新尾道駅(しんおのみちえき)は、広島県尾道市栗原町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽新幹線の駅である。
概要
尾道市や近隣自治体(既に新幹線の駅がある福山市・三原市を除く)・地元尾道市民有志、さらに山陰から四国まで尾道市を中心として縦に連なる自治体の寄付金などで、工事費62億円を全額負担する形で設置された請願駅である。
山陽新幹線の建設時にも、福山 - 広島間の中間駅として当駅の設置計画は存在したが、1駅のみを設置することになっていた。三原駅への新幹線駅併設案と比べ用地買収が容易であることから当初は有力とされていたが、三原市長の長尾正三の働きかけにより三原駅周辺の用地買収の同意が取り付けられたことから、一転して三原駅に新幹線駅が併設されることとなり、当駅の設置が見送られた経緯がある。
元々、三原、尾道、福山の3市は短距離で隣接し、その中間にできた当駅は両隣との駅間は非常に短く、三原駅までわずか11km、福山駅まで17kmである(営業キロではそれぞれ11kmと20km)。これは、山陽新幹線内の駅間距離の短さで上位。福山方に尾道トンネル、三原方に備後トンネルがあり、どちらもホームからその坑口が間近に見える。
事務管コードは▲650650を使用している。
駅構造
相対式ホーム2面2線を持つ高架駅で、中央に2線の上下通過線を挟む。改札・コンコースは2階、ホームは3階にある。改札口は1ヶ所のみ。利用客用のエレベーターは設置されていないが、業務用エレベーターが上下線に各1基あり、係員に申告すれば利用可能である。
尾道駅管理の直営駅で、地区駅として駅長が配置される。
のりば
新尾道駅プラットホーム
のりば 路線 方向 行先
1 ■山陽新幹線 下り 広島・博多方面
2 上り 岡山・新大阪方面
定期列車では主には8両編成、16両編成の700系、8両編成の500系が停車するが、上り1本のひかり号と下り1本のこだま号のみ8両編成のN700系が停車する。ホームを覆う屋根は8両分のみ作られている。
駅施設
駅レンタカー
パーク&ライド駐車サービス
コインロッカー
キヨスク 営業時間:7:00~18:00
新駅ええもんや
観光案内所
おのみちみやげ 新尾道駅バスセンター
近年は1日平均の乗車人員が1,100人前後まで落ち込み、2010年度はついに3桁台に転落している。これは在来線・他の鉄道線に接続していないことや、駅の立地が尾道市中心部からは遠いこと、停車する列車のほとんどが「こだま」であり、本数も日中は毎時1本しかないことが理由である。
加えて、当駅両隣の福山駅、三原駅は山陽本線尾道駅から近距離にあり、いずれも在来線との接続がある事から、尾道市中心部から新幹線を利用する場合でも、尾道駅から在来線を利用してこの両駅を利用した方がアクセスがよい。特に福山は「のぞみ」や「さくら」も停車し、「こだま」を含め毎時3 - 5本設定されているため、最速で目的地に向かうための乗客に利用されており、その中には尾道市民も含まれている。反対に遠方から新幹線を利用して尾道市中心部へ向かう場合も同様に両駅を利用される事が多く、これら両駅の利用者の増加と相反して、当駅の利用者が減少している事も理由である。2017年現在では山陽新幹線の駅では新岩国駅に次いで少ない。
駅の現状
請願駅であるが、利用客が少ない。そのため、請願駅として計画されている新駅整備に反対する住民からしばしば「請願駅の失敗例」として引き合いに出されている。当駅は在来線との接続もなければ、両隣の駅との距離がそれ程離れている訳でもないため、他の利用者の少ない駅よりもさらに厳しい見方をされている。特に「他の都道府県の駅と比べても広島県に新幹線の駅5つは多すぎで、その中でも新尾道駅の建設基準は採算性、利用率、距離のいずれを比較しても甘すぎではないか」という声が他の自治体から挙がっている。
また請願駅であるため、毎年かかる費用の大半は尾道市の税金で賄われている。そのため、尾道市民も決して当駅に対して賛同ばかりではなく、「請願駅失敗例の引き合いは、尾道市の評判を落とす」や、「税金の無駄遣い」などの反対派の意見もある。また、設立当初は賛同であった四国などの近隣都市の住民も、近年はしまなみ海道などの開通に伴い、尾道と四国を結ぶフェリーや高速船の廃止などで状況が変化し、当駅利用の必要性が薄くなっていることも現状である。こうした事から当駅の存在意義が問われている。
2019年3月16日現在、「ひかり」は朝の上り2本、夜の下り1本が停車する。
駅周辺
トヨタレンタリース新尾道駅前店
タイムズカーレンタル新尾道駅前店
尾道警察署 栗原交番
広島県立尾道特別支援学校
尾道市立栗原北幼稚園
尾道市立栗原北小学校
広島県立びんご運動公園
ピザロイヤルハット新尾道店
MATE栗原店
TSUTAYA尾道店
万惣尾道店
しまなみ信用金庫栗原支店
尾道亀川郵便局
広島銀行尾道栗原支店
国道184号
国道2号(尾道バイパス)
三美園団地
竹屋団地
松岡団地
ジャンク堂尾道店
バス路線
山陽本線尾道駅への所要時間は、バスで15分 - 20分程度(おのみちバス・中国バスが運行)。また、当駅設置前の1964年(昭和39年)までこの付近には、尾道鉄道の栗原駅があった。
一般路線バス
■ おのみちバス
■ 中国バス
都市間高速バス
のりば 路線名 運行会社 行先・方面など 備考
2 しまなみサイクルエクスプレス おのみちバス 今治駅前・今治桟橋 土日祝のみ運行
キララエクスプレス 中国バス・本四バス開発・瀬戸内しまなみリーディング・伊予鉄バス 松山駅・松山市駅
「クロスウェイエクスプレス」(福山・尾道 - 松江・米子線)は2016年11月13日をもって廃止された。
「エアポートバス」(尾道 - 広島空港線)は2019年1月6日をもって廃止された。
歴史
1988年(昭和63年)3月13日 - 山陽新幹線の福山駅 - 三原駅間に新設開業。
同日に新富士駅・掛川駅・三河安城駅(以上東海道新幹線)と東広島駅(山陽新幹線)が開業している。
1997年(平成9年)11月29日 - ダイヤ改正により「ひかり」の停車が廃止され、「こだま」のみの停車となる。
2005年(平成17年)2月25日 - 自動改札機を導入。
2008年(平成20年)3月15日 - 「ひかり」の停車が復活(1日上り2本のみ)。
該当列車は、三原発ひかり462号東京行き(途中、三原 - 名古屋間は各駅に停車し、名古屋から先は小田原、新横浜、品川に停車)と、広島発ひかり540号レールスター新大阪行き(途中、広島 - 岡山間各駅停車、岡山から先は姫路、新神戸に停車)。
2009年(平成21年)3月14日 - 「ひかり」下りも1本復活。
該当列車は、新大阪発ひかり589号レールスター広島行き(途中、新神戸、姫路に停車し、岡山 - 広島間は各駅停車)。(後に583号に変更。N700系で運行する。)
2012年(平成24年)3月17日 - 当駅に停車する「ひかり」が朝方の上り2本のみとなる。
新尾道駅しんおのみち
Shin-Onomichi
◄福山 (20.1km)(11.5km) 三原►
所在地 広島県尾道市栗原町9381-4
北緯34度25分48.3秒
東経133度11分25.2秒
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 山陽新幹線
キロ程 258.7km(新大阪起点)
東京から811.3km
電報略号 シオ
駅構造 高架駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度- 1,066人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1988年(昭和63年)3月13日
備考 直営駅
みどりの窓口 有