猿島砲台(東京湾要塞) - 1884年(明治17年)築、現存する数少ないフランドル積の建造物。日本国では数少ないフランドル積みが見られる。使用された煉瓦は愛知県の東洋組士族就産所で製造された。国の史跡に指定されている。愛知県産の品質の高い赤煉瓦を用いて、明治時代中期に建造されました。
当時の煉瓦は素材や焼成温度が均一でなかったため、結果として色とりどりの煉瓦が積まれて現代に残り、観光客に人気がある。フランス積のれんが建造物は、もともと数が少なかったこともあり、この要塞跡も含めて、全国で4件(「富岡製糸場(明治初期)」、「米海軍横須賀基地内倉庫(時期不詳)」「猿島要塞(明治中期)」「長崎造船所 小菅ドック(幕末)」)が確認されているのみです。
煉瓦(れんが)は、粘土や頁岩、泥を型に入れ、窯で焼き固めて、あるいは圧縮して作られる建築材料。通常は赤茶色で直方体をしている。焼成レンガは原料中の鉄分量および焼成時の酸素量によって色が変わる。日本においては一般的な製法を用いた場合赤褐色となる。耐火レンガは炉材にも使われる。
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日本において煉瓦建築の技術は、近代化とともに導入されたが、構造材として用いる場合は地震に弱いという難点があり、関東大震災では多くの被害を出したことから、煉瓦建築は小規模な建物を除いて激減した。ただし、建材には煉瓦風のタイルも様々な種類が存在し、仕上げ材としては現在でも多く用いられる。これは洋風の雰囲気を出すため、木造や鉄筋コンクリート造の表面に張り付けるものである。
建築構造としての積み方にはフランドル積み (Flemish Bond)、イギリス積み (English Bond) などがある。
正面から見たときに、一つの列に長手と小口が交互に並んで見えるのがフランドル積み。一つの列は長手、その上の列は小口、その上の列は長手、と重ねてゆくのがイギリス積みである(下図・濃淡は小口と長手の区別のため便宜的につけたもの)。イギリス積みは厳密には角にあたる部分の手前にようかん (Quarter) が入るが、この部分に七五を用いて処理している場合にはオランダ積みと呼ぶこともある。
日本では、フランドル積みの方がより優美に見えるが、手間がかかり、構造的にはやや弱くなるという説が出されたことからすたれた。
このほか、長手積み (Stretcher Bond) とは全ての列に長手だけが見えるように重ねる積み方で、小口積み (Header Bond) とは全ての列に小口だけが見えるように重ねる積み方である。歩道などにレンガを敷く時は、市松模様や網代模様も見られる。
表面に化粧煉瓦を置くこともあり、必ずしも躯体が煉瓦積みの構造体ではないもの(鉄筋コンクリート構造体や鉄骨ラーメン構造体など)がある。
日本で最初期に造られた煉瓦建築は幕末の反射炉である。ヘンドリック・ハルデス、レオンス・ヴェルニー、トーマス・ウォートルス、リチャード・ヘンリー・ブラントン等お雇い外国人の指導で官営事業を中心に煉瓦の製造、建設が始まった。1870年、日本初の煉瓦(当初は煉化あるいは煉化石とも呼ばれた)工場が堺県(現在の大阪府堺市)に設立された。銀座煉瓦街の建設の際は大量の煉瓦を必要としたため、東京の小菅に煉瓦工場が築かれた。
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日本では明治初期まではフランドル積み(フランス積み)構造が多く用いられた(長崎造船所、富岡製糸所、銀座煉瓦街等)が、その後はほとんどイギリス積みになった。フランドル積みの方がより優美に見えるが、イギリス積みの方が合理的で堅固であると考えられたためである。例えば、東京駅の外壁を見ると、どの列にも小口が並んでおり小口積みのようであるが、これは表面仕上げに小口煉瓦を用いているためで、主構造はイギリス積みである。
明治中期頃には煉瓦職人も増え、一般的な技術の一つになった。煉瓦造建築は濃尾地震で被害を受けたため、鉄骨で補強する構造なども工夫された(赤坂離宮、東京駅など)。また、大正時代には鉄骨造建築の壁を煉瓦で造ったり(郵船ビルなど)、鉄筋コンクリート造建築の一部を煉瓦造とする混構造も見られた。しかし、煉瓦を構造に用いた建物は関東大震災で大きな被害を受けた。浅草の凌雲閣(十二階)が倒壊したことは象徴的であった。震災以降、煉瓦造は小規模な建物以外には用いられなくなり、鉄筋コンクリート造が主流になった。
日本建築学会の調査によると、明治20年以前のれんが建築物は、現在、全国で22件が確認されているのみです。
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寸法・規格
日本の規格レンガの大きさ比較。“さいころ”は“半ます”より5mm短くなっている
レンガの寸法は、職人が持ちやすい大きさで慣習もしくは規格によって統一されている場合が多い。国・地域・時代によって違いがあり、たとえば現在のアメリカでは203mm(8inch) x 102mm(4inch) x 57mm(2-1/4inch)、イギリスでは215mm(8-15/32inch) x 112.5mm(4-7/16inch) x 75mm(2-15/16inch)、日本では210mm x 100mm x 60mmのものが広く使われている(日本ではJIS規格が定められるまで、様々な寸法のレンガがあった)。この寸法を標準とし、各辺を1/2、1/4、3/4などの単純な分数倍したものを組み合わせて用いる。たとえば、日本で建築用に使われているものには以下のような寸法がある(単位:mm)。
全形(210 x 100 x 60)
ようかん(210 x 50 x 60)
半ようかん(105 x 50 x 60)
半ます(105 x 100 x 60)
さいころ(100 x 100 x 60)
また、JIS(日本工業規格)には、以下のものが定められている。
普通レンガ(JIS R1250)
建築用レンガ(JIS A5213)
耐火レンガ(JIS R2204〜2206、JIS R2213) … 炉材として使われる。