BRM(Bridge Resource Management)の導入等による、安全面を強化した 船艇業務執行体制の充実を図るための訓練が必要であり、また、近年の不審船事案へ の対応など、武器を使用する蓋然性が高まってきている中、実弾を使用した訓練には 制約が多く、射撃に関する訓練についても充実を図る必要がありました。
「海上保安シミュレーションセンター」は、双方の訓練について効率的且つ系統立てた訓練を 実施するため、日本財団及び海上保安協会の支援の元、海上保安大学校に当該施設を整備し、 海上保安庁船艇職員、海上保安大学校学生に対し、シミュレータによる訓練を実施することに よって、海上保安庁船艇職員の安全運航に対する意識及び技術の向上、並びに、業務対応能 力の向上を図ることを目的として建設されたものです。
第1船橋
船舶の操舵室を再現しています。各種航用機器のほかに、巡視船艇に搭載されている警備救難情報装置等を設置しています。
船舶の操舵室を再現しています。各種航用機器のほかに、巡視船艇に搭載されている警備救難情報装置等を設置しています。
このシミュレータ装置は自船のブリッジから外を見た映像を表示できるだけでなく、視点を任意の位置に変えることが可能で、 自船の操船状況を客観的に見ることもできます。
ブリッジから見た映像
操船シミュレータでは、必要に応じて、自由に訓練海域の映像を昼間及び夜間に切り替えて表示することができます。
視点を外部に移動した映像
視点を任意の位置に変えることが可能で、自船の操船状況を客観的に見ることも可能となっています。
また、第1船橋から逃走船舶に対して、自動照準を用いた射撃あるいは目視照準による射撃が可能です。
他のセンター施設として
第2船橋
逃走船舶等に見立てた第2船の操船を行います。視界再現装置として4台のプラズマディスプレイを使用しています。
スクリーン室と制御用コンピュータ群
大型円筒形スクリーンに、14台のDLP方式プロジェクタにより縦6m長さ27.5m(水平視野角245度、垂直視野角 60度)の高精度な映像を映し出します。船橋左右後方には大型ディスプレイが1台づつ設置され 後方視界を映し出します。船舶の操縦運動性能やリアルタイムコンピュータグラフィックは機械室に設置された高性能のコンビュータ群を並列運転して制御されています。
教官・操作室
シミュレーター全体の制御、訓練シナリオの編集、操船状況や訓練海域の監視、訓練条件の設定等、 訓練の実施に必要な全ての機能を集約しています。
研修室
訓練説明や講義に使用します。スクリーンや28台のモニターにより、訓練中の操舵室の映像や訓練結果の 再現映像等を表示させ、効果的に講義などが実施できます。