スーパーいなばは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が岡山駅 - 鳥取駅間を山陽本線・智頭急行智頭線・因美線経由で運行する特急列車です。列車名は鳥取県東部の旧国名である因幡国が由来となっていることと、大阪方面から智頭急行智頭線を経由して運転している特急「スーパーはくと」の由来である日本神話の「因幡の白兎」(いなばのしろうさぎ)と関連づけています。
1997年11月に智頭急行智頭線の開業により運転を開始した。急行「砂丘」が津山線・因美線経由で岡山県と鳥取県東部を結ぶ列車として役割を担っていたが、「いなば」の運転開始によりその役割を担うようになりました。2003年10月にキハ187系が投入されたことにより、列車名が「スーパーいなば」に変更されました。岡山駅 - 鳥取駅間については走行距離が津山線経由の「砂丘」は132.1kmであるのに対し、智頭急行経由の「いなば」は141.8kmと約10km長くなっているが、最高速度は「いなば」が速いので、逆に所要時間は約30分短縮されています。
全列車が岡山駅 - 鳥取駅間で、6往復が運転されている。同区間の所要時間は約1時間50分である。1998年3月14日から2001年3月3日までは、1往復が鳥取駅 - 倉吉駅間で臨時列車として延長運転を行っていました。運転開始当初から車内販売はなく、飲料の自動販売機も設置されていなません。寝台特急「出雲」廃止により、1号・12号は岡山駅で「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」と接続を行い、鳥取県東部と首都圏の利便性を図る役割もあります。列車番号は区間により異なり、岡山駅 - 上郡駅間は、下りは号数+2071の偶数、上りは号数+2069の奇数、上郡駅 - 鳥取駅間は、下りは号数+70の奇数、上りは号数+70の偶数となり、山陽本線内は列車番号の上下が逆転します。
JR西日本の後藤総合車両所に所属するキハ187系のうち、最高速度が130km/hでATS-Pが搭載されている500番台が充当されています。これは智頭急行線がATS-Pを整備しているためです。キハ187系には、ほかに「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」で運用されている0番台・10番台があるが、最高速度が120km/hでATS-Pが搭載されていないため、「スーパーいなば」には運用されない。
ただし、中間車としての使用は可能で、多客期に実際に増結車として中間に組み込むことがありました。通常は2両編成でグリーン車は連結されていない。多客期は1両単位で増結されているが、専用車両は8両しかないため、2両編成3本と予備1本で運用され、最大4両編成での運用。ただ、過去に6両編成で運用されたことがあり、その時は、0番台・10番台を中間に組み込んでいました。
1997年(平成9年)11月29日:岡山駅 - 鳥取駅間で「いなば」3往復が運転開始。
2003年(平成15年)10月1日:ダイヤ改正により次のように変更。
キハ187系が投入され、列車名が「スーパーいなば」に変更。最高速度が従来の120km/hから130km/hに向上する。
2往復増発され、「スーパーいなば」は5往復になる。
2006年(平成18年)3月18日:寝台特急「出雲」廃止に伴い、鳥取県東部と首都圏の利便性を図るため、岡山駅 - 鳥取駅間で、毎日運転の臨時列車として上郡駅で「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」と接続する91・92号(「サンライズリレー号」)が1往復増発。なお、東京駅発3月17日の下り「出雲」は運行されたため、上り(92号)が3月18日から、下り(91号)が3月19日から運転された。
2007年(平成19年)3月18日:喫煙コーナーの使用が停止され、全車禁煙になる。
2009年(平成21年)8月10日 - 28日:台風9号接近に伴う豪雨で智頭急行智頭線の線路に土砂が流れ込み、運休になる。
2010年(平成22年)3月13日:従来「サンライズリレー号」として運行されていた91・92号が定期列車化。1号・12号となり、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」との接続が岡山駅に変更。