、同年、ピーコック社から同形の製造番号5089,5090を輸入し、14, 15(1915年、7, 8(いずれも3代目)に改番)とした。

その後、国鉄から5両の同形機 (5541, 5544, 5549, 5531, 5551) を譲受し、東武鉄道では54 - 56, 59, 58(2代)と改番して使用した。これにより、東武鉄道プロパーの6両を合わせて計11両のB1形が東武鉄道で使用されることとなったが、これらは1945年(昭和20年)に3が事故廃車(除籍は1952年)となった以外は、1959年(昭和34年)から1963年(昭和38年)に至るまで社線内の貨物列車牽引に使用された。

廃車は、4が1959年、55, 59が1960年、56が1962年、8, 54が1963年、58が1964年、5, 6が1965年である。最後まで残った5・6が東武鉄道創業時の機関車として東武関連施設で保存・展示されたのち、1989年に開設された東武博物館に保存・展示されている。

 

鉄道まるわかり004 東武鉄道のすべて   旅と鉄道編集部 天夢人

 

形式 東武鉄道B1形 、国鉄式2Bテンダー機関車、アメリカ式4-4-0
製造年 1898(明治31)年
製造会社 ベヤーピーコック社(英国)
最大寸法
(車体長×車幅×高さ)
14217×2308×3658mm
主要機器 動輪直径1372mm シリンダー径406×559mm 使用圧力1501b(10.5kg/cm2)
火格子面積14.27ft2(1.33m3) 標準容量 水2000gal(9.09m3) 燃料(石炭)135ft3(3.45t)
自重 機関車31.4t テンダー車22.6t
廃車 1965(昭和40)年10月
記念物指定 東武鉄道記念物12号


軌間:1,067mm
車軸配置:4-4-0(2B)
弁装置:スチーブンソン式基本型
シリンダー(直径×行程):406mm×559mm
ボイラー圧力:11.3kg/cm2
火格子面積:1.33m2
全伝熱面積:80.3m2
煙管蒸発伝熱面積:73.0m2
火室蒸発伝熱面積:7.3m2
ボイラー水容量: 2.3m3
小煙管(直径×長サ×数):45mm×3,229mm×170本
機関車運転整備重量:34.07t
機関車空車重量:30.97t
機関車動輪上重量(運転整備時):22.34t
機関車動輪軸重(第1動輪上):11.62t
炭水車重量(運転整備時):24.55t
炭水車重量(空車):11.64t
機関車性能
シリンダ引張力:5,990kg
ブレーキ装置:手ブレーキ、真空ブレーキ

 

東武鉄道大追跡   岸田 法眼 アルファベータブックス

 


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