第374空輸航空団/第459空輸飛行隊
UH-1N イロコイ
最初に生産されたモデル。アメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊が運用。長年にわたって運用するアメリカ海兵隊は、アビオニクスの改善、防御装置、FLIRなど、いくつかのアップグレード機を開発した。
UH-1N ツインヒューイ(UH-1N Twin Huey)は、1969年4月に初飛行した中型軍用ヘリコプターである[1]。米ベル社製の本機は、1名のパイロットと14名の乗客分を合わせた15席配置があり、乗客に代わって貨物を搭載する場合では 6.23m3(220立方フィート)の収容能力がある。機外吊下げ(スリング)だけでは 2,268kg(5,000ポンド)が輸送できる。CUH-1N ツインヒューイが原型で、CH-135 ツインヒューイとしてカナダ軍から最初に発注された。
ベル 205の胴体を引き延ばし、エンジンをツインパック方式に強化したベル 212は、元々はカナダ軍向けに開発され、CUH-1N ツインヒューイの名前が与えられていた。後にカナダ軍は、新しい命名体系を採用したため、本機はCH-135 ツインヒューイという新たな名前が与えられた。カナダ軍は1968年5月1日に開発を承認した。50機を購入し、1971年5月に引き渡しが始まった。
アメリカ陸軍も自軍向けにツインヒューイの購入を計画していたが、下院の軍事委員会議長、L・メンデル・リバーズによって反対されたため、取得が危ぶまれる事態となった。リバーズは、ツインヒューイのエンジン プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6Tがカナダ製であることから否定的な立場をとった。カナダ政府は、アメリカ軍の兵役逃れを受け入れていた様にアメリカのベトナム戦争への関与を支持しておらず、東南アジアに対するアメリカ政府の方針に反対していた。また、リバーズは、エンジンの取得がカナダとの貿易赤字になることも問題視した。議会は、PT6Tの代替にT400エンジンの獲得を確定した場合のみツインヒューイの購入を許可した。その結果、294機のベル 212が発注され、1970年に引き渡しが始まった。
アメリカ軍は、カナダ軍と異なりUH-1の公式名称であるイロコイ(Iroquois)をUH-1Nでも採用したが、アメリカ軍の将兵達は、UN-1Nをヒューイ(Huey)または、ツインヒューイ(Twin Huey)と呼んだ。
ベル 412は、ベル 212から更に発展したヘリコプターである。大きな相違は、メインローターのブレードを複合材製の4翅にしたことである。
駆動・回転翼系統
2基のプラット・アンド・ホイットニー・カナダ PT6 ターボシャフトエンジンの2本のタービン出力は、PT6T-3/T400 ターボツインパックによって1本のローターシャフトへまとめて出力され、UH-1Nのメインローターを駆動する。それらは最高1,342kW(1,800shp)を生み出す。たとえ片方のエンジンが停止しても、残されたエンジンが30分間なら671kW(900shp)の力を、最大荷重下での巡航継続が求められる状況なら571kW(765shp)の力を発揮できる。
アメリカ海兵隊(USMC)は保有する多数のUH-1Nに対して、飛行中の安定性を保つためにローターヘッドにサーボ入力を与える安定制御増大システム(Stability Control Augmentation System)を加える改修を施した。この近代化改修では、コンピュータ・システムが安定性を保つことで、メインローターヘッド頂部でジャイロとして働いていたスタビライザーバー(Stabilization Bar)を取り外すことになった。
戦歴
アメリカ海兵隊のUH-1Nは2003年のイラク侵攻の間、海兵隊によって運用された。UH-1Nは、地上の海兵隊部隊のために偵察と通信サポートを行なった。それらはナーシリーヤでの激しい戦いでは、近接航空支援(CAS)も求められた。
記録的なスカイダイビング
1972年3月6日にアメリカ海軍第6南極開発隊(VXE-6)のハインドリック V. ゴリック(Hendrick V. Gorick)は、UH-1Nで20,500フィート(6,248m)の高度からジャンプした。これは南極大陸におけるパラシュートのスカイダイビングの記録を作った。
乗員 2人
胴体全長 12.92m
全幅 14.69m(ローター含)
全高 4.53m
自重 2,786kg
最大離陸重量 5,800kg
エンジン 2基 名称:P&WC T400-CP-400 出力:1,290shp/基
最大速度 228km/h
航続距離 420km
製作 ベル社
備考 米空軍が連絡・汎用などの目的で使用する輸送ヘリコプターで、ツインパックエンジンを搭載している。公式な名称は「イロコイ」だが、通称では「ツインヒューイ」
在日米軍では第374空輸航空団/第459空輸飛行隊で4機が運用されている。