74式特大型トラック(ななよんしきとくおおがたトラック)は、陸上自衛隊で使用されている輸送車両である。
1974年に制式化された。現在では1/2tトラック同様、モデルチェンジを容易にして調達単価削減を図るために制式化せず、7tトラックという名称で調達されている。また、ベースとなった三菱ふそう・スーパーグレートのモデルチェンジの影響で、調達年度によって若干仕様(形状)が異なっている場合がある。
三菱ふそうのFシリーズ、ザ・グレート及びスーパーグレートをベース車両としているが、陸上自衛隊の要求性能[1]に合わせるため総輪駆動(AWD)にし、最低地上高を高くするなど車体やエンジン、ヘッドライトの位置などが改造・変更されている。ただし、灯火類の保安装置はベース車両に準じている。
基本型の7tトラックのほか小回りをよくするために全長を若干短くした「7tトラック(短)」や車体前方のバンパーにフック(橋体の押出用)がつけられた「7tトラック(パネル橋MGB用)」がある。さらに、陸上自衛隊の他のトラック同様多数の派生型が存在する。
主に師団・旅団の後方支援連隊(後方支援隊)の輸送隊に配備されている。
特大型トラック(6×4)(とくおおがたとらっく)は、陸上自衛隊で物資輸送用に使われるトラックの一つである。市販の大型6輪(後2軸、前1軸)貨物自動車を「自衛隊の使用する自動車に関する訓令」及び、本装備の陸上自衛隊仕様書に基づき調達される装備である。主として輸送科(方面輸送隊)に配備されている。
派生型
重レッカ
特大型ダンプ
中砲けん引車
81式自走架柱橋
92式浮橋
07式機動支援橋
対砲レーダ装置 JTPS-P16
10000リットル燃料タンク車
外観は74式特大型トラックとよく似ており、専門誌でも74式特大型トラック(あるいは7tトラック)として誤って記載されることも多々ある。しかし74式特大型トラックは三菱との随意契約のため三菱製以外は存在しない[要出典]が、本装備に関しては三菱製だけではなく日野製、いすゞ製も存在し、メーカーエンブレムがボディ同色に塗装されているのも特徴である。また、74式特大型トラックは総輪駆動であり、後輪2軸のみしか駆動しない本車とは車高が大きく異なる。
塗色については車体外部は「NDS Z 8201の色番号2314 OD色とする」とされており、シャシ(機関,排気管及び消音器を除き,バンパ及びディスクホイールを含む。)については黒色と仕様書により規定されている。
荷台は仕様書により木製3方開きとされ、隊員が座るための木製のサイドラック、幌及びアシストグリップ、車体後部にステップを設けることとなっている。また、アオリは取り外すことも可能で、60式装甲車、60式自走無反動砲、73式装甲車などを積載することを前提とされており、それら装備を固定資材によって縛着できるフック穴部を設け、積載走行しても十分耐え得る構造のものとする、と規定されている。また、積雪地の部隊においては、78式雪上車が73式大型トラックの荷台に載らないため、78式雪上車輸送用に少数配備されている。
諸元
全長 11,000mm以下
全幅 2,500mm以下
全高 3,250mm以下
最大積載量 11,500kg以上
総質量 22,000kg以下
機関型式 水冷4サイクルディーゼル
総排気量 9,800cc以上
最大出力 235kW以上
最大トルク 1,200N・m以上
燃料タンク容量 200L以上
乗車定員 3名
荷台
木製3方開き,木製サイドラック,ほろ及びアシストグリップ付き
後方板は,ステップ付き
寸法(内法) 長さ 7,000mm~8,000mm
幅 2,250mm~2,350mm
高さ 350mm~450mm
サイドラック 乗車定員36名の木製折り畳みいす兼用とし、いすとして使用しない場合は、ロックできる構造とする。
ほろ骨高さは、1,700mm(床面上)を標準とする。
(陸上自衛隊仕様書による)
製造
いすゞ自動車
日野自動車
三菱ふそうトラック・バス
性能諸元
全長:9.339m
全幅:2.49m
全高:3.16m
車両重量:10,990kg
標準積載量:7,000kg
最大積載量(路上):10,000kg
最高速度:95km/h
出力:355ps
製作:三菱ふそう(~2002年:三菱自動車工業、 2003年~:三菱ふそうトラック・バス)