85式地上レーダ装置(はちごしきちじょうレーダそうち)は、日本電気が製作するレーダー。後に地上レーダ装置1号と改称した。
敵人員、海上目標などに対する地上監視用レーダーとして陸上自衛隊で装備化されており、73式中型トラックに搭載可能なJTPS-P11と、82式指揮通信車ベースの装輪装甲車に搭載されたJTPS-P12がある。また2007年からは、プラットフォームを高機動車に変更するなどした地上レーダ装置1号(改)JTPS-P23の配備が開始されている。
71式地上レーダ装置 JTPS-P6の後継として技術研究本部で開発され、1986年(昭和61年)度に制式化された。
主に機甲科(偵察隊)に配備されており、地上においては車両・人員などの移動目標を、海上においては船舶の動きを監視するために使用する。
各サブシステムから構成されており、JTPS-P11では73式中型トラックに搭載可能なシェルタに、JTPS-P12では82式指揮通信車ベースの装輪装甲車に収容されている。
送信部 JT-P8
受信部 JR-P4
空中線部 JAS-P10
指示制御部 JIP-P15
地図盤
Bスコープ
データディスプレイ
たい頭受話機
信号処理部 JSP-P6
配電部 JBD-P10
電源装置
空中線部は、支柱上に方形のアンテナを装備した構造となっており、動作時には支柱を伸ばすことによって、アンテナを4.5~7.5 mの高さにまであげることができる。これにより、車体を物陰に隠蔽しつつ監視を行うことができる。また指示制御部は、車両やシェルタから50メートル以上離した位置に置くことが出来る。
85式地上レーダ装置
JTPS-P11
種別 コヒーレント・パルス・ドップラー・レーダー
目的 捜索・捕捉用
開発・運用史
開発国 日本の旗 日本
就役年 1986年
送信機
周波数 Xバンド
パルス幅 4マイクロ秒 (0.3マイクロ秒に圧縮)
パルス繰返数 1,875 pps
送信尖頭電力 2 kW
アンテナ
形式 アレイアンテナ
アンテナ利得 33デシベル
ビーム幅 水平2°×垂直4°
方位角 120度(任意旋回可能)
仰俯角 −15°〜+5°(任意に設定可能)
その他諸元
重量 約1,300kg
体積 約3,000mm×約2,000mm×約2,000mm
(全長×全幅×全高)
電源 110V, 60Hz, 2kVA以上