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銀河丸(独立行政法人海技教育機構)

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銀河丸 (3代目)


銀河丸(ぎんがまる)は独立行政法人海技教育機構が保有する船舶。代々襲名しており、2015年現在は3代目が就航している。

概要
東京海洋大学海洋工学部(旧東京商船大学)、神戸大学海事科学部(旧神戸商船大学)、海技大学校、商船高等専門学校及び海上技術学校の学生・生徒の航海実習訓練を目的として建造された航海練習船である。

現在運航されているのは3代目であり、2004年6月に就航した。先に就航した僚船の青雲丸をベースにしつつ、運動甲板を後部に移すなどの設計変更が加えられている。なお船名板の船名「銀河丸」と船籍名「東京」の文字は扇千景前(当時)国土交通大臣の揮毫による。

銀河丸の特徴
今後の高度海上交通システムの発展を踏まえ、それを支える船員の養成に適した環境を整える。
低公害エンジンの搭載、毒性の少ない船底塗料の採用、発生廃棄物の効率的な処理など環境へ配慮する。
航海の安全と効率化として、Integrated Bridge System、シミュレータ、ジョイスティック操船装置、高揚力舵等を導入する。また、SOLAS第5章の改正に適応した装置を装備する。
船内及び装置の一部をバリアフリー対応とし、一般公開の際の身体障がい者や高齢者の見学に対応する。
高度な情報処理システムを導入し、船内の情報を有効に活用する。

建造コンセプト
‹ 練習船としての機能の充実
*階段教室や雨天体操場等を採用
*練習船として十分な耐航性を保持
*生活環境の向上
・動揺対策
・分煙対策
・乗組員居室の完全個室化等
* 美観と品位に配慮した船型、構造

研究及びITSに対応
* 船内情報管理システムの高度化
・文書管理の効率化、
・収集データの運航や研究への有効活用
・実習生に対する教育能率、効果の向上
*ITSスペースを配置
・各種実験、研究のための器材の設置スペース
‹ 航海の安全と高度化
* 改正SOLAS条約適応
*航海の安全を向上
・高揚力、大舵角のシリング舵
・離着岸操船等を容易にするシステム操船装置

環境への配慮
地球環境への配慮は社会活動の中で大き
な課題
*低公害エンジンの搭載
*有機スズを使用しない毒性の少ない船底塗料
* 消滅式残飯処理装置で生ゴミを分解
・船外への排出をゼロ
* IMO
、MARPOL規制に対応した焼却炉
* 生活雑排水及び海水バラストタンク
・グレーウォーターの排出規制対応

開かれた練習船(バリアフリー)
・身体障害者や高齢者の車椅子での見学に配慮
*バリアフリー エレベータ
*バリアフリー 通路(見学通路の一部)
*バリアフリー トイレ
*幅広ワーフラダー(90cm)

‹外部との通信
*PHSのAir-H’’
*インマルサットBのHSD
*船舶衛星電話のDOPA
‹セキュリティ
教官系LAN回線と、基幹(一般)系LAN回線との間にファイ
アウオールを設置 実習生用LAN端末からは、教官系LANに侵入できない。

オンボード操船シミュレータ
様々な航行環境の中で船舶を繰り返し操船し、操船スキルを向上させるため、本銀河丸代船ではオンボード操船シミュレータを装備します。
本システムでは、船内LANと連接し実操船データをシミュレータに取り込むことで、実操船をシミュレータ上で再現可能となっています。

操船シミュレータ
実際に船上で搭載されている航海計器(レーダ・ARPA・ECDIS・VHF無線設備等)を操船シミュレータで使用することで航海計器取扱技術の向上も期待できます。

船内情報管理システム
本システムは、(1)航海情報(航海、機関、気象海象、タンク)、(2)運航に関わる計画(航海計画、行動計画、積付計算、その他)、(3)機器来歴管理支援、(4)船内事務(運航、訓練)及び文章管理支援、(5)乗組員・実習生編成作成及び管理支援、(6)実習支援、(7)研究支援、(8)データ収集支援の機能を持って、各機能は有機的に接続されて、システム全体が構築されています。
このような機能を持つ船内LANは、レーダARPA画面及びITV映像も配信し、更にCATV連携により船内TVでの情報を表示させるなどビジュアル化を図っています。

統合化ブリッジシステム
内航船の近代化を踏まえるとともに、航海の安全と高度化を目指して、統合化ブリッジシステム(IBS:Integrated Bridge System)も導入します。
IBS の構成要素として航海・操船機能、通信機能、機関制御機能があります。
特に操船機能に関しては、ネットワークで接続されたマルチファンクションディスプレイ(MFD:Multi Function Display)により、ARPAレーダ/電子海図表示(ECDIS)/航海情報表示(Conning Display)の切り替えが可能となっています。

訓練海域
海事法規に基づいた操船法が理解
(1) 海上交通安全法適用海域
①浦賀水道航路(中ノ瀬水道航路を含む)及び周辺
②伊良子水道航路及び周辺
③明石海峡航路及び周辺
④備讃瀬戸中央付近(瀬戸大橋付近、水島航路を1部含む)
⑤来島海峡航路及び周辺
(2) 港則法適用海域
①東京西航路(晴海専用岸壁、有明専用岸壁を含む)
②横浜港
③神戸港
④関門港(関門海峡)
(3) その他
①三河湾(操船実習実施海域を含む)
②仮想海域


練習船銀河丸(初代)は第二次世界大戦を生き延びた日本郵船の貨客船の雲仙丸(うんぜんまる)を改造し、1955年より練習船として就航しました。

雲仙丸は三菱重工業横浜船渠で建造され、本船は当初、門司 - 大連航路に就航する予定であったが、1942年10月の竣工後、船舶運営会使用船として徴用され、門司 - 上海航路で輸送任務に従事した。

1943年中頃から、新潟 - 羅津航路に転じて運航されたが、1943年10月1日、18時10分ごろ、日本海を航行中、潜水艦の襲撃を受け右舷中央部に魚雷が命中したが不発だったため、被害は機関室へのわずかな浸水のみで、本船は全速で離脱、翌朝、羅津に無事入港した。本船襲撃の4日後には、関釜連絡船崑崙丸が攻撃を受け沈没、多数の犠牲者を出した。

その後、一時的に新潟 - 樺太航路に転配され、新潟 - 羅津間の航路に復帰、敦賀 - 清津航路にも就航した。1945年6月23日、境港の港外で仮泊していた本船は、24日未明に抜錨したが直後に触雷、シャフト貫通部から浸水した。浸水は水密扉の閉鎖により食い止められ、本船は境港で乗客を下船させた後、敦賀港で貨物を揚陸、修理のため富山港の日本海船渠工業へ向かったが、回航の途中、能登半島西岸の羽咋市の砂浜に乗り揚げた。約2週間後、自力で離洲し、修理を受けた。1945年の終戦時には、敦賀 - 清津 - 羅津航路に就航していた。

終戦後は、引揚船となり、1946年12月5日、樺太からの第一陣を乗せて函館港に入港した。ナホトカ、釜山などから4航海を行い、合計4.745名が本船で帰国した。

1949年4月に徴用を解除され、1950年4月から釧路 - 東京航路に就航した。
1954年8月20日、運輸省航海訓練所の練習船銀河丸(初代)となった。
1973年1月、新設された海洋技術開発学校で係留練習船となったが、1974年5月14日、係船されていた上甑島から多度津町の宮地サルベージ多度津船舶解体場へ曳航され、その後、解体された。

独立行政法人海技教育機構(かいぎきょういくきこう、英: Japan agency of Maritime Education and Training for Seafarers)は、船員教育・養成をつかさどる国土交通省所管の独立行政法人。船員および船員になろうとする者に対し船舶の運航に関する学術及び技能を教授すること等を業務とし、教育のための施設として、全国に海技大学校(1校)、海上技術短期大学校(3校)、海上技術学校(4校)を設置、運営しているほか、帆船「日本丸」など練習船5隻を運航している。

業務の概要
船員および船員志望者に対し船舶の運航に関する学術及び技能を教授し航海訓練を行うこと。
船舶の運航に関する高度の学術及び技能ならびに航海訓練に関する研究を行うこと。

銀河丸 (3代目)
基本情報
船種 汽船
所有者 海技教育機構
建造所 三井造船千葉事業所
母港 東京港


信号符字 JFFP
経歴
進水 2003年11月12日 ( 2003年12月12日進水式)
竣工 2004年 6月15日
要目
総トン数 6,185トン
全長 116.40 m
幅 18.00 m
深さ 10.50 m


主機関 三菱7UEC43LS-IIディーゼルエンジン×1基
プロペラ 4翼CPP×1
出力 9,000PS/6,600kW
最大速力 20.5ノット
航海速力 18.62ノット
搭載人員 246名 (うち実習生180名)
積載能力 燃料1612.8キロリットル
船舶番号 137183
IMO番号 9271274


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