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新幹線E2系電車

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新幹線E2系電車(しんかんせんE2けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の新幹線車両。1997年(平成9年)3月22日に東北新幹線で「こまち」と連結する速達「やまびこ」で営業運転を開始した。


1997年(平成9年)3月に開業した秋田新幹線「こまち」に併結する東北新幹線「やまびこ」用として、また同年10月に開業した北陸新幹線(長野新幹線)高崎駅 - 長野駅間「あさま」用として開発された。
1995年(平成7年)の製造当初より、JR東日本の新幹線標準型車両として位置づけられており、200系の置き換えも念頭において増備されている。2020年(令和2年)現在、東北新幹線「やまびこ」(東京駅 - 仙台駅間)の大半と「なすの」の約半数の列車(10両編成と17両編成の1 - 10号車)、東北新幹線「はやて」(臨時列車)・上越新幹線「とき」・「たにがわ」で運用されている。また、2017年3月末で長野新幹線の開業時から20年間に渡って運用されてきた0番台N編成が運用から離脱した。
本系列は1998年(平成10年)冬に開催した長野冬季オリンピック輸送に使用されることを考慮して、以下を車両の基本コンセプトとした。
トータルイメージ:Gran-Grace(気高い、魅力・しとやかさ)
エクステリアイメージ:Dynamic&Graceful(優美で動的な)
インテリアイメージ:Advanced&Comfort(先進的で快適な)
落成当初のJR東日本が監修した資料では、北陸新幹線用車両はE2系、秋田新幹線併結用車両は E2'系 (ダッシュが入る)の名称を使用している。ただし、量産車落成以降の資料では、北陸新幹線用車両はN編成、秋田新幹線併結用車両はJ編成の名称が使用されている。
本系列では北陸新幹線(先行開業区間)特有の、延長数10kmに及ぶ下り30‰連続勾配、また軽井沢駅 - 佐久平駅間での50/60Hz電源周波数の切り替えに対応した機器を搭載しているのが特徴となっている(2001年以降製造の1000番台を除く)。

構造
両先頭車が付随車、中間車はすべて動力車となっている。北陸新幹線「あさま」として運用される8両N編成と東北新幹線・上越新幹線で運用される10両J編成の2種類があったが、N編成は2017年3月31日をもって運用を終了し、翌月4月で全廃となり、J編成のみとなった。

車両概観
高速運転時の騒音・環境対策として、トンネル進入時の微気圧波低減のため先頭車両形状の最適化が行われた。車体はアルミニウム合金製である。シングルスキン構造を主体に側構体にダブルスキン構造を用いた編成もある。客用扉にはプラグドアの採用して、車体表面を極力平滑化することにより空力音を低減した。前照灯は運転席上部にシールドビーム式を4灯、その両側に尾灯を配置している。
車体側面には行き先・列車種別・座席表示を兼ねたLED式行先表示器が設置されている。

塗装
車体の下半分を紫苑ブルー、上半分を飛雲ホワイトとし、境目に真紅レッド(N編成)/つつじピンク(J編成)を配する。車体側面にはエンブレムが配されている。N編成はそよ風を、J編成はりんごをモチーフとしている。
なお、10両編成化される前のJ編成は、N編成と同じカラーリング(真紅レッドの帯とそよ風をイメージしたエンブレム)であった。


最高速度
E2系の営業最高速度は275km/hである。ただし、試運転では362km/hでの走行実績がある。
東北新幹線の盛岡駅 - 八戸駅 - 新青森駅間の最高速度を現行の260km/hから向上することができない背景には、騒音対策と高速化の費用対効果に加えて、JR東日本が線路保有者の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に支払う「貸付料」の額を、高速化が左右しかねないという整備新幹線ならではの事情がある。なお北陸新幹線用のE2系N編成は動力車の一部がJ編成に編入され東北新幹線で275km/hで走行しており、N編成に車両性能上の制約があるわけではない。
北陸新幹線では軽井沢駅 - 佐久平駅間で50/60Hzの周波数切替があるため、営業列車ではN編成が使われていた。なお、お召し列車では1000番台以外のJ編成を使用した。

内装・設備
グリーン車はシートピッチが1,160 mm間隔で、通路を挟んで左右に2列ずつ座席が配置される。長野・新青森・新潟寄り車端の1か所に客用扉・デッキを設ける。
普通車はシートピッチが980 mm間隔であり、通路を挟んで左右に2列+3列に座席が配置される。車端2か所に客用扉・デッキを設ける。
便所は2両に1箇所(奇数号車の長野・新青森・新潟寄り)に設置されており、大便所2箇所(洋式便器2箇所)と小便所1箇所、洗面所2箇所という構成である。ただし、グリーン車であるE215形は、多目的室を併設するため洗面所が1か所になっている。

新幹線E2系電車
基本情報
運用者 東日本旅客鉄道
製造所 川崎重工業車両カンパニー
日立製作所笠戸事業所
東急車輛製造
日本車輌製造
製造年 1995年 - 2010年
製造数 502両
運用開始 1997年3月22日
投入先 東北新幹線・上越新幹線・北陸新幹線
主要諸元
編成 8両(6M2T / N編成)
8両 → 10両(6M2T→8M2T / J編成)
軌間 1,435 mm(標準軌)
電気方式 交流25,000V 50Hz/60Hz(0番台)
交流25,000V 50Hz(1000番台)
最高運転速度 275 km/h(東北新幹線)
260 km/h(北陸新幹線)
240 km/h(上越新幹線)
設計最高速度 315 km/h
起動加速度 1.6 km/h/s
編成定員 N編成:計630名(51名)
J編成(基本番台):計814名(51名)
J編成(1000番台):計813名(51名)
()内はグリーン車
編成重量 366 t(N編成)
440 t(J編成)
編成長 201.4 m(N編成)
251.4 m(J編成)
全長 25,700 mm(先頭車)
25,000 mm(中間車)
全幅 3,380 mm
全高 3,700 mm
車体 アルミニウム合金
台車 DT206(電動車),TR7004(付随車)
主電動機 かご形三相誘導電動機 MT205
主電動機出力 300 kW × 4基/両(1時間定格)
駆動方式 WN駆動方式
歯車比 3.04[1]
編成出力 7,200 kW (N編成)
9,600 kW (J編成)
制御方式 VVVFインバータ制御(IGBT,GTO)
制動装置 回生併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重装置付き)
保安装置 ATC-2型、DS-ATC


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