三代目南極観測船「初代しらせ」艦載機のS-61A-1の後継として、四代目南極観測船「二代目しらせ」用にCH-101が文部科学省予算で調達され、海上自衛隊によって運用されている。
CH-101はその任務上極寒冷地対応とされており、所定の追加装備が施されているが、外観上の変化は僅かである。
平成16年度と平成17年度に各1機、平成24年度補正予算で1機の計3機が調達された。
2007年5月にCH-101初号機がライセンス生産により川崎重工業から「しらせ飛行科」へ納入され、岩国基地の第111航空隊支援の下で試験と訓練を経て、2009年10月に「二代目しらせ」に搭載された。
しらせ配備機は、部品調達の関係から今後も第111航空隊の支援を受ける。
海上自衛隊では、AW101を掃海・輸送ヘリコプターMCH-101と呼称し、掃海機および輸送機として運用する。2014年3月末時点のMCH-101の保有数は5機。
ローターと尾部に自動折り畳み機能を持ち、艦載機としての運用性を持たせている。また、自動飛行制御装置(AFCS)、能動制振装置(ACSR)といった電子機器を搭載しており、飛行性の向上と機体への負担を軽減している。
海上自衛隊では、掃海機MH-53Eの減勢にともなう後継機として、護衛艦へ発着可能で掃海具の小型化に対応した新型ヘリコプターを必要とし、2003年(平成15年)予算で新掃海・輸送ヘリコプターとして初めて1機が取得された。MCH-101の初号機は完成品輸入として2006年(平成18年)に納入された。2号機は川崎重工業によりノックダウン生産、3号機以降はライセンス生産が行われる。2003年の防衛力整備では、MH-53Eの事故による損耗分を含めた11機の取得が必要だと予算要求された。
MCH-101は平成16年度防衛白書において、ひゅうが型ヘリコプター護衛艦に輸送ヘリとして搭載、運用することが示唆されている。2012年にはノースロップ・グラマンが開発したポッド式LIDAR装置である空中レーザー機雷探知システム(AN/AES-1 ALMDS)を導入すると発表された。ALMDSはアメリカ海軍ではMH-60Sで運用される予定で、低率初期生産が開始されたばかりである。
自衛隊ではMCH-101と呼ばれているアグスタウェストランド AW101は、イギリスのウエストランド社とイタリアのアグスタ社が共同開発した汎用ヘリコプターである。両社は2000年に合併し、現在はアグスタウェストランド社が販売と製造を請け負っている。
イギリスにおける愛称は、コチョウゲンボウを意味するマーリン(Merlin)ポルトガルとデンマークでもこの愛称が採用されている。
シーキングの後継機として開発されたため、機体の寸法・重量はシーキングに合わせて設計されている。大量の機材と長大な航続距離を求めた結果、3発のエンジンと巨大な床下燃料タンクを搭載する大型機となったが、オプションのテール及びローター折り畳み機構によって艦載機としての運用を可能としている。
巨大な機内空間は左舷にステップ付きドア、右舷にスライド式カーゴドア、後部にランプ・ドアを備え、民間輸送型で30人を乗せる事ができる。
5枚のメインローターはウエストランド社がリンクスで取り組んだBERPブレードを採用し、特徴的な外見を備えている。