Quantcast
Channel: 観光列車から! 日々利用の乗り物まで
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3251

コッペル32号(貝島大之浦炭坑専用の機関車)

$
0
0

貝島炭礦専用線で使用されていた蒸気機関車コッペル32号です。

1925年(大正14年)貝島大之浦炭坑が資材運搬用としてドイツから輸入した炭坑専用の機関車。日本国鉄式1C1軸配置のタンク機(タンク機関車)で、貝島炭鉱最大にして、輸入コッペル製蒸機としても最大級の機関車です。

ドイツのオレンスタイン&コッペル社新製で、1976年(昭和51)の閉山まで50年以上も働いていました。全長10m47cm、軸配列は1C1で動輪上重量36トン、出力は380馬力。炭庫のくびれたラインが特徴で、そのラインが全体の姿を優雅に見せています。

1925(大正14)年 独逸 ORENSTEIN & KOPPEL社より輸入
1976(昭和51)年 8月 閉山
1977(昭和52)年 4月 直方市石炭記念館へ移設

タンク機関車(タンクきかんしゃ)とは、蒸気機関車の一種で水、石炭を機関車本体に積載する形態の機関車を指す。

タンク機関車の特長は、一部を除き小型のものが多く小回りが効く上、後部の視界も良く逆機が容易であることから路線を選ばず使用ができることである。

欠点としては、燃料積載容量が少ないことから長距離運行には適さず、また動輪上に直接水と燃料の重量がかかるため、水や燃料の残量が少なくなると軸重が落ちて牽引力が下がってしまう、などがある。よって、世界各国をはじめ日本の国鉄でも長距離輸送ではほとんど用いられなかった。

逆に都市近郊のローカル線や、短距離の私鉄路線、産業用鉄道のように、走行距離が短く石炭や水をすぐに補給できる環境では広く用いられ、また小回りが利くことを生かした構内の貨車や客車の入れ替え、大馬力を要する長大編成列車の発車の補助、故障車の牽引等にも力を発揮した。

タンク機関車と反対に、水・石炭を別の車両(炭水車)に積載する形態のものをテンダー機関車という。なお、蒸気機関車の歴史上においては、テンダー機関車であっても水タンクを設置して、その重量を粘着性能向上に活用する例が、勾配線区用の機関車を中心に見られている


オーレンシュタイン・ウント・コッペル (Orenstein & Koppel OHG) はドイツ連邦共和国の主要な製造工業会社の内の一つであり、通常 O&K と略される。日本語ではコッペルとも略される。同社は1876年4月1日、ベルリンにおいてベンノ・オーレンシュタインとアルトール・コッペルにより設立された。

創業当時は一般的な製造会社であったが、創業後の早い段階で主に鉄道車両の製造を開始した。同社はそのほかに重機とエスカレーター等を製造していた。しかし同社は1981年に鉄道事業から撤退し、1996年にはエスカレーター製造部門をフィンランドのコネ社に売却し主に建設機械製造に専念することとなったが、建設機械事業部門は最終的にフィアットグループに売却されることとなり、2006年、ベルリン工場はその歴史に幕を閉じた。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3251

Trending Articles