造船所:石原造船所
船 型 20メートル型巡視艇
番号・船名 CL95 こちかぜ
所 属 福岡海上保安部
全 長 20.0メートル
総トン数 26トン
すずかぜ型巡視艇(すずかぜがたじゅんしてい、英語: Suzukaze-class patrol craft)は、海上保安庁の巡視艇の船級。区分上はCL(Craft Large)型、公称船型は20メートル型。なお、ネームシップ(CL-11)が配属替えに伴い「ひめぎく」と船名変更したことから、現在では「ひめぎく」型とも呼ばれる 。
海上保安庁創設当時の所属船は戦時急造船や老朽船であったことから、求められる任務を適切に果たすため、昭和24年(1949年)度計画より国産巡視船艇の整備を開始しており、その先頭を切って就役したのが15メートル型CL(そよかぜ型)であった。これは、海保創設当時に巡視船の性能と保有量に制限が加えられていたことから、その制限の枠外において基地周辺の制限沿海海域において巡視船を補完するための港内艇(昭和32年に港内艇は巡視艇に改称)として設計されたものであったが、昭和32年(1957年)度計画のはるかぜ型以降、昭和39年(1964年)度からのやかぜ型、昭和43年(1968年)度計画からのちよかぜ型と、概略配置をほとんど変更せずにマイナーチェンジのみで建造され続け、最終型にあたるちよかぜ型は、昭和43年度から50年度にかけて、鋼製艇だけでも96隻が建造された。
しかし、15メートル型は長年の装備強化の積み重ねで排水量が増加するとともに、船舶安全法関係諸規則の改正にともなって規則に触れる部分が増えてきた。このことから昭和52年度以降の建造分(やまゆり型)では、初めて船体寸法も変更して大型化を図り、部内では18メートル型と称された。そして平成3年度計画ではちよかぜ型の代船建造に着手されることになったが、これは更に大型化を図ることとなった。これが本型である。
継続的な建造により、ちよかぜ型、やまゆり型、いそかぜ型、なだかぜ型が全船解役された。 年代ごとに小改正はあるものの、さらに建造は続き、耐用年数を越えた、すずかぜ型自身の更新としても建造が続行されている。
プレジャーボートや小型漁船の高速化に対応して、速力の向上を図っている。船型を滑走性能のよいものにするとともに、上部構造や艤装品をアルミニウム合金製として重量軽減を図った。主船体は従来の15メートル型・18メートル型と同様に高張力鋼製である。
大型化にともなって操舵室・居住区が拡大されて、業務処理および居住性の向上が図られている。操舵室には全乗員分のダンパー付き椅子が配置されており、また居住区にはベッド兼用の長椅子があるほか、巡視艇として初の簡易シャワー設備が備えられている。
高速化のため主機関も強化されており、V型12気筒4サイクルディーゼルエンジンが搭載された。主機関にはMTUタイプとMANタイプがあり、MANタイプではMAN D2842LYE[6]もしくはD2842LE401、MTUタイプではMTU 12V183 TE92型(910 ps / 2,230 rpm)が採用されている。
すずかぜ型→ひめぎく型巡視艇
基本情報
艦種 20メートル型CL
運用者 海上保安庁
就役期間 1992年 - 現在
建造数 197隻
前級 やまゆり型 (18メートル型)
次級 (最新)
要目
満載排水量 非公表
総トン数 23トン (原型) / 26トン (幅広型)
全長 20.0 m(原型) / 19.6 m(幅広型)
最大幅 4.30 m(原型) / 4.50 m(幅広型)
深さ 2.30 m
吃水 0.88 m
主機 ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸、又は
ウォータージェット推進器×2基
出力 1,820馬力
速力 30ノット
航続距離 200海里
乗員 5名又は6名
レーダー 航法用×1基
光学機器 夜間監視装置 (CL-135以降)