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陸軍江波射撃場跡​(広島市) 戦争遺構

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江波皿山のふもとにあった陸軍の射撃場跡。住所は広島県広島市中区江波西1丁目24-50。竣工は明治8年

江波射撃場は当初『広島鎮台付属射的場』という名称で明治8年に第五師団練兵場とともに作られました。

その後、太平洋戦争前には無くなっており日清・日露戦争で兵站拠点として発展した軍都広島の時代のものと思われます。

広島電鉄江波車庫・広島電鉄バス江波営業所・江波中学校・舟入南町電停・市営舟入南アパートの5つを横断したかなり広範囲で縦長の敷地で、射線は2つあり路面電車の線路から斜めに皿山に撃ち込む射線と江波電停と平行方向に皿山に撃ち込む射線がありました。

昭和20年8月の原爆投下の際は、爆心地から遠かったため江波地区に火災被害はありませんでしたが、多数の原爆犠牲者が射撃場跡で火葬され後年遺骨が見つかったという記録が残っています。遺構は残っておらず記念碑等もありません。

広島電鉄の路面電車が江波まで伸びたのは太平洋戦争中の昭和19年のことで、射撃場があった時代は土橋までしか線路がありませんでした。

内務省測量標石は江波皿山の山頂にあり、陸軍省境界標石は住宅地の細い路地にある。江波皿山と陸軍省境界標石は600mほど離れています。

近くに江波山公園(江波山高射砲陣地跡)と江波山気象館(旧広島気象台)があります。

陸軍省境界標石
江波東にある境界標石

ここが射撃場の東端であったため陸軍省の境界標石が置かれています。境界標石には「陸軍省所轄地」と書かれています。

境界標石とは民間地と軍用地の境界を示す石で日本各地に点在します。戦前戦中は要塞地帯の中で測量・撮影・模写などを禁止する要塞地帯法という法律がありました。

現在の路面電車通りから北東方向に不自然な斜めの道路があるのは射撃場跡の名残です。

内務省測量標石
江波皿山の山頂にある測量遺構

明治10年以降、内務省地理局が行った三角測量と呼ばれる測量の基準点の標石で、鎮台が置かれた全国6つの都市に設置されました。

江波皿山の測点は明治12年1月設置とありますので、広島鎮台が設置されたころのものと思われます。

 明治政府による広島県の三角測量は同年(明治12年)に行われました。

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