除氷車(de-icer、ディアイサー)は、着氷した航空機の機体や滑走路に向けて加熱済み除氷剤を噴霧する。除氷剤にはプロピレングリコールまたはエチレングリコールが使われることが多い。それらは航空機が地上に駐機する間に発生する機体への着氷を防止する。氷は翼の表面を荒くし、翼による揚力を減少させ抗力を増加させる。また氷は航空機の重量を増し、バランスに影響を与えこともある。
航空機除氷車は通常大きなタンクローリーを持ち、濃縮された除氷剤と周囲の気温に応じて除氷剤を薄めるための水が貯えられている。また、通常除氷車は高所作業車用クレーンも持っていて、少ない回数で航空機全体に除氷剤を噴霧することができる。例えばボーイング737の場合、1台の除氷車で10分以内に機体全体を処理することができる。
道路建設業者の中には、除氷車を除雪剤散布車の代わりに使うところもある。塩水(brine)をタンクで運び、路面に散布する。塩水は固体の塩よりも早く反応し、踏みつぶして圧縮する必要もない。また、同じ長さの道を処理するのにより少量の塩しか必要としないため、塩水はより環境にやさしい。
空港の滑走路の除氷では、長い噴霧アームに取り付けられた噴霧機も使用される。これらのアームは滑走路の横幅全体をカバーできるように十分長く、1回の行き来で滑走路の完全な除氷を行うことができ、滑走路の利用不能時間を短縮することができる[33]