新幹線用車両の中で0系列のみが特高圧引通線を持たず、各ユニットに1基(16両編成では8基)のパンタグラフを装備する。
0系16両編成時は、8台ものパンタグラフを上げて走行していたが、風切りとスパークにより、それらは非常に大きな騒音源となっていた。また、6両編成に短縮されてからもなお3台のパンタグラフを有しており、東海道・山陽新幹線の中では、1編成あたりの実使用パンタグラフが最も多い系列となっていた。100系は当初6台からパンタ半減工事にともなって3台(16両編成)もしくは2台(4・6両編成)に、300系は当初3台から2台に、それ以降の系列は、組成両数にかかわらず全て2台使用である。
JR化後はパンダグラフの両脇に、パンダグラフカバーが取り付けられました。JR西日本所属のNH82編成には例外的に特高圧引通し準備工事が施されており、0系では唯一屋根上にケーブルヘッドカバーを装着した車両が連結されるなど、外観に特徴があった。しかし、準備だけで結局特高圧引通しが行われることはなかった。
開業当時は駅構内が上下線同相給電ではなく、この渡り線の絶縁セクションの電圧差25 \sqrt{2}kV を引通線で短絡するため採用不可であったことと、送電方式にBT (Booster Transformer) き電方式が採用されていたため、特高圧引通線を装備した場合、力行切り替えセクション間にあるブースターセクションを短絡して帰線電流吸い上げ不能となり、給電線のほとんどの電流がパンタグラフと引き通し線を通じて流れアークが発生して損傷の危険があるため装備できなかった。
その後送電方式を現在のAT(Automatic Transformer)き電方式に変更する際に構内同相給電に改め、異相セクションをなくしたことで、設備側については特高圧引通線の装備が可能になったが、本系列については屋根上にヒートポンプ式の空調装置が並べられており、絶縁と空調機のメンテナンスの問題から装備することができなかった。ちなみに、屋根のように見えるのは空調装置のアルミ製のキセ(カバー)であり、構体としての屋根はキセの内部、空調装置の下側にある。