国鉄C11形蒸気機関車(こくてつC11がたじょうききかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が1932年(昭和7年)に設計した過熱式のタンク式蒸気機関車である。
1940年9月11日竣工として川崎車輌兵庫工場で製造された(製番2361)3次形の1両。同月中に仙台機関区に配置された。1941年(昭和16年)3月31日に尻内機関区、1943年(昭和18年)9月に早岐機関区、1949年(昭和24年)3月1日に伊万里機関区、さらに1950年(昭和25年)10月15日に熊本機関区に転属し、九州地方で使用された。本機は熊本機関区時代に三角線熊本 → 三角間でお召し列車を牽引した経歴がある。
1974年4月25日付けで休車、1974年6月12日付けで廃車となり、1977年(昭和52年)に解体される予定であったが、熊本県八代市在住の個人に買い取られ、1978年(昭和53年)より静態保存されていた。彼が復活を夢見て大切に保管していたことが、大井川鐵道の関係者の目にとまった。2001年(平成13年)6月19日に保存場所から搬出され、同月23日に海上輸送で御前崎港西埠頭に到着、翌日に大井川鐵道へ搬入された。同年8月28日より同鉄道では「C11 190復活プロジェクト」が開始され、翌月に修復作業が開始された。2003年(平成15年)5月に塗装が完了した。外装は、お召し列車牽引の功績を称え、除煙板に金色の社紋が取り付けられ、車体各所にステンレスによる縁取りがなされたお召し仕様のものになった。同年6月16日より試運転を開始、同7月17・18日に募金者対象の試乗会が実施され、翌日に営業運転を開始した。お召し仕様は、2007年(平成19年)の検査で通常の仕様に一時戻されたが、2011年(平成23年)10月7 - 9日に開催されるSLフェスタ2011および全国SLサミットに合わせて、再びお召し仕様に戻された。同鐵道が年一度に開催される夜行運転「ナイトトレイン」の初充当は2008年で、この際にヘッドライト横にシールドビームによる副灯が追加されている。その後は一時的に取り外されているが、現在副灯が追加されている状態とされている。なお、2009年9月9日に、鉄道部品店ジャパレが主催とする団体列車「銀河超特急999号」の牽引機として充当された当日は、TVアニメ版銀河鉄道999の999号を模した装飾を施して運転されている。2016年、イカロス出版「蒸気機関車EX」との大井川鐵道SL復活運転40周年記念タイアップ企画として、当機にK-7形の門鉄デフが期間限定として装着された。これは、当機が現役時代九州地区で活躍していたことにちなんでの企画だが、当機自体は門鉄デフを装着された経歴は持ってはいない。2018年現在、単機での牽引は客車4両まで(以前は5両まで)が可能である。
主要諸元
全長 - 12.650m
全高 - 3.900m
全幅 - 2.936m
重量 - 66.05t
空重量 - 51.69t