三菱自動車工業(パジェロ製造)が製造するが現在は2種類の車両がある。 尚、「73式」となっているが実際は「制式化」されておらず、正式名称については「1/2tトラック」に変更されました。
旧式化が目立ち、排ガス規制などにも適応出来なくなりつつあったジープタイプに代わり、1996年(平成8年)からはパジェロベースで、ショートホイールベースモデルのフレーム後端を若干伸ばし、積載対応のためリーフリジッド化された車両が採用され、「(新)73式小型トラック」となった。新型装備ではなく、旧型車両の更新であるため、複数メーカーによる競争入札は行われておらず、「73式」の呼称が引き継がれ、制式名称は「73式小型トラック」(平成13年度納入車から「1/2tトラック」に変更)となりました。
パジェロをベースにした事から、旧型と同じくシガーライターと灰皿を搭載したほか、民間向け車両の部品を流用した事からエアコンのような快適装備も引き継がれ、冷房可能なエアコン搭載車となるが、電装系は民間向けパジェロの12V仕様に対し、防衛省向けは24Vであるため、操作パネルは同じながらも中身は別物です。 国土交通省届出の車両型式はV13B(2代目パジェロがV2~4系3代目パジェロがV5~6系)となっているが、生産された順は2代目パジェロの後となっています。テールレンズは初代パジェロの物を流用。
方向指示器及びライト切り替えスイッチは旧型に類似したものを使用しており、ライトの点灯はライトスイッチの操作が必須となる。
乗降性の改善のために取り付けたサイドステップのため、全幅が小型車枠ではなくなっており、「小型」呼称ながら高速道路通行料金は普通貨物車(1ナンバー車)と同じ料金だったが、後に普通乗用車料金になるよう改装されました。
変速機はロックアップ機構を省いたトルコン式ATで、市販型パジェロの2代目車両となるJ-TOP(幌車)の専用タイヤであった18インチの大径タイヤ(横浜ゴム製215/85・18、専用鉄ホイール)を装着し、デフロック可能なセンターデフ式フルタイム4駆機構のスーパーセレクト4WDを備える。不整地走破性は旧式純正JEEPと同等程度の性能を持つとされるが、前輪がリジッドから独立懸架となったことで操縦安定性は向上した。タイヤ径の拡大により、地上高、特にアクスルデフ下の最低地上高が増大しています。
災害情報収集のためAM・FMラジオも標準装備されています。
440kgの最大積載量があり、固有の搭載火器はないが、5.56mm機関銃MINIMI、12.7mm重機関銃M2などの各種機関銃、対戦車ミサイルなどを搭載することが可能。誘導弾や通信機器の搭載専用車両は2人ないし3人で運用される。 基本型は6人の乗車が可能だが、従来のジープ型が後部扉から乗降する後部4人に対し、パジェロベースは後部2人乗車であり、残りの2人は前席後部の中間の席に運転席と助手席のシートを倒して乗降する。指揮官車等通信機材が積載された車両に関しては中間の座席を1つ取り外して通信機を設置するため、5人乗車となる。 初期型は従来よりも予熱に時間がかかるため、冬季のエンジン始動に時間がかかる。 現在は新型エンジンを搭載して、バンバー上にあったフォグランプをバンパーに埋め込んだタイプ(数もひとつから二つに増えている)が納入されている。
イラク派遣で使用された際には、三菱自動車が防弾能力を持つ"付加材1/2tトラック用"という物品を納入しており、防弾処理が施されました。
市販パジェロJ-TOPと同じタイヤを使用しているが、J-TOP用の市販は打ち切られ、自衛隊専用タイヤとなりつつある。
旧73式小型トラックにおいても、国内メーカーからはいわゆる「ゲタ山タイヤ」と呼ばれるマッドテレーンタイヤの供給が既に打ち切られている為、共食い整備で古い廃車のタイヤも大事に使い回して運用されている。東北以北についてはスタッドレスの耐用規定に達したものを主にトレーラーに流用するなど極力車両本体にゲタ山タイヤを使用できるよう努めている他、一部は市販品でサイズが合うタイプを使う例も増えています。
73式小型トラック(パジェロベース)
全長 - 4.14m
全幅 - 1.765m
全高 - 1.97m
車体重量 - 1,940kg
乗車定員数 - 6人
積載量 - 440kg
最高速度 - 135km/h
出力 - 85kW