フランスのイスパノ・スイザと技術導入契約が結ばれた。イスパノ・スイザ社が設計、三菱重工が1927年頃から制作しました。
旧日本海軍十三艦上攻撃機などに使われた優秀なエンジンです。
ピストンエンジン(水冷60度V型 12シリンダー)
出力:450馬力
回転数:1800回/一分毎
エンジン重量:435KG
排気量:28L
第一次世界大戦において、飛行機は大いに軍事的な役目を果たした。こうした飛行機の目覚ましい進歩に着目した三菱グループは、この飛行機市場が成長することを見越し、飛行機用発動機の製造に乗り出したのだ。三菱重工はエンジン製造メーカーとしてスタート。
イスパノ・スイサ(Hispano-Suiza )はスペインで創業した企業で、自動車やエンジンの設計、戦争を前後して兵器も開発した。現在はフランスのグループ企業であるサフラングループの傘下に入っている。
1898年にスペイン軍の砲兵指揮官であったエミリオ・デ・ラ・クアドラ(Emilio de la Cuadra )は、バルセロナで電気自動車会社の「ラ・クアドラ」を設立した。デ・ラ・クアドラはパリの街でスイスの技術者マルク・ビルキヒトと出会い、彼の才能を買って雇用した。
1902年に会社のオーナーがJ・カストロに変わり、社名もスペインとスイスを意味する「ファブリカ・イスパノ・スイザ・デ・オートモービル (Fábrica Hispano-Suiza de Automóviles )」となったが、翌年に倒産した。
1904年、再びJ.カストロの下で「ラ・イスパノ・スイザ・ファブリカ・デ・オートモービル (La Hispano-Suiza de Automóviles Fábrica )」 が再建され、翌年に4台のエンジンが販売された。再建した会社は乗用車、トラックを大量生産、手作業でレーシングカーや高級車を少数製造した。
高級車の市場はスペインよりもフランスの方が非常に大きいことを確認し、第一次世界大戦前の1911年にパリ郊外のルヴァロワ・ペレに新しい工場が建設された。1914年には、より大きな工場があるボワ・コロンベへ移り、「イスパノ・スイザ」の名で販売を始めた。高級車ブランドとして大きな成功を収めたほか、航空エンジンの製造会社としても成功した。
バルセロナの工場は第二次世界大戦後の1946年まで操業された。その後も航空エンジンを中心に操業を続けたが、1968年に、フランスのスネクマ(現在のサフラン)によって買収され、現在に至る。