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つのしま(ローマ字:JS Tsunoshima, MSC-683)は、海上自衛隊の掃海艇。すがしま型掃海艇の3番艇。艇名は角島に由来する。
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「つのしま」は、平成8年度計画掃海艇383号艇として、日立造船神奈川工場で1997年8月7日に起工され、1998年10月22日に進水、2000年3月13日に就役し、掃海隊群第3掃海隊(横須賀)に編入された。
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2004年2月16日、第3掃海隊が廃止となり、横須賀地方隊第41掃海隊に編入。
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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣のため横須賀から緊急出港する。3月20日午後4時45分、補給艦「とわだ」からガソリン200リットル、粘着テープ10個、60枚入りゴミ袋1個、洗剤、防護衣、ポリタンク6個、ブルーシート6個、給油ポンプ2個などが運び込まれた。4月1日午後12時50分、艦載艇により気仙沼沖で遺体1体を収容。4月25日から4月26日、宮城県沿岸部の行方不明者集中捜索に参加。
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2014年5月16日、呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊に編成替え。
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同年11月20日から11月30日、日向灘掃海特別訓練に参加。
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2015年6月19日から6月28日、硫黄島周辺海域で平成27年度実機雷処分訓練に参加。
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2017年2月1日から2月10日、伊勢湾で平成28年度機雷戦訓練に参加。同年6月16日から6月25日、硫黄島沖で実機雷処分訓練に参加。
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2017年6月16日から6月25日までの間、掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「ちちじま」、「はつしま」、「ししじま」、「あいしま」、「くろしま」、SH-60Jと共に平成29年度実機雷処分訓練に参加し、硫黄島周辺海域にて機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施。
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2018年8月6日17時頃、種子島の東約50 kmの海域を北西進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を西進し東シナ海に出たことを確認するまでの間、所要の情報収集・警戒監視を行った。
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2018年8月8日朝5時頃、口永良部島の西約40 kmの海域を東進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を東進し太平洋に出たことを確認するまでの間、海上自衛隊第43掃海隊「うくしま」、第1航空群所属のP-3C哨戒機と共に所要の情報収集・警戒監視を行った。
2019年6月15日から6月24日までの間、掃海母艦「うらが」、掃海艦「あわじ」、「ひらど」、掃海艇「はつしま」、「なおしま」、「とよしま」、「あおしま」と共に令和元年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島周辺海域にてアメリカ海軍の水中処分隊と共同して機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施。
2021年5月27日、来島海峡西方海域で発生した貨物船「白虎」沈没に伴う捜索支援のため災害派遣。同年5月29日から6月1日までの間、潜水艦隊第2潜水隊群の潜水艦救難艦「ちよだ」、第3掃海隊の掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「みやじま」及び海上自衛隊第24航空隊(小松島)のSH-60J×1機と共に捜索活動を実施。
2023年6月20日から6月29日までの間、掃海母艦「うらが」、輸送艦「おおすみ」、掃海艇「ひらしま」、「みやじま」、「ししじま」、「なおしま」と共に令和5年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島にてアメリカ海軍の水中処分隊と共同して対機雷戦(機雷掃討)及び水中処分訓練を実施。
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2024年1月22日、除籍準備のため、呉基地に向けて定係港の阪神基地を出港した。
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同年3月12日、除籍。24年間で地球10周分以上にあたる45万km余りを航海した。
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船体設計はおおむね63MSCのものが踏襲され、使用樹種も同一である。
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ベイマツ - キール・スケグ、船底縦通材、チャイン材、フレーム、外板・甲板
ケヤキ - キール摩材
タモ - 合板
ただし、従来の掃海艇では掃海具の展張のために広い船尾甲板が要求されていたのに対し、本型ではサンダウン級と同様に掃討重視の艇とされたことからその必要は薄れた一方、居住性の向上や機雷処分具の格納庫を設ける必要があったことから、船首楼はかなり延長されている。これは、原型のサンダウン級をおおきく上回る排水量であってはならないという制約によるものでもあった。
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船首楼後端の左舷側にはPAP-104 Mk.5機雷処分具2機分の格納庫が設けられており、レールにのせて後方に引き出すことができる。その後方の船尾甲板には、左舷側には機雷処分具の揚降用の掃討用クレーンが、右舷側には普通掃海具の揚降などに用いられる掃海用ダビットが設けられている。また艦橋からの後方視界向上を意図し、掃海艇では初めて2本並列配置となったが、運用の結果、艦橋左右後方の視界を妨げることから、続くひらしま型(16MSC)では従来通りの1本煙突に戻されている。
なお、2020年から順次にロービジ(「ロービジビリティ」Low-visibilityの略)塗装へ塗装変更が進んでいる。その内容としては、煙突頂部の汚れを目立たなくするための黒帯の廃止、艇番号及び艇名の灰色化かつ無影化である。
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船尾甲板。右舷側には掃海用ダビットと掃海浮標、左舷側には掃討用クレーンが1機あり、PAP-104が格納庫から引き出されている。舷側には横抱き式に展開器が収納されている。
船尾甲板。右舷側には掃海用ダビットと掃海浮標、左舷側には掃討用クレーンが1機あり、PAP-104が格納庫から引き出されている。舷側には横抱き式に展開器が収納されている。
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機関
推進方式としては、従来のディーゼルエンジンによる機械駆動とともに、低速時用の補助推進装置として電動推進方式を併用している。これは、特に機雷掃討時には低速で長時間航走する必要があり、また放射雑音およびキャビテーションノイズ低減が求められたためである。主機関は63MSCと同じ6NMU-TA(B)Iが採用された。これは輸送艇1号型などに搭載された三菱重工業のSU系列ディーゼル(S6U)を非磁性化して技術研究本部が開発した4サイクル6気筒ディーゼルエンジンであり、同系列の機種ははつしま型後期型(60MSC)より踏襲されてきている。また省力化のため、機関制御は全て艦橋からの遠隔操作であり、機械室に当直員は配置されない。
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なお水中放射雑音低減のため、主発電機4基は、各原動機とともに水線より上、船首楼内の第1甲板に配置されている。磁気掃海具が永久磁石式とされたこともあり、掃海発電機は搭載されていない。
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機雷掃海時には航路保持が求められるのに対し、機雷掃討時には定点保持(Hoverring Positioning)が求められることから、GPSと連動した自動船位保持装置も本級より新たに導入された。機雷掃討の際の運動性能向上、ホバリング性能向上のため、可変ピッチプロペラ、バウ・スラスター、シリング舵を採用し、これと連動する自動操艦装置の装備などで運用性の向上が図られている。
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装備
本型においては、英サンダウン級で搭載された情報処理装置・機雷探知機・機雷処分具の3点セットが導入されている。また係維掃海具としては63MSCと同じものが搭載されたが、感応掃海具の自艇搭載は断念された。
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C4ISTAR
本型の対機雷戦システムの大きな特徴が、情報処理装置を中核としたシステム構築がなされている点である。その機種としては、英GECマルコーニ社製情報処理装置(NAUTIS-M; ししじま、くろしまは改良型のNAUTIS-M-1)が採用された。これはサンダウン級用に開発されたもので、機雷戦艦艇で求められる対衝撃性(30G)、非磁性などの要求を達成している。3台のコンソールからなっており、レーダーや機雷探知機などと連接されて、航海情報管理、また対機雷戦計画・評価支援機能を備えている。
機雷探知機としては、可変深度式のTYPE-2093ソナーが搭載された。これは上部構造物前端の甲板室内に設置されており、ウィンチによって300メートルの深度まで吊下することができる。機雷探知用としては80キロヘルツ、類別用としては350キロヘルツの周波数を使用しており、最大1,200メートルという長距離探知と0.3度の分解能を両立している。最大使用速力は12ノットである[。
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機雷掃討
機雷処分具としては、初の海外機として、フランス製のPAP-104 Mk.5をライセンス生産により搭載している。従来海自掃海艇が搭載してきた国産機が電源ケーブルによる外部給電を使用していたのに対し、電池を内蔵して、ケーブルは光ファイバーのみとすることで、活動可能時間が短縮したかわりに優れた機動性を備えている。英サンダウン級以外にも、仏・蘭・白共同開発のトリパルタイト型機雷掃討艇でも採用された傑作機であり、13か国の海軍に400機以上が納入されている。
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機雷掃海
原型となった英サンダウン級は機雷掃海能力を持たない掃討専用艇であったが、日本近海には機雷掃討に不適な泥質の海底も多いことから、本型では機雷掃海能力も付与されている。
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係維掃海具
係維機雷に対しては、63MSCと同じく53式普通掃海具(O型)改6が搭載された。これは28MSC以来の53式普通掃海具(O型)をもとに、対艇掃海によって中深度域の掃海に対応したものである。オロペサ型係維掃海具(O型掃海具)は、展開器と呼ばれる水中凧によって掃海索を左右数百メートルに展開するとともに沈降器によって一定深度に沈下させて曳航し、機雷の係維索を引っ掛けて、掃海索の数カ所に装備した切断器によってこれを切断していくものである。
感応掃海具
排水量でサンダウン級を大きく上回ることができないなどの設計上の制約の問題から、従来の海自掃海艇で採用されてきた国産機は搭載できなかった。このことから、感応掃海具としては、オーストラリアADI社製のDYAD(ダイヤード)を必要に応じて搭載する方式とされた。これは永久磁石式の磁気掃海具と水流を利用した音響発生装置(パイプノイズメーカ, PNM)による、設備電力を必要としない複合掃海具で、艦船の磁気分布を模倣できる。ただし感応掃海具を使用する際には母艦などからDYADを受け取る必要があるため、運用上の制約が大きく、続くひらしま型(16MSC)では自艇搭載が設計上の要求事項とされることになった。
砲こう武器
浮流機雷や、係維掃海により浮揚した機雷処分のため、JM61-M 20mm機関砲を艇首甲板に1基備える。
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基本情報
建造所 日立造船神奈川工場
運用者 海上自衛隊
艦種 掃海艇(中型掃海艇)
級名 すがしま型
艦歴
発注 1996年
起工 1997年8月7日
進水 1998年10月22日
就役 2000年3月13日
除籍 2024年3月12日
要目
排水量 基準 510トン
満載 590トン
長さ 54.0m
幅 9.4m
深さ 4.2m
吃水 3.0m
機関 CODOE方式
主機 三菱6NM-TA(B)Iディーゼル × 2基
電動機 × 2基
出力 1,800PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大速 14ノット
乗員 45人兵装 JM61-M 20mm多銃身機銃 × 1門
搭載艇 4.9m型複合作業艇 × 1隻
ジェミニ・ディンギー処分艇 × 1隻
C4ISTAR NAUTIS-M 情報処理装置
レーダー OPS-39-Y 対水上捜索用
ソナー TYPE-2093 可変深度式
その他 PAP-104 Mk.5機雷処分具 × 2機
53式普通掃海具(O型)改6
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つのしま(ローマ字:JS Tsunoshima, MSC-683)は、海上自衛隊の掃海艇。すがしま型掃海艇の3番艇。艇名は角島に由来する。
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「つのしま」は、平成8年度計画掃海艇383号艇として、日立造船神奈川工場で1997年8月7日に起工され、1998年10月22日に進水、2000年3月13日に就役し、掃海隊群第3掃海隊(横須賀)に編入された。
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2004年2月16日、第3掃海隊が廃止となり、横須賀地方隊第41掃海隊に編入。
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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣のため横須賀から緊急出港する。3月20日午後4時45分、補給艦「とわだ」からガソリン200リットル、粘着テープ10個、60枚入りゴミ袋1個、洗剤、防護衣、ポリタンク6個、ブルーシート6個、給油ポンプ2個などが運び込まれた。4月1日午後12時50分、艦載艇により気仙沼沖で遺体1体を収容。4月25日から4月26日、宮城県沿岸部の行方不明者集中捜索に参加。
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2014年5月16日、呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊に編成替え。
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同年11月20日から11月30日、日向灘掃海特別訓練に参加。
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2015年6月19日から6月28日、硫黄島周辺海域で平成27年度実機雷処分訓練に参加。
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2017年2月1日から2月10日、伊勢湾で平成28年度機雷戦訓練に参加。同年6月16日から6月25日、硫黄島沖で実機雷処分訓練に参加。
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2017年6月16日から6月25日までの間、掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「ちちじま」、「はつしま」、「ししじま」、「あいしま」、「くろしま」、SH-60Jと共に平成29年度実機雷処分訓練に参加し、硫黄島周辺海域にて機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施。
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2018年8月6日17時頃、種子島の東約50 kmの海域を北西進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を西進し東シナ海に出たことを確認するまでの間、所要の情報収集・警戒監視を行った。
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2018年8月8日朝5時頃、口永良部島の西約40 kmの海域を東進する中国海軍のジャンカイII級フリゲート2隻、フチ級補給艦1隻による艦隊を発見した。その後、当該艦隊が大隅海峡を東進し太平洋に出たことを確認するまでの間、海上自衛隊第43掃海隊「うくしま」、第1航空群所属のP-3C哨戒機と共に所要の情報収集・警戒監視を行った。
2019年6月15日から6月24日までの間、掃海母艦「うらが」、掃海艦「あわじ」、「ひらど」、掃海艇「はつしま」、「なおしま」、「とよしま」、「あおしま」と共に令和元年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島周辺海域にてアメリカ海軍の水中処分隊と共同して機雷掃海、機雷掃討、水中処分員による機雷処分訓練を実施。
2021年5月27日、来島海峡西方海域で発生した貨物船「白虎」沈没に伴う捜索支援のため災害派遣。同年5月29日から6月1日までの間、潜水艦隊第2潜水隊群の潜水艦救難艦「ちよだ」、第3掃海隊の掃海母艦「ぶんご」、掃海艇「みやじま」及び海上自衛隊第24航空隊(小松島)のSH-60J×1機と共に捜索活動を実施。
2023年6月20日から6月29日までの間、掃海母艦「うらが」、輸送艦「おおすみ」、掃海艇「ひらしま」、「みやじま」、「ししじま」、「なおしま」と共に令和5年度実機雷処分訓練及び掃海特別訓練(日米共同訓練)に参加し、硫黄島にてアメリカ海軍の水中処分隊と共同して対機雷戦(機雷掃討)及び水中処分訓練を実施。
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2024年1月22日、除籍準備のため、呉基地に向けて定係港の阪神基地を出港した。
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同年3月12日、除籍。24年間で地球10周分以上にあたる45万km余りを航海した。
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船体設計はおおむね63MSCのものが踏襲され、使用樹種も同一である。
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ベイマツ - キール・スケグ、船底縦通材、チャイン材、フレーム、外板・甲板
ケヤキ - キール摩材
タモ - 合板
ただし、従来の掃海艇では掃海具の展張のために広い船尾甲板が要求されていたのに対し、本型ではサンダウン級と同様に掃討重視の艇とされたことからその必要は薄れた一方、居住性の向上や機雷処分具の格納庫を設ける必要があったことから、船首楼はかなり延長されている。これは、原型のサンダウン級をおおきく上回る排水量であってはならないという制約によるものでもあった。
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船首楼後端の左舷側にはPAP-104 Mk.5機雷処分具2機分の格納庫が設けられており、レールにのせて後方に引き出すことができる。その後方の船尾甲板には、左舷側には機雷処分具の揚降用の掃討用クレーンが、右舷側には普通掃海具の揚降などに用いられる掃海用ダビットが設けられている。また艦橋からの後方視界向上を意図し、掃海艇では初めて2本並列配置となったが、運用の結果、艦橋左右後方の視界を妨げることから、続くひらしま型(16MSC)では従来通りの1本煙突に戻されている。
なお、2020年から順次にロービジ(「ロービジビリティ」Low-visibilityの略)塗装へ塗装変更が進んでいる。その内容としては、煙突頂部の汚れを目立たなくするための黒帯の廃止、艇番号及び艇名の灰色化かつ無影化である。
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船尾甲板。右舷側には掃海用ダビットと掃海浮標、左舷側には掃討用クレーンが1機あり、PAP-104が格納庫から引き出されている。舷側には横抱き式に展開器が収納されている。
船尾甲板。右舷側には掃海用ダビットと掃海浮標、左舷側には掃討用クレーンが1機あり、PAP-104が格納庫から引き出されている。舷側には横抱き式に展開器が収納されている。
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機関
推進方式としては、従来のディーゼルエンジンによる機械駆動とともに、低速時用の補助推進装置として電動推進方式を併用している。これは、特に機雷掃討時には低速で長時間航走する必要があり、また放射雑音およびキャビテーションノイズ低減が求められたためである。主機関は63MSCと同じ6NMU-TA(B)Iが採用された。これは輸送艇1号型などに搭載された三菱重工業のSU系列ディーゼル(S6U)を非磁性化して技術研究本部が開発した4サイクル6気筒ディーゼルエンジンであり、同系列の機種ははつしま型後期型(60MSC)より踏襲されてきている。また省力化のため、機関制御は全て艦橋からの遠隔操作であり、機械室に当直員は配置されない。
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なお水中放射雑音低減のため、主発電機4基は、各原動機とともに水線より上、船首楼内の第1甲板に配置されている。磁気掃海具が永久磁石式とされたこともあり、掃海発電機は搭載されていない。
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機雷掃海時には航路保持が求められるのに対し、機雷掃討時には定点保持(Hoverring Positioning)が求められることから、GPSと連動した自動船位保持装置も本級より新たに導入された。機雷掃討の際の運動性能向上、ホバリング性能向上のため、可変ピッチプロペラ、バウ・スラスター、シリング舵を採用し、これと連動する自動操艦装置の装備などで運用性の向上が図られている。
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装備
本型においては、英サンダウン級で搭載された情報処理装置・機雷探知機・機雷処分具の3点セットが導入されている。また係維掃海具としては63MSCと同じものが搭載されたが、感応掃海具の自艇搭載は断念された。
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C4ISTAR
本型の対機雷戦システムの大きな特徴が、情報処理装置を中核としたシステム構築がなされている点である。その機種としては、英GECマルコーニ社製情報処理装置(NAUTIS-M; ししじま、くろしまは改良型のNAUTIS-M-1)が採用された。これはサンダウン級用に開発されたもので、機雷戦艦艇で求められる対衝撃性(30G)、非磁性などの要求を達成している。3台のコンソールからなっており、レーダーや機雷探知機などと連接されて、航海情報管理、また対機雷戦計画・評価支援機能を備えている。
機雷探知機としては、可変深度式のTYPE-2093ソナーが搭載された。これは上部構造物前端の甲板室内に設置されており、ウィンチによって300メートルの深度まで吊下することができる。機雷探知用としては80キロヘルツ、類別用としては350キロヘルツの周波数を使用しており、最大1,200メートルという長距離探知と0.3度の分解能を両立している。最大使用速力は12ノットである[。
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機雷掃討
機雷処分具としては、初の海外機として、フランス製のPAP-104 Mk.5をライセンス生産により搭載している。従来海自掃海艇が搭載してきた国産機が電源ケーブルによる外部給電を使用していたのに対し、電池を内蔵して、ケーブルは光ファイバーのみとすることで、活動可能時間が短縮したかわりに優れた機動性を備えている。英サンダウン級以外にも、仏・蘭・白共同開発のトリパルタイト型機雷掃討艇でも採用された傑作機であり、13か国の海軍に400機以上が納入されている。
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機雷掃海
原型となった英サンダウン級は機雷掃海能力を持たない掃討専用艇であったが、日本近海には機雷掃討に不適な泥質の海底も多いことから、本型では機雷掃海能力も付与されている。
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係維掃海具
係維機雷に対しては、63MSCと同じく53式普通掃海具(O型)改6が搭載された。これは28MSC以来の53式普通掃海具(O型)をもとに、対艇掃海によって中深度域の掃海に対応したものである。オロペサ型係維掃海具(O型掃海具)は、展開器と呼ばれる水中凧によって掃海索を左右数百メートルに展開するとともに沈降器によって一定深度に沈下させて曳航し、機雷の係維索を引っ掛けて、掃海索の数カ所に装備した切断器によってこれを切断していくものである。
感応掃海具
排水量でサンダウン級を大きく上回ることができないなどの設計上の制約の問題から、従来の海自掃海艇で採用されてきた国産機は搭載できなかった。このことから、感応掃海具としては、オーストラリアADI社製のDYAD(ダイヤード)を必要に応じて搭載する方式とされた。これは永久磁石式の磁気掃海具と水流を利用した音響発生装置(パイプノイズメーカ, PNM)による、設備電力を必要としない複合掃海具で、艦船の磁気分布を模倣できる。ただし感応掃海具を使用する際には母艦などからDYADを受け取る必要があるため、運用上の制約が大きく、続くひらしま型(16MSC)では自艇搭載が設計上の要求事項とされることになった。
砲こう武器
浮流機雷や、係維掃海により浮揚した機雷処分のため、JM61-M 20mm機関砲を艇首甲板に1基備える。
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基本情報
建造所 日立造船神奈川工場
運用者 海上自衛隊
艦種 掃海艇(中型掃海艇)
級名 すがしま型
艦歴
発注 1996年
起工 1997年8月7日
進水 1998年10月22日
就役 2000年3月13日
除籍 2024年3月12日
要目
排水量 基準 510トン
満載 590トン
長さ 54.0m
幅 9.4m
深さ 4.2m
吃水 3.0m
機関 CODOE方式
主機 三菱6NM-TA(B)Iディーゼル × 2基
電動機 × 2基
出力 1,800PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大速 14ノット
乗員 45人兵装 JM61-M 20mm多銃身機銃 × 1門
搭載艇 4.9m型複合作業艇 × 1隻
ジェミニ・ディンギー処分艇 × 1隻
C4ISTAR NAUTIS-M 情報処理装置
レーダー OPS-39-Y 対水上捜索用
ソナー TYPE-2093 可変深度式
その他 PAP-104 Mk.5機雷処分具 × 2機
53式普通掃海具(O型)改6