彦根駅は、滋賀県彦根市古沢町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・近江鉄道の駅です。県東部の主要都市、城下町彦根の代表駅で、駅前もそれなりに賑やかな市街地が広がっています。JR西日本の東海道本線と、近江鉄道の本線が乗り入れています。JR西日本の駅はアーバンネットワークエリアに属し、東海道本線は「琵琶湖線」の路線愛称設定区間に含まれています。またIC乗車カード「ICOCA」の利用エリアに含まれています。日中時間帯は1時間あたり4本が停車いたします。
かつて、駅東側に住友大阪セメント彦根工場(1996年3月閉鎖)があり、近江鉄道にも住友大阪セメントやキリンビール関連の車扱貨物輸送がありました。それらの貨車を扱うため駅東側の下り線に面して側線群がありました(そのため、下りは第一場内、第二場内の信号機を持っていました。
第一場内は現在第一閉塞信号機の設置位置である)。側線群は現在線路は撤去されているが、バラストが線路跡地を物語っています。
駅下り方には上下の渡り線もあった。この渡り線を使って、当駅と湖北地区との往復用に気動車列車が設定されていた。戦前の気動車列車の草分け的存在で、1989年3月10日まで運転されていた(当駅乗り入れは朝夕各1往復)。
1985年3月14日に朝夕の新快速が各駅停車扱いで当駅に乗り入れるようになり、翌1986年(昭和61年)11月1日には日中の新快速の当駅発着列車が設定され(米原駅が名古屋局管内のため乗り入れができなかった。この点については後述)、この渡り線を使って折り返しをすることになりました。これに伴い、1番線(上り線)に下り出発信号機を新たに設置した。1989年(平成元年)3月11日に新快速が米原駅まで延長され、渡り線・上り線の下り出発信号機もともに撤去されました。
相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、かなり立派な橋上駅舎になっています。1番のりばと2番のりばの間には、ホームのない中線が1本あります。2007年(平成19年)3月19日に新たに東口を開設し、線路をまたぐ東西自由通路も完成しました。
なお、当駅は駅長が配置された直営駅であり、管理駅として南彦根駅 - 篠原駅間の各駅を管理しています。券売機は3台ありオープンカウンター式のみどりの窓口。指定席券売機も設置されています。
JR彦根駅プラットホーム
ホーム 路線 方向 行先
1 ■琵琶湖線 上り 米原・長浜・大垣方面
2 ■琵琶湖線 下り 草津・京都・大阪方面
2番のりばは運転上の「3番線」。前述したホームのない中線が「2番線」と扱われる。2番線(中線)は、ダイヤが乱れた場合に貨物列車や回送列車などの待避に使われており、上下線どちらも進入出発が可能です。
駅前ロータリーには彦根藩初代藩主井伊直政の銅像(騎馬像)が立つ。
JR西日本の彦根駅は、第4回近畿の駅百選に選定されました。「京阪神快速#117系の投入と新快速の発展」でも触れる通り、1985年(昭和60年)3月14日に新快速が朝夕に、翌1986年(昭和61年)11月1日には日中にも毎時1本、それぞれ当駅まで延長されてきました。そちらでも触れる通り前者では草津駅以東各駅停車だったものが、後者のダイヤ改正では草津駅 - 当駅間で停車駅が削減された。なお同列車は上り本線上で折り返す特異な形態でした。
JR化後の新快速は1988年(昭和63年)3月13日に夕方の列車が米原駅まで延長され、1989年(平成元年)3月13日に全列車が米原駅まで延長、その後は直流化された北陸本線に運転区間を延長しています。当駅から長浜駅・近江塩津駅・敦賀駅方面は各駅に停車いたします。ただし、高槻駅(朝ラッシュは京都駅) - 西明石駅間の快速が当駅では「普通」表示をしているのに対し、新快速は各駅停車の区間であっても「新快速」と表示しています。
近江鉄道を走っている電車に自転車を乗せてきた場合、駅構造の関係でこの駅では降ろせない。2009年(平成21年)4月、近江鉄道ではこの駅と彦根口駅の間に新駅「ひこね芹川駅」が開設されました。
JRと近江鉄道は当駅でレールがつながっており、近江鉄道が中古車両を購入する際は甲種輸送が行われています。
1889年(明治22年)7月1日 - 官設鉄道(現在の東海道本線)の駅が開業(関ヶ原駅 - 膳所駅間の開通と同時)。客貨取扱を開始。
1895年(明治28年)4月1日 - 線路名称制定。東海道線(1909年より東海道本線)の所属となる。
1898年(明治31年)6月11日 - 近江鉄道本線が彦根駅 - 愛知川駅間で開業し、同社の駅もその起点として開業。
1931年(昭和6年)3月15日 - 近江鉄道の駅が、米原駅までの路線延伸により途中駅となる。
1986年(昭和61年)11月1日 - 国鉄駅での貨物取扱が廃止。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により国鉄駅は西日本旅客鉄道の駅となる。
1988年(昭和63年)3月12日 - 近江鉄道線の貨物輸送廃止に伴い、日本貨物鉄道と近江鉄道の貨物連絡運輸が廃止。住友セメント専用線廃止。
2003年(平成15年)11月1日 - JR西日本でICカードICOCA供用開始。
2007年(平成19年)3月 - 東口完成。
2009年(平成21年)3月29日 - 東口前広場開設式・まちびらきイベント開催。
電報略号 ヒコ
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度- 10,184人/日(降車客含まず)
-2011年-
開業年月日 1889年(明治22年)7月1日
備考 直営駅(管理駅)
みどりの窓口 有