佐世保基地(させぼきち)は、長崎県佐世保市にあるアメリカ海軍第7艦隊の軍事基地。一般には海上自衛隊の施設も含めて同名称で呼ばれ、区別するときは「米海軍佐世保基地」・「海上自衛隊佐世保基地」のように組織名称を頭につける。
施設群としては中枢である佐世保海軍施設と付随する港湾施設・倉庫群からなる。九州防衛局ではこれらを「佐世保海軍施設等」などと総称している。他の名称としては、駐留部隊名の「佐世保艦隊基地隊」(Commander Fleet Activities Sasebo)の略称 CFAS も用いられる。英語表記としてSasebo Naval Baseも用いられる。
佐世保基地は、アメリカ海軍第7艦隊の一部が駐留する基地である。米軍組織上は、佐世保艦隊基地(FAS)と横須賀補給センター(FISCY)佐世保支所の2組織に大別される。土地総面積は 461.1ha 一部の施設は海上自衛隊と共同で使用している。
1950年から1978年まで佐世保駅と赤崎貯油所を結ぶジョスコー線と呼ばれる米軍専用の引き込み線(4.6km)が使用されていたが、現在は佐世保重工業(SSK)敷地内に一部痕跡を残すのみである。
横須賀補給センター佐世保支所(FISC detachment in Sasebo)は、米海軍の兵站機関であり、佐世保艦隊基地(FAS)内に事務所を置き、以下の3つの貯油施設を管理・運営している。FASから人員・施設などさまざまな支援を受けて活動してはいるが、米軍組織上は「佐世保艦隊基地隊」とは別個の組織である。
FAC5032 赤崎貯油所(Akasaki POL Depot; Akasaki Fuel Terminal) 78.5ha
佐世保港西岸、赤崎地区に整備された岸壁と地上・地下燃料タンク群からなる。米軍にとって最重要施設であり、かつて全国の基地に燃料貨物列車を送る起点ターミナルとして機能した。最も水深が深い係船施設で、大型艦艇が接岸のうえ直接給油が可能である。
FAC5036 庵崎貯油所(Iorizaki POL Depot)(※) 22.7ha
佐世保港南西に突き出した庵崎に設置された地下燃料タンク。こちらは艦艇に直接給油することはなく、小型給油船を介して給油活動を行う。また自衛隊も使用しており、自衛隊が唯一使用できる港内給油施設となっている。
FAC5039 横瀬貯油所(Yokose POL Depot) 61.8ha
米軍基地施設では唯一佐世保市ではなく西海市に位置する地下タンク群。佐世保湾に面した接岸施設から搬出入をするため、奥まった横瀬漁港にはほとんど悪影響がない。崎辺に常駐するLCAC格納庫の移転先として有力視されているが、現状では陸上平坦地がないために埋立工事が必要である。
佐世保湾の制限水域
佐世保湾の水域の約83%は米軍の使用を優先する制限水域となっており、自衛隊と共同使用されている。さらに制限水域は以下のように細分化され、民間が制限なく使用できる水域は約17%でしかない。
(A)制限水域(8.4%):すべての使用に許可を必要とする区域
(B)制限水域(19.3%):航行は自由だが、その他の使用は許可を必要とする区域
(C)制限水域(49.8%):潜水のみ許可を必要とする区域
(D)制限水域(5.7%):水上機路線権区域
非制限水域(16.8%)