王寺駅(おうじえき)は、奈良県北葛城郡王寺町久度にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・近畿日本鉄道(近鉄)の駅である。
奈良県の西部に位置し、以下に挙げる2社4線が乗り入れている奈良県有数のターミナル駅である。駅周辺には商業施設や教育機関なども多数ある。
JR西日本の王寺駅に乗り入れている路線は、当駅の所属線である関西本線と、当駅を起点とする和歌山線の2路線である。和歌山線の列車には高田駅から桜井線(万葉まほろば線)に直通するものも存在する。アーバンネットワーク内にあり、関西本線は「大和路線」の路線愛称設定区間に含まれている。関西本線(大和路線)の駅番号はJR-Q31。
近畿日本鉄道は、王寺駅に生駒線が、隣接する新王寺駅に田原本線が乗り入れている。両路線とも当駅が起終点となっている。生駒線王寺駅の駅番号はG28、田原本線新王寺駅の駅番号はI43。
単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、計3面5線のホームを有する地上駅で、橋上駅舎である。
改札口は東側の橋上部と西側の地平部にあり、西側は近鉄生駒線の改札口に近接している。ホームにはエレベーターが設置されているが、エスカレーターは設置されていない。
日中のJR難波駅方面からの普通電車は当駅で折り返す。奈良・加茂・高田方面への快速列車は当駅より各駅に停車する。
構内には電留線が多く設けられ夜間留置が行われるほか、車両基地の吹田総合車両所奈良支所王寺派出所もあるため仕業検査も行われている。また、駅南側には保線基地の大和路線保線区と、和歌山線の畠田駅 - 五条駅間各駅と桜井線のすべての中間駅を管轄する王寺鉄道部が置かれている。
かつては、1番のりばに売店(幕の内ではあるが駅弁も販売、時刻表にも記載されていた)、ハンバーガーショップ(ドムドム→マクドナルド。中に仕切りがあり、改札外からも店に入ることができた)などがあったが、駅前広場改良工事に伴い解体された。なお、マクドナルドについては駅前再開発ビルの「りーべる王寺」地下に移転して営業を続けている。同じく1番のりば東端にはコンビニエンスストア(ハートイン)への入口があり簡易的に改札を兼ねていたが、自動改札機設置に伴い廃止された。その後、同ホームには証明写真撮影機と待合室が設置された。
駅長が配置されている直営駅であり、管理駅として関西本線の郡山駅・大和小泉駅・法隆寺駅・三郷駅の4駅を管轄している。アーバンネットワークエリアに属しており、ICOCA利用可能駅でもある。
のりば
のりば 路線 行先 備考
1 Q 大和路線 奈良・加茂方面
T 和歌山線 高田・五条・和歌山方面
2・3 Q 大和路線 天王寺・JR難波・大阪方面 一部4番のりば
4・5 T 和歌山線
U 万葉まほろば線 高田・五条・和歌山方面
桜井・天理・奈良方面
上記の路線名は旅客案内上の名称(「大和路線」・「万葉まほろば線」は愛称)で表記している。
基本的には上記のように案内されているが、ラッシュ時や運用上の都合から、大和路線天王寺方面の列車は一部4番のりばから発車する。 2012年3月のダイヤ改正以前は、万葉まほろば線の早朝1本だけの電車が3番のりばから出発していた。
和歌山線方面の列車は、日中はすべて大和路線JR難波駅からの直通列車となっているため、4・5番のりばから発車する旅客列車はない。
1番のりばが単式、2・3番のりばと4・5番のりばがそれぞれ島式となっている。2・3番のりばでは緩急連絡(主に2番乗り場に先発の快速列車、3番に後発の各駅停車)が行われる。JR難波駅 - 当駅間の系統の折り返しは3番のりばから行われる。1・2番のりばの間には2本の留置線が設けられている。
利用状況
JR西日本
2016年度の統計では1日平均乗車人員は24,369人(同社の駅の中では第38位)で、奈良県内のJR駅として、また、日本の郡部にある駅しては最多である。そして、和歌山駅よりも多い。
駅周辺
当駅は北側を流れる大和川と南側の丘陵地帯に挟まれた狭い平地に立地する。同平地は当駅の他、工場などが密集しており、住宅、駅前には商業施設、金融機関などが立地している一方、商業地の広がりは小さく、大半が住宅地となっている。周辺ニュータウンなどを駅勢圏に含む。2014年7月1日から駅周辺が路上喫煙禁止条例による対象区域に指定。
北側
JRの西・北口及び近鉄両駅側。西友を核店舗とし東西2棟で構成される複合ビル「りーべる王寺」が駅前広場を挟んで立地する。銀行や飲食店なども入居している。
三室山
王寺駅前交番
リーベル王寺
西友
王寺町地域交流センター
三菱UFJ銀行
南都銀行
奈良中央信用金庫
王寺駅前郵便局
王寺町中央公民館
奈良県西和医療センター
南側
JRの南口側。駅前広場周辺にはスーパーマーケットや飲食店、自転車駐車場などがある。
奈良交通王寺案内所
西日本旅客鉄道王寺鉄道部・大和路線保線区
ニチアス王寺工場
恵王病院
王寺町役場
王寺町やわらぎ会館
奈良県広域消防組合 西和消防署
西和警察署
王寺交番
王寺アリーナ
王寺町立図書館
王寺郵便局(集配局)
奈良県立王寺工業高等学校
三井住友銀行
京都銀行
南都銀行
岡安証券
バス路線
バスロータリーは、駅の北口と南口にあり、停留所名は王寺駅となっている。路線バスは、奈良交通が運行している(奈良交通西大和営業所の項を参照)。高速バスは、奈良交通と京成バスが共同運行しているやまと号や、西日本JRバスとJRバス関東が共同運行しているドリーム号が乗り入れる。
1890年(明治23年)12月27日 - 大阪鉄道 (初代)が奈良駅 - 王寺駅間を開業した際に、同路線の駅(一般駅)として設置。当時は奈良方面からの終着駅であった。
1891年(明治24年)
2月8日 - 大阪鉄道線が当駅から稲葉山仮停車場(現在の三郷駅 - 河内堅上駅間に存在)まで延伸。途中駅となる。
3月1日 - 大阪鉄道線が当駅から高田駅まで延伸(現在の和歌山線にあたる)。
1892年(明治25年)2月2日 - 大阪鉄道線の稲葉山仮停車場と亀瀬仮停車場間の開業(両仮停車場はこの時に廃止)により、奈良駅 - 湊町駅(現在のJR難波駅)間の路線が直結する。
1900年(明治33年)6月6日 - 大阪鉄道の路線を関西鉄道が承継。同社の駅となる。
1907年(明治40年)10月1日 - 関西鉄道が国有化。国有鉄道の駅となる。
1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定により、関西本線所属となる。
1920年(大正9年)10月 - 駅舎改築。橋上駅舎化まで使用。
1945年(昭和20年)7月24日 - 王寺駅を狙った空襲を受ける。
1974年(昭和49年)4月 - みどりの窓口の営業を開始。
1978年(昭和53年)
1月26日 - 橋上駅舎に改築。それ以前に王寺町により建設されていた駅南北をむすぶ歩道橋(久度大橋)に直結される。
10月25日 - 地平の旧駅舎が改装され、日本旅行がミディショップを開店。
1982年(昭和57年)8月2日 - 集中豪雨による大和川の氾濫により構内電留線が水没し、停留していた101系60両が被災、54両が廃車になる。
1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物の営業が廃止され、旅客駅となる。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
1988年(昭和63年)3月13日 - 路線愛称の制定により、関西本線で「大和路線」の愛称を使用開始。
2003年(平成15年)11月1日 - ICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
2008年(平成20年)3月15日 - おおさか東線の放出駅 - 久宝寺駅間の部分開業によるダイヤ改正に伴い、新設された直通快速の停車駅となる。
2009年(平成21年)10月4日 - 大阪環状・大和路線運行管理システム導入。
2018年(平成30年)3月17日 - 駅ナンバリングが導入され、使用を開始。
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
電報略号 オシ
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 3面5線
乗車人員
-統計年度- 24,369人/日(降車客含まず)
-2016年-
開業年月日 1890年(明治23年)12月27日
乗入路線 2 路線
所属路線 Q 関西本線(大和路線)
駅番号 JR-Q31
キロ程 149.3km(名古屋起点)
加茂から28.4km
◄JR-Q32 法隆寺 (3.6km)(1.8km) 三郷 JR-Q30►
所属路線 T 和歌山線
キロ程 0.0km(王寺起点)
(2.6km) 畠田►
備考 直営駅(管理駅)
みどりの窓口 有