北伊丹駅(きたいたみえき)は、兵庫県伊丹市北伊丹9丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)福知山線の駅である。
大阪国際空港の滑走路から猪名川を挟んで北西に数百メートルのところに位置し、離着陸ルートの真下にある(ホームには列車の通過音が聞き取りにくい旨を示す注意書きが掲示されている)。
登記上の所在地は伊丹市だが、施設の一部(北側)は川西市域にもまたがっている。乗客は伊丹市・川西市民が中心であるが、少数ながら大阪府池田市の住民も利用している。
「JR宝塚線」の愛称区間に含まれている。ICOCAや相互利用対象のICカードが利用可能。駅の南西・国道171号の高架下に、阪急バスと伊丹市営バスの「北伊丹」停留所がある。いずれも本数は60分から90分に1本程度で、それほど多くない。
周辺には工場が多い。また、北出口の川西市側は大規模なマンションや一戸建てといった住宅街が広がっており、南出口と北出口では様相が違うのが特徴。
近年は「産業道路」こと県道13号尼崎池田線沿いに郊外型の家電量販店が立て続けに出店している。
また駅東側にペットフードの工場があるため、夏季は特に異臭が漂う。
島式1面2線のホームを持つ地上駅。ホームの西側には留置線が2本あり、宝塚駅に到着した終電や一部の新三田駅に到着した快速はここまで戻って留置される。
ジェイアール西日本交通サービスによる業務委託駅で、改札口は南口(伊丹市側)と北口(川西市側)の2か所ある(みどりの窓口などの主たるサービスは南口で行われており、北口は一部時間帯を除き無人である)。
北伊丹駅プラットホーム
ホーム 路線 方向 行先
1 G JR宝塚線 下り 宝塚・三田方面
2 G JR宝塚線 上り 尼崎・大阪・北新地方面
普通列車のみの停車のため、日中時間帯は1時間あたり4本が停車する。朝ラッシュ時の大阪方面は本数が多くなる。
かつては、「普通列車」であっても当駅を通過する列車があった。
当駅 - 大阪駅・北新地駅間の「昼間特割きっぷ」が販売されており、1枚当たり大阪・北新地までの大人普通運賃は、割引率が50%(半額)です。
昼間特割きっぷは区間によって割引率が異なるが、当駅発着のものが一番割引率が高い。
ホームから離れた駅本屋近くに国鉄時代の駅名標が残されている。大阪近郊のJR線では貴重な現存例である。
当駅を出てすぐ南の踏切には昔の線路の路盤の跡がある。
かつては駅の東側に貨物ホームなどの設備があった。宝塚駅や伊丹駅で行われていた貨物取扱を集約する形で設けられたが、完成後7年で廃止された。
1944年(昭和19年)4月1日 - 国有鉄道福知山線の伊丹駅 - 池田駅(現在の川西池田駅)間に、旅客駅として新設開業。
戦時体制を受け、従業員が増加した駅西隣の大阪機工の通勤用として設置された。同工場の一部は昭和50年代に閉鎖され、その跡地は県立西猪名公園となっている。
1966年(昭和41年)9月1日 - 専用線発着の車扱貨物の取扱を開始、一般駅となる。
ダイハツ工業の専用線が接続し、同社所有車運車クム2000形(私有貨車)30両の常備駅が川西池田駅から当駅に変更された。
1978年(昭和53年)10月1日 - ダイハツ工業専用線廃止。
1979年(昭和54年)7月1日 - 周辺4駅の貨物取扱を当駅に集約、車扱貨物の取扱を開始。
1986年(昭和61年)11月1日 - 貨物取扱全廃、旅客駅に戻る。当駅は福知山線内で最後まで貨物営業を行っていた駅であった。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道の駅となる。
2003年(平成15年)11月1日 - ICカードICOCA供用開始。
2005年(平成17年)
4月25日 - JR福知山線脱線事故により、列車が停車しなくなる(みどりの窓口のみ営業)。
6月19日 - 福知山線復旧、脱線事故後55日ぶりに列車停車が再開。
2007年(平成19年)3月13日 - 南口のみエレベーター新設。
2014年(平成26年)4月1日 - 北口のみ朝夕を除き無人化。
電報略号 キタ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
乗車人員
-統計年度- 5,050人/日(降車客含まず)
-2010年-
開業年月日 1944年(昭和19年)4月1日
備考 業務委託駅
みどりの窓口 有
* 登記上の所在地。実際は兵庫県川西市にもまたがる。