用瀬駅(もちがせえき)は、恒例行事の「用瀬流しびな」によって知名度の高い駅です。通常は特急列車は停車しない。ただし、旧暦の3月3日に行われる流しびなイベント時に一部の特急列車が臨時停車いたします。かつては急行停車駅でした。鳥取市用瀬地区の玄関駅、鳥取県鳥取市用瀬町用瀬にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)因美線の駅です。背後の山との間には千代川が流れ、駅前を通る古い街道沿いには民家や商店が建ち並んでいます。
島式ホーム1面2線を有し、列車交換が可能な地上駅。駅舎側とホームは鳥取寄りの構内踏切で連絡しています。駅舎側の1番線を上下本線、2番線を上下副本線とした一線スルーとなっており、通過列車は上下線ともその1番線を通過する。
木造駅舎が残っており、付け庇の先端には「JR」ロゴ入りの鬼瓦が鎮座しています。改札外に男女別の水洗式便所があります。駅舎内にはきっぷ売り場跡があります。JR転換後もしばらくは有人駅でしたが、信号自動化と前後して無人化(鳥取鉄道部管理の無人駅)されています。自動券売機が設置されています。
改札横には、伝統行事として知られる「流しびな」のモニュメントが設置されています。
用瀬駅プラットホーム
ホーム 路線 方向 行先 備考
1 ■因美線 下り 智頭・上郡方面 一部2番のりば
2 ■因美線 上り 鳥取方面
通過列車は上下線とも1番線を通過するが、停車列車は原則として下りが1番線、上りが2番線を使用します。ただし、下り列車であっても、通過列車と行違いを行う場合など2番線に入る場合もあります。かつては側線も設置されていたようです。
もちがせ流しびな:旧暦の三月三日、少女たちが桟俵にのせた夫婦びなに、お菓子などを添えて流し、災厄を清流に放ちます。もちがせの流しびなは一年間無病息災で幸せに生活できますようにと願う民俗行事で、県無形民俗文化財に指定されています。流しびなは昔ひな人形を人の代わりに見立て、災いをその人形(ひとがた)にうつして川や海へ流す行事が現在の流しびなの起源です。古くは平安時代から行われてきたとされるこの行事は時代とともに変化しつつ現代に受け継がれています。流しびな行事が行われる際、用瀬の町中では、その家に古くから伝わるひな人形や、ひな人形にまつわるものなどを飾り、個人の家や玄関先を開放しており、楽しみながら町歩きができます。
1919年(大正8年)12月20日 - 因美軽便線(後の因美線)鳥取駅 - 用瀬駅間開業時に設置。当初は終着駅であった。
1922年(大正11年)9月2日 - 軽便線制度廃止により、因美軽便線が因美線に改称され、当駅もその所属となる。
1923年(大正12年)6月5日 - 因美線が当駅から智頭駅まで延伸、途中駅となる。
1928年(昭和3年)3月15日 - 因美南線開業に合わせ、因美線が因美北線に改称され、当駅もその所属となる。
1932年(昭和7年)7月1日 - 当駅を含む鳥取駅 - 津山駅間全通に伴い、因美北線が現在の因美線の一部となり、当駅もその所属となる。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道に承継。
電報略号 モチ
駅構造 地上駅
ホーム 1面2線
開業年月日 1919年(大正8年)12月20日
備考 無人駅(自動券売機 有)