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宇宙カプセル ジェミニ

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宇宙カプセル(英語: space capsule)とは、翼なしで地球の大気への再突入のための鈍頭物体の再突入カプセルを使用した、大抵は有人の宇宙機。カプセルは人工衛星とは一義的に再突入を乗り切り軌道から地表へペイロードを帰還させる能力によって区別されている。カプセルをソユーズやオリオンなどの基にした有人宇宙機はしばし設備ないしアダプターモジュールに支援され、宇宙での運用を延長するために外部モジュールとともに運用されることもある。一種類だけの有人スペースプレーンであるスペースシャトルが軌道飛行を行ったが、カプセルが有人宇宙機の設計の大部分を占めている。
現在の有人宇宙カプセルの実例にはソユーズ、神舟およびドラゴン2などがある。開発中の新しい有人宇宙カプセルとしてはNASAのオリオンとスターライナー、ロシアのオリョール、インドのガガニャーニャおよび中国の次世代有人宇宙船(英語版)などがある。歴史的な有人カプセルにはボストーク、マーキュリー、ボスホート、ジェミニおよびアポロなどがあり、活動中の計画としてはニューシェパードの打ち上げがある。有人宇宙カプセルには、宇宙空間の真空中での温度および放射線環境の中で生命を維持する能力が必須である。有人宇宙カプセルには使い捨て型(ソユーズのように1回のみ使用)と再使用型宇宙機(英語版)とがある。


ジェミニの司令船 (帰還区画とも呼ばれる) は、基本的にはマーキュリー宇宙船の拡大版であった。マーキュリーと違い、逆噴射ロケット、電源、推進装置、酸素、水などは司令船の後部に取りつけられている接続区画に搭載されていた。ジェミニにおける設計の主な改良点は宇宙船のすべての内部システムをカプセルと切り離せる機器区画に搭載したことで、これによりすでに試験された機器を取り去ったり妨げたりすることなく、独立して検査できるようになったことであった。

帰還区画内の機器の多くは、点検用のドアを開ければ手が届くところに配置されていた。マーキュリーと違いジェミニは完全にソリッドステートの電子回路を用いていた。

ジェミニの緊急用打ち上げ脱出システムには、マーキュリーのような固体燃料ロケットで射出する脱出塔は使用されず、代わりに航空機などで採用されている射出座席を用いていた。脱出塔は重く複雑であり、またタイタンIIの自然発火性の推進剤は接触すればただちに燃焼してしまうため、NASAの技術者は塔は不必要であると推測した。 アトラスやサターンのような極低温の燃料を使用するロケットに比較すると、タイタンIIは爆発した際の爆風の影響は小さい。射出座席は故障したロケットから飛行士を退避させるには十分な能力を有していた。射出座席が使用できない高高度では宇宙船そのものを切り離し、飛行士は船内にとどまったまま脱出することになっていた。
射出座席使用の主な提唱者は、NASAのスペース・タスク・グループ技術部長のシャンベルリンだった。彼はマーキュリーの脱出塔をずっと好まず、重量を削減できるもっと簡素な代替策を用いることを望んでいた。シャンベルリンはアトラスやタイタンIIミサイルの発射が失敗した際のさまざまな映像を検証し、打ち上げ機の爆発で発生する火球のおおよその大きさを推測した結果、タイタンIIの爆発で生じる火球は十分に小さいため、宇宙船からの脱出は射出座席だけで十分であると判断した。

一方でマーキュリーの脱出装置の設計者だったマキシム・ファジェット(英語版)は、この方法には決して乗り気ではなかった。射出座席は飛行士に深刻な損傷を負わせる可能性がある上に、ロケットが音速を超えると脱出不可能になってしまうため、座席を使用できる時間は発射後40秒以内に限られていた。彼はまた、ロケットが上昇している最中に機外に放出されると、飛行士が排気ガスの中に巻き込まれてしまうことを懸念し、「最もよいのは、脱出装置を使うような事態に陥らせないようにすることだ」と述べた。

ジェミニの射出システムが、打ち上げの直前のように船室を純粋酸素で与圧した状態で試験されたことはなかった。1967年1月に、アポロ1号の致命的な火災によって、純粋酸素で宇宙船を与圧することが火災に対する極度な危険性を及ぼすことが示された。1997年のオーラル・ヒストリーの中で、宇宙飛行士のトーマス・スタッフォードは、1965年12月のジェミニ6号打ち上げの際に自分と指揮操縦士のウォルター・シラーが宇宙船から射出されそうになったことについてコメントしている:

その結果、私たちが見ていたのは2本のローマンキャンドルが消えたようなものだったと思う。と言うのも、私たちは15ないし16psi(1気圧強)の純粋酸素の中に1時間半も使っていたのだから。ケープ(カナヴェラル)で起きた悲惨な火事を覚えているかい?(...)ジーザス、炎が上がって、あのような状態になるとスーツが燃えてしまう。全てが酸素に浸かっていたのだから。まさに、神に感謝だ。それとは別に、NASAは射出しなければならない状況でのテストを行っていなかった。ジェミニの模擬モックアップを使ったテストがチャイナレイクで行われたが、NASAが行ったのは窒素を充填することだった。NASAが行ったそりを使ったテストでは、酸素で充填されていなかった。
 ジェミニはミッションでの機動の管理と制御を容易にするための機上コンピューターであるジェミニ誘導コンピューター(英語版)を搭載した、初の有人宇宙船だった。ジェミニ宇宙船機上コンピューター(Gemini Spacecraft On-Board Computer、OBC)と呼ばれることもあるこのコンピューターは、サターン打ち上げ機ディジタルコンピューター(英語版)に酷似していた。ジェミニ誘導コンピューターの重量は26.75kgだった。磁気コアメモリは、それぞれが3つの13ビットのシラブルからなる39ビットワードを含む4096のメモリー空間を有していた。全ての数値データは26ビットの2の補数の整数であり(固定小数点数として扱われる場合もある)、ワードの最初の2つのシラブルないしアキュムレータに格納された。命令(常に4ビットのオペコードと9ビットのオペランド)はどのシラブルにでも置くことができた。

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