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JR四国1000形気動車

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JR四国1000形気動車
1000形気動車(1000がたきどうしゃ)は、四国旅客鉄道(JR四国)が1990年から製作した一般形気動車である。1500形気動車との併結対応改造車である1200形気動車(1200がたきどうしゃ)

JR四国域内の徳島・高知地区を主とする非電化区間の地域輸送改善用として設計された車両で、1990年(平成2年) - 1998年(平成10年)までに56両 (1001 - 1056) が新潟鐵工所で製作された。

電化区間の存在しない上記2地区で使用してきた国鉄承継車両の老朽化による取替と運転時分短縮とを目的として計画され、冷房設置などの接客設備改善、大出力機関搭載による動力性能向上を企図した。通勤通学輸送に対応した車体中央の両開き扉・ワンマン運転用の諸設備など、広汎な運用に対応する仕様を有する。

製作開始より徳島・高知地区で地域輸送に使用されている。2006年に後続形式の1500形気動車を製作開始したことに伴い、一部の車両に併結対応改造が施工され、1200形に形式を変更している。

車体
全長 21 m 級のステンレス製構体で、車体両端に運転台を設け、1両での運用が可能である。
客用扉は片側3か所に設ける。両端部は850mm幅の片開き扉、中央部は1300mm幅の両開き扉である。ラッシュ時運用と閑散時のワンマン運用とを両立させるための扉配置で、ワンマン運転時には中央扉を締切扱とする。
客室窓は上下2段式で、両開き扉の戸袋部と片開き扉の戸袋隣接部に固定窓を設ける。
乗降口は床面高さを1180mmまで下げ、ステップを廃止した平床構造とされた[4]。乗降の円滑化・利便性に配慮した仕様であるが、使用線区では駅ホームと乗降口の高さが法令規定値に適合しないため、駅ホーム高さを920mmまで嵩上げして法令適状としている。ホーム嵩上未施工区間(予讃線の伊予市駅以西など)では営業運転ができない。嵩上後のホーム高さは従来のステップ装備車に合わせられ、本形式の乗降口との段差は残存する。
冷房装置は屋根上に集中式のAU26形を2基設置する。冷房駆動は専用機関 (42PS) を1基搭載し、かつ、走行用機関を併用する方式である。


駆動系
駆動機関はコマツ製の直列6気筒ディーゼル機関 (SA6D125-H) を用いる。これは2000系気動車に使用した機関と同系のもので、過給機・燃料噴射系の仕様を変更し、400PS/2100rpmの定格出力を有する。液体変速機は逆転機を内蔵したDW14改で、本形式での仕様は変速1段・直結2段の自動切換方式である。
これら駆動系の一新と車体の軽量化により、最高速度は110km/h、勾配均衡速度は52km/h (25 ‰) に向上した。
台車・ブレーキ装置
台車は枕バネに空気バネを用いたボルスタレス台車 S-DT57 形(動力台車)S-TR57 形(付随台車)で、コイルバネの軸バネと軸箱前後に設けた緩衝ゴムとで軸箱を支持する。動力台車は2軸とも駆動軸としている。
ブレーキ装置は応答速度や信頼性向上を企図し、電気指令式空気ブレーキを搭載する。従来型の自動空気ブレーキを装備するキハ58系やキハ40系などとの混結は考慮されず、非常時の救援には主要駅備付のD救援ブレーキ装置を用いる仕様である。D救援ブレーキは車両には搭載せず、主要駅に設置する方式とした。
下り勾配の抑速用として、機関ブレーキ・排気ブレーキを併設する。


室内設備
座席は都市近郊でのラッシュ時輸送と郊外の路線での運用を考慮し、クロスシートとロングシートを点対称に配置する。車内中央向かって左側がクロスシート、右側がロングシートの配置である。灰皿は当初から設置しない。
その他設備:土佐くろしお鉄道9640形と併結して走行する1000形ワンマン運転に対応するため、運賃箱・運賃表示器・整理券発行器が搭載されている。ワンマン運転時は後乗り前降りで運用される。

土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)用の9640形が本形式と併結が可能な仕様で製造され、同線との直通運用にも用いられる。

運用・現況
徳島運転所・高知運転所に配置され、以下の区間で運用されている。
高松・徳島地区 
高徳線:1200形のみ
徳島線:全線
牟岐線:1200形のみ
鳴門線:1200形のみ
高知地区
土讃線:全線
土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線):全線
高知地区ではトイレ設置の有無で運用が分かれている。これは乗り入れ先の土佐くろしお鉄道がトイレなし車両の阿佐線(ごめん・なはり線)への乗り入れを認めていないことによる。ただし、トイレ設置車は徳島運転所配置車が中心となっている。徳島にあったトイレ非設置車はすべて高知に転属している。

高知地区の運用は高知以西中心の運用であったが、徳島地区への1500形配置に伴って2006年(平成18年)6月1日・2008年(平成20年)10月15日に合計13両が高知運転所に転配され、後免 - 土佐山田間の運用が増加している。2016年3月26日のダイヤ改正以降は、須崎 - 窪川の普通列車は、全列車1000形に統一された。
土讃線のホームかさ上げ工事の完成に伴い、2011年3月12日のダイヤ改正より、琴平 - 佃・阿波池田 - 土佐山田間でも運用が開始された。

牟岐線の阿南駅以南では2008年度 - 2009年度に嵩上げ工事が行われ、2010年3月13日より運用を開始した。2008年に一時期、阿南駅 - 桑野駅でも使用されていたが、当時は阿波橘駅のホームが嵩上げされていなかったため、通過していた。 また、鳴門線でも2010年度にホームの嵩上げ工事を行い、2011年3月12日から運用が開始された。

2012年3月17日のダイヤ改正では、徳島運転所から1010、1011が高知運転所に転属している。

高知配置車の2次車以降と徳島配置車の一部の車両には「アンパンマン」のキャラクターステッカーが前面に貼付されている。

2016年3月26日のダイヤ改正において、徳島運転所から1008・1009が高知運転所に転属している。また、土佐山田以北の国鉄型がすべて置き換えられた。

サンライズ瀬戸が琴平まで延長運転を行う場合、1200形が高松 - 琴平で運用されることがある。

運用者 四国旅客鉄道
製造所 新潟鐵工所
製造年 1990年
製造数 56両
運用開始 1990年3月10日
主要諸元
軌間 1,067 mm
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 110[2] km/h
車両定員 151人(座席70人)
自重 31.5 t
全長 21,300 mm
車体長 20,800 mm
全幅 2,894 mm
車体幅 2,800mm
全高 3,825 mm
車体高 3,600mm
床面高さ 1,180 mm
車体材質 ステンレス
台車 S-DT57(動力軸)、S-TR57(付随軸)
車輪径 860 mm
固定軸距 2,100 mm
台車中心間距離 14,400 mm
機関 コマツ製SA6D125-H
機関出力 294 kW(400 PS)
変速機 液体式DW-14改
変速段 変速1段、直結2段
搭載数 1基 / 両
制動装置 電気指令式ブレーキ
機関・排気ブレーキ併用
保安装置 ATS-SS


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