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南海2000系2044編成「真田赤備え列車」

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南海2000系電車(なんかい2000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の一般車両(通勤形電車)。山岳直通車両「ズームカー」の一系列であり、「ステンレスズームカー」「ハイテクズーム」「VVVFズームカー」の異名をとる。

64両が新製され、製造年次によって1・2次車、3・4次車、5 - 7次車に分かれる。

高野線の山岳区間である橋本駅 - 極楽橋駅間に入線することが可能な車体長17mの2扉車ズームカーである21001系・22001系および同形式の更新車である2200系の置き換え用として、1990年(平成2年)に運用が開始された。
制御方式は、南海では初採用となる日立製作所製GTO素子によるVVVFインバータ制御で、主電動機は東洋電機製造製で、出力は100kW、全電動車方式である。全車M車で初期型GTO素子VVVFインバータ装置を搭載している。機器的には2両1組の構成となっていて、一部の機器は2両に1つしか搭載されていない。このため、2両編成単独での営業運転は行われない。


インバータ制御であるため、停止時および下り勾配での抑速制御時の回生ブレーキが可能となっている。回生ブレーキは運転本数の多い区間では発生した電力を他の列車の力行(加速)に容易に回せるので有効だが、それが少ない山岳区間では他に電力を消費する列車がなく回生失効となるケースが多い。そこで、本系列の導入に当たって山岳区間の変電所に回生電力吸収装置を設置することにより回生失効を防止するようにした。 ちなみに、常用ブレーキの初速が40km/h程度以下の場合は空制のみが作動し、回生は使用されない。
車体は軽量ステンレス製のダルフィニッシュ(梨地)仕上げとし、コルゲート板はなくビードラインを入れている。先頭車の正面はFRP製で、曲線を多く取り入れた形状となり、行先表示器は種別と行先に分けて左右に配置し、側面も種別用と行先用を独立して配置している。車内は荷棚がポリカーボネート製、蛍光灯にはアクリルカバーが付く。在来車との併結の必要性から、ブレーキは電磁直通ブレーキとなっている。


本系列は7回に分けて製造されたため、途中での仕様変更が多く、製造年によりパンタグラフの取り付け位置、車体外板のビード数、内装、座席配置などに違いがある。
車体長を高野線山岳区間の車両限界にあわせて17mとしたことや、ドアの数も片側2ヵ所と少ないので、通勤車としてはやや不向きの面もある。
本系列は女性専用車両の設定対象外となっている。また、17m車の運用の無い泉北高速鉄道では運行されない。

 

5 - 7次車
クロスシートを採用した車内
4両編成と2両編成の合計44両が在籍し、本系列の大半を占める最大勢力である。このうち2042・2043編成は2005年秋の高野線ダイヤ改正以降運転休止状態となり、2042編成は羽倉崎検車区に回送されて疎開留置の状態であったが2006年12月から他の編成に先駆けて本線で試運転を開始、その後他の運転休止編成(1 - 3次車)も相次いで試運転を開始し、2007年8月11日の南海線ダイヤ変更にてすべての運転休止編成が南海本線・空港線に営業復帰した。なお、南海線転用の本系列はすべてが普通列車運用限定となっている。


車端部にクロスシートを設置している。このうち中間部は3・4次車同様のロングシートだが、ドア付近の座席を減らした分立席スペースを広く確保している。この編成以降連結面の妻窓は廃止され、列車種別選別装置は最初から双方向デジタル伝送(トランスポンダ)方式を採用した(1 - 4次車も同時期に同装置を更新)。
なお、2046編成は一時期の塗料の配備の問題でスカートが灰色から白色に変化していたが、しばらくしてから元に戻った。また、2043編成は2002年3月28日に極楽橋発難波行急行の運用中に紀伊細川駅 - 紀伊神谷駅間で早朝に発生した土砂崩れで積もった土砂に乗り上げてスカートと床下機器、パンタグラフ1基を破損していた。


2007年10月より2044編成が「花のラッピング電車」として、シャクナゲ、サルスベリなど沿線の花を沿線の小学校に通う小学生200人がデザインした「花の絵」を部分ラッピングして出場し、運転を継続してきたが、2011年3月を以ってこのラッピングは解除された。その後、同編成は2015年11月1日より1年間の予定で、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の主人公である真田幸村蟄居の地である九度山活性化を目的として、赤を基調とした外装の「真田赤備え列車」として運行している。
なお南海本線に転属していた2042編成は2012年9月24日付で南海線住ノ江検車区から高野線小原田検車区へ転属し、古巣の高野線へ「里帰り」した。


その5 - 7次車の内訳は次の通り。
5次車(1995年5月竣工):2035 - 2039の各編成・2041編成(計14両)
6次車(1996年8月竣工):2040編成・2042 - 2044の各編成(計14両)
7次車(1997年7 - 8月竣工):2021 - 2024の各編成・2045・2046の各編成(計16両)

基本情報
製造所 東急車輛製造
主要諸元
編成 4両編成(9本)
2両編成(14本)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V架線給電
最高運転速度 南海線:110km/h
高野線平坦・準山岳区間:100 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.1 km/h/s


編成重量 2両編成:71.5t
4両編成:140.0t
全長 17,725 mm
全幅 2,744 mm
全高 4,130 mm
車体材質 ステンレス
台車 緩衝ゴム式ダイレクトマウント空気ばね台車
FS-541
主電動機 かご形三相誘導電動機
TDK6310-A
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
編成出力 2両編成:100kW×8=800kW
4両編成:100kW×16=1,600kW 
制御装置 GTO素子VVVFインバータ制御(1C8M)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用、応荷重装置付)


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