九州旅客鉄道(JR九州)には、キハ40形36両(すべて2000番台)とキハ47形106両(0番台61両・500番台2両・1000番台41両・1500番台2両)の計142両が承継された。廃車は1993年の日豊本線竜ヶ水駅の土石流災害で被災したキハ40形2両のみで、2013年4月現在140両が在籍し、九州島内各地(長崎地区を除く)で運用されている。キハ48形の配置は国鉄時代からない。
本系列に対して初めて冷房改造が行われたのが九州であり、民営化後も1987年から1989年にかけて全車に対して冷房改造が実施された。国鉄時代はバス用の装置を転用したのに対し、民営化後はサブエンジン方式のAU600Kにより行われた。また、近年は全車について屋根上の通風器が撤去されている。ワンマン改造については、大多数について施行済みであるが、方式には線区の事情に応じて数種の方式がある。また機関出力向上についても1990年から数種の方法で行われており、それぞれ新形式または新番台区分が起こされている。
形式と番台の変更を伴う改造は、キハ40形・キハ47形の座席のロングシート化による改番とキハ47形の両運転台化によるキハ41形への改形式、イベント用列車への改造に伴うもののみであるが、多くのローカル線を抱える事情から1989年度よりワンマン運転対応化改造が実施され、キハ40形の全車とキハ47形の大半に施行されている。
また、1991年度から日本電装(1996年以降はデンソー)製のサブエンジン方式冷房装置AU34による冷房改造、1995年度からエンジンをコマツ製SA6D125H-1Hへ換装する工事が実施された。エンジン換装工事実施中は旧エンジン車との併結との関係で出力を265 PS/2,000 rpmに制限し、換装完了後順次330 PSへ引き上げているが、岡山気動車区所属のキハ40形2000番台の一部と3000番台は、2012年1月現在も265 PSのまま使用されている。また、液体変速機を同じくコマツ製のKTF3335A-1A(変速2段・直結3段、自動式)または新潟コンバータ製TACN-22系(変速1段・直結2段、自動式)へ換装する工事も行われたが、台車が元のままで1軸駆動であり、急勾配区間では軸重に対して出力が勝ち過ぎて空転を起こしやすい傾向があるため、台車強度の関係から出力を本来の355 PSから330 PSに落としている。
また、液体変速機のうちコマツ製のKTF3335A-1A換装車は、105 km/h以上で使用可能な直結3段目はキハ40系の最高速度が95 km/hのため使用されず、実質的には変速2段・直結2段である。いずれの工事も2000年度をもって全車の施工が完了している。
1999年度からは、103系電車・113系電車等の国鉄形電車と同様の延命工事が開始され、外観に変化を生じた(改番は行われなかった)。内装は従来と同様である。主な改造内容としては、車体外板腐食部張替え(キハ47形にある戸袋窓は全て埋められている)や、冷房用熱交換器の床下から屋根上への移設、通風器撤去、側窓取替え、化粧板張替え、ドアの半自動装置の電気指令式への変更などである。
また、広島支社(下関総合車両所)配属の車両については側面中央上部にLED式の行先表示器の増設が行われており、これに伴って板式の行先票の使用を終了している。民営化に前後して様々な地域色が登場したが、2009年からは塗装工程の簡略化のため、再び朱色5号単色への塗装変更が進んでいる。
香椎線(かしいせん)は、福岡県福岡市東区の西戸崎駅から同県糟屋郡宇美町の宇美駅に至る九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(地方交通線)である。
西戸崎駅 - 香椎駅間は、海の中道を通っているため、この区間には「海の中道線」(うみのなかみちせん)という愛称が付けられている。車両は筑豊篠栗鉄道事業部所属(博多運転区常駐)のキハ40形・キハ47形が使用されている。
2008年4月より香椎線用のキハ47形に対して、前面を青色、側面を白色とした「アクアライナー色」と呼ばれる香椎線独自の塗装への塗り替えが進められている。側面窓下にはかつて運行されていた「アクアエクスプレス」に似たデザインの「AQUA LINER」のロゴが入っている。
また、最近では使用車両のキハ40・47形の一部において、方向幕が従来のサボからLED式への交換が進んでいる。