津駅(つえき)は、三重県津市羽所町にある、東海旅客鉄道(JR東海)・近畿日本鉄道(近鉄)・伊勢鉄道の駅である。三重県の県都の代表駅。
概要
三重県の県庁所在地・津市の中心駅である。第1回「中部の駅百選」に選定されている。
仮名・漢字表記では日本一短い駅名である。JRのカタカナ2文字の電報略号は「ツツ」。近鉄では1文字から3文字で電略を表記することから「ツ」となる。ギネス・ワールド・レコーズには「z(つ)」として、世界一短い駅名として登録する動きが1994年から1995年にかけてあったが、1文字では「z」は「ツ」とは発音しないと指摘があったため見送られた。しかし、2014年以降「プロジェクトZ」として再燃し、2016年現在登録申請に向けて準備を行っている。なお、一画で書ける駅としては世界一短い駅名である(ひらがな表記の場合)。 当駅ではICカードは近鉄のみで使用可能で、JR・伊勢鉄道では使用できない。
JR東海の駅は駅長・駅員配置駅(直営駅)であり、管理駅として津市内に位置する3駅(一身田駅・阿漕駅・高茶屋駅)を管理している。近鉄の駅にも駅長が置かれ、高田本山駅 - 桃園駅間を管理している。
乗り入れ路線
JR東海の紀勢本線、近鉄の名古屋線、伊勢鉄道の伊勢線の3路線が乗り入れ、接続駅となっている。伊勢線は当駅が終点であり、当駅の駅番号として「12」が付与されている。名古屋線の駅番号は「E39」が付与されている。
停車列車等
JR東海・伊勢鉄道
全ての列車が停車する。
特急「南紀」と快速「みえ」は全列車が、当駅を介して紀勢本線松阪方面と伊勢線の間で相互直通運転を行なっている。
当駅発着の列車は伊勢鉄道列車のみで、紀勢本線の当駅発着列車は設定されていない。
近鉄
観光特急「しまかぜ」を除く全定期旅客列車が停車する。
名阪特急と松阪方面発着列車との接続駅とされている。
日中時間帯は名阪甲特急と名伊乙特急(近鉄名古屋駅毎時50分発、五十鈴川駅毎時49分発の系統)の接続と、下り列車のみ名阪甲特急と五十鈴川行き急行(近鉄名古屋駅毎時41分発)の接続が考慮されている。
当駅を起終着とする列車には、夜間に近鉄名古屋駅から当駅終着の乙特急、早朝に当駅始発松阪行き急行が各1本設定されている。2016年ダイヤ変更までは当駅始発の大阪上本町行き乙特急が設定されていた。
駅構造
単式ホーム1面1線、島式ホーム2面4線、単式ホームの北東側を切り欠いた切欠きホーム1線、合計3面6線のホームを有する地上駅。駅舎は東西両側にあり、跨線橋で結ばれている。東側はJRが管理し、1・2番線ホームに地上改札口が、駅ビル「chum(チャム)」の2階にビル改札口がある。西側の橋上部にある改札口は近鉄が管理している。
改札口にはそれぞれの管理のもとで自動改札機が設置されており、両者で仕様が異なっている。JR全線きっぷうりばは東側のみ、近鉄特急券・定期券うりばは東側・西側双方に設置されている。ICカードは当駅から直接近鉄に乗車する場合に限って双方の自動改札で使えるが、改札内には乗り換え用のカードリーダーが設置されていない。そのため近鉄でICカードを使用した後でJR・伊勢鉄道に乗り換える際は、一旦改札を出て乗車券を買い直し、再び入り直す必要がある。
国鉄側にあった貨物側線の廃止で余剰となった土地は近鉄に譲渡され、近鉄線のホーム拡張に充てられた。近鉄のホーム有効長は8両編成分である。
のりば
JR線・伊勢鉄道線のりば
番線 路線 方向 行先 備考
1 ■伊勢鉄道伊勢線 上り 四日市・名古屋方面 普通列車のみ
2 ■JR紀勢本線 下り 松阪・伊勢市方面
3 上り 亀山・名古屋方面
ホームは2面3線。跨線橋で結ばれています。
■伊勢鉄道伊勢線 四日市・名古屋方面 快速・特急のみ
4 ■JR紀勢本線 亀山・名古屋方面 待避列車
下り 松阪・伊勢市方面
近鉄線のりば
のりば 路線 方向 行先 備考
5 E 近鉄名古屋線 下り E 伊勢中川方面 A 大阪・神戸方面
M 鳥羽・賢島方面
6 上り E 四日市・桑名・名古屋方面
1番線を伊勢線の普通列車、2 - 4番線をJR紀勢本線(伊勢鉄道経由で名古屋方面に向かう特急・快速列車含む)、5・6番線を近鉄名古屋線が使用する。2番線は単式ホームで、1番線は2番線を切り欠いた部分にあるが、これは旧・日本国有鉄道(国鉄)時代に用いられていた貨車用の側線を改造して作られた。3・4番線、5・6番線は島式となっている。なお、2番線が下り本線、3番線が上り本線、4番線が上り1番線となっている。
駅周辺
当駅は、津市の繁華街である橋内地区(丸之内や大門)から離れた橋北地区に位置し、津駅から津城までは2 km離れている。西口が「駅裏」に当たる。西部の丘陵地に三重県立美術館、三重県総合博物館や三重県総合文化センターなどを抱え、西口背後に藤堂高虎の庭園であった偕楽公園を控える。アスト津駐車場付近には、1961年に廃止された近鉄伊勢線の部田駅が存在した。
西口
三重県庁 - 津駅から最短ルートで向かうと、西口を出て坂を上り、庁舎の裏側から入ることになる。
偕楽公園
旧・国鉄から無償貸与されたD51形499号機蒸気機関車が静態保存されている。
三重県護国神社
三重県立美術館
津文化センター(学校法人大川学園)
東横イン
東口
アスト津
JA三重ビル
イオン津ショッピングセンター(旧・津サティ)
津税務署
津市立橋北中学校
津市立南立誠小学校
四天王寺
三重銀行 津支店
百五銀行 津駅前支店
第三銀行 津駅前支店
三交イン
バス路線
ロータリーは西口・東口ともに備えるが、ほとんどのバスが東口発着である(高速バスも含め)。
JR東海・伊勢鉄道
1891年(明治24年)11月4日 - 関西鉄道の駅として、津支線亀山 - 津間全通時に開業。
1893年(明治26年)12月31日 - 参宮鉄道の津 - 相可(現・多気) - 宮川間開通により、当駅に乗り入れ。
1907年(明治40年)10月1日 - 鉄道国有法により関西鉄道と参宮鉄道が国有化。
1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定。旧関西鉄道津支線及び旧参宮鉄道が参宮線となり、当駅もその所属となる。
1959年(昭和34年)7月15日 - 線路名称改定。当駅を含む参宮線亀山 - 多気間が紀勢本線に編入される。
1970年(昭和45年)12月10日 - みどりの窓口(現・JR全線きっぷうりば)設置。
1973年(昭和48年)9月1日 - 国鉄伊勢線が開業し当駅に乗り入れ。
1980年(昭和55年)8月1日 - 車扱貨物の取扱いを廃止。
1986年(昭和61年)3月3日 - 荷物の取扱いを廃止。
1987年(昭和62年)
3月27日 - 国鉄伊勢線が第三セクター伊勢鉄道に転換。
4月1日 - 国鉄分割民営化により、紀勢本線は東海旅客鉄道が継承。
2014年(平成26年)7月24日 - 駅ビルのchum(チャム)が新装開業。
近鉄
1932年(昭和7年)4月3日 - 参宮急行電鉄津線(現在の近鉄名古屋線)津新町 - 津間が開業。
1938年(昭和13年)
6月20日 - 参宮急行電鉄津線の津 - 江戸橋間が開業。
1941年(昭和16年)3月15日 - 大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併、関西急行鉄道に改称。路線名が改定され、名古屋線の所属となる。
1944年(昭和19年)6月1日 - 関西急行鉄道が南海鉄道と合併、近畿日本鉄道設立。
1992年(平成4年)3月31日 - 改良工事竣工。4月1日より駅長所在駅を津新町駅から当駅に変更。
2003年(平成15年)3月6日 - 名伊甲特急の停車駅に追加される。
2007年(平成19年)4月1日 - PiTaPa使用開始。
2012年(平成24年)3月20日 - 名阪甲特急の全列車停車駅に追加される。
津駅
つ
Tsu
三重県津市羽所町1191-1(JR東海・伊勢鉄道)
北緯34度44分2.1秒 東経136度30分38.7秒座標: 北緯34度44分2.1秒 東経136度30分38.7秒
三重県津市羽所町242(近鉄)
北緯34度44分2.3秒 東経136度30分36.8秒
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
近畿日本鉄道(近鉄)
■伊勢鉄道
電報略号 ツツ(JR東海)
ツ(近鉄)
駅構造 地上駅(一部橋上駅)
ホーム 3面6線
乗車人員
-統計年度- (JR東海)3,411人/日
(近鉄)15,861人/日
(伊勢)1,819人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1891年(明治24年)11月4日
(JR東海・伊勢鉄道)
1932年(昭和7年)4月3日(近鉄)
乗入路線 3 路線
所属路線 ■紀勢本線(JR東海)
キロ程 15.5km(亀山起点)
◄一身田 (3.4km)(3.8km) 阿漕►
所属路線 E 名古屋線(近鉄)
駅番号 E39
キロ程 66.5km(*近鉄名古屋起点)
◄E38 江戸橋 (1.2km)(2.3km) 津新町 E40►
所属路線 ■伊勢線(伊勢鉄道)
駅番号 12
キロ程 22.3km(河原田起点)
◄11 東一身田 (2.9km)
備考 共同使用駅(JR東海・近鉄の共同管理)
JR東海:駅長配置駅(管理駅)
JR東海:JR全線きっぷうりば 有
* 正式な起点は伊勢中川駅