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ペイロードフェアリング(ロケット)

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ペイロードフェアリング(英: Payload fairing)は、打上げ用ロケットを構成する重要な要素の一つで、ロケットの先端部分の部品である。ペイロードフェアリングは、ロケットの上昇中に空気力(英語版)や空力加熱(英語版)からペイロードを保護する役割を果たす。大気圏離脱後にフェアリングは分離し、ペイロードが宇宙空間に露出する。

フェアリングは、通常、空気力学的考察から円錐筒の形をしている。2つに分離するフェアリングはクラムシェル・フェアリング(clamshell fairing)と呼ばれる。ペイロードが人工衛星である場合、衛星フェアリングとも呼ばれる。ロケットの先端部分の部品であることから、ノーズフェアリングと呼称することもある。

フェアリングがペイロードだけでなく、ロケットの上段部も囲んでいる場合がある。ペイロードがブースターの中心構造とフェアリングの両方に取り付けられている場合、バフェッティングや突風による振動が原因で、ペイロードは慣性荷重と同様にフェアリングの曲げ荷重の影響を受けることがある。

966年6月、ATDA(Augmented Target Docking Adapter)がAtlas SLV-3によって軌道へ投入された。ジェミニ9-A号がATDAにドッキングするためランデブーすると、宇宙飛行士はATDAのフェアリングが分離していないことを発見した。予定されたドッキングは中止となった。
1999年、IKONOS-1衛星がAthena IIによって打ち上げられたが、フェアリングが開かず失敗した。
2009年2月24日、NASAのOCO衛星が軌道投入に失敗した。原因はトーラスXLロケットのフェアリングが分離に失敗し、フェアリングの質量が余剰となったためと推定されている。衛星は南極近海のインド洋に落下した。
同様のことが2009年8月25日韓国初となる人工衛星の打上げを行ったナロ号にも起こっている。フェアリングの片側が分離に失敗し、その結果としてSTSAT-2A衛星は予定された軌道から外れ地球に落下した。
2011年3月4日、NASAのグローリー衛星を打ち上げるときにも打ち上げ失敗が起きた。2009年のOCOの打上げ時と同様、打上げ機がリフト・オフした後、フェアリング分離に失敗し、衛星は所定の軌道に乗れなかったのである。これによってオービタル・サイエンシズ社のトーラスXLロケットは2回連続打上げ失敗となった。

製造業者
RUAG Space - チューリッヒを拠点とするスイスの会社。欧州宇宙機関と共同してアリアンロケット、ヴェガロケットのフェアリングを製造している。また、アトラス Vの5m径フェアリングの製造も行っている。
川崎重工業 - 1993年にH-IIロケットのフェアリングを納入して以降、H-II、H-IIAロケット、H-IIBロケット、イプシロンロケットのフェアリングを納入している。
スペースX - ロケットメーカがフェアリングまで製造するのは異例だが、スペースX社はファルコン9v1.1ロケットの5m径フェアリングを自社開発・製造している。

 


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