鳳駅(おおとりえき)は、大阪府堺市西区鳳東町一丁にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)阪和線の駅である。
堺市西区の中心駅で、吹田総合車両所日根野支所鳳派出所(2012年5月31日までは日根野電車区鳳派出所、その前は車両基地としての鳳電車区であった)および乗務員区所としての鳳電車区も併設されており、阪和線における拠点駅の一つである。鳳派出所は現在でも留置線として使用され、夜間滞泊運用があるため、当駅が始発・終点となる列車が終日設定されている。2011年3月11日までの日中には当駅が始発・終点となる列車はなく早朝・朝ラッシュ時、および夜間にのみ設定されていた。
当駅は阪和線の本線と、東羽衣駅への阪和線支線との分岐駅となっている。この支線も正式には阪和線の一部であるため、線路名称上では当駅は阪和線単独駅である。駅番号については本線部のみが対象となっており、JR-R33が付与されている。しかし、路線案内上では本線部分のみを「阪和線」、東羽衣支線を「羽衣線」と表記している。以下では本項でもこの形式に従う。
当駅で最高速度が切り替わる。天王寺駅から当駅までの制限速度が95 km/h、当駅から和歌山方面が120 km/hである。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、計3面5線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有する。出入口は東口・西口の2か所がある。有効長は、本線部は8両編成分、羽衣線5番のりばは4両編成分。くろしお号の一部の電車が停車していた頃は9両編成も含まれていたが、9号車天王寺寄りと、1号車和歌山寄りには扉はなく、有効長内に客用扉が収まっていたため、扉カットは実施しなかった。改札口は1ヶ所のみ。駅コンコースは自由通路を兼ね、東口・西口ともにエレベーターを設置。東羽衣方面のホームはややカーブしており、かつて6番のりばだった部分は線路が撤去され柵で仕切られた。なお、5番のりばの天王寺寄りには、本線への渡り線と安全側線が設置されていたが、4両化工事に伴い安全側線が撤去された。
駅舎のバリアフリー対応は2008年3月竣工。エレベーターが各ホームに1機ずつ。エスカレーターは、和歌山・関西空港方面(1番のりば・2番のりば)ホームおよび天王寺・大阪方面(3番のりば・4番のりば)ホームに上りと下りの2本ずつ、羽衣線ホームは上り1本のみ。
2013年9月に阪和線の運行管理システムが更新されたのに伴い、ホームやコンコースに設置されている電光掲示板の表示が一新された。
駅長が配置された直営駅であり、管理駅として百舌鳥駅・上野芝駅・津久野駅・富木駅・東羽衣駅の5駅を管轄している。みどりの券売機・定期券自動発行機が設置されている。ICカード「ICOCA」を利用することができる(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。駅構内には、コンビニエンスストアのセブンイレブンハート・イン、うどん店の「麺家」、紀陽銀行ATMなどがある。
のりば
のりば 路線 方向 行先 備考
1・2 R 阪和線 下り 熊取・関西空港・和歌山方面
3・4 上り 天王寺・大阪方面 一部1番のりば
5 ■羽衣線 東羽衣行き
駅掲示時刻表の路線名は、和歌山方面・天王寺方面は「阪和線・関西空港線」、東羽衣方面は「羽衣線」となっている。
朝4時台の天王寺方面行き普通電車は1番のりばを使用する。
列車の運行障害時に折り返し運転が行えるように、2013年12月に列車折り返し設備が増設された。
ダイヤ
阪和線の下り本線は2番のりば、上り本線は4番のりばとなっている。1番のりばと3番のりばは待避列車の発着に使用されることが多いが、運用が固定されているわけではない。
当駅では、日中以外の時間帯に快速と普通の緩急接続が行われている。ラッシュ時には普通が上野芝駅で快速・特急の通過待ちを行い、追い抜いた快速列車が普通の接続待ちを行う設定がある。
下り和歌山・関西空港方面のラッシュ時に、先着した普通を2番のりばに入れて後続の快速が1番のりばから発車する設定や、普通電車で交互着発のために1番のりばを使用することがある。
天王寺方面から当駅止まりの電車はそのほとんどが1・2番のりばに到着するが、直接折り返して天王寺行きとなる電車は3番のりばに直接入る。この場合で当駅より先に向かう場合は、隣のホームに移動する必要がある。
日中11~15時台の天王寺駅発着の普通は当駅で折り返すため、この時間帯の当駅 - 熊取駅間の各駅は、日根野駅発着の区間快速が停車する。
駅周辺
古くから大鳥大社の鳥居前町として、明治以降は泉北郡の行政の中心地として熊野街道(小栗街道)に沿って発展してきた。現在も街の中心は駅に近い小栗街道沿いの鳳本通商店街(約70店舗)付近のエリアである。しかし、小栗街道はほとんどが旧来の狭い道で、路線バスは通っていない。小栗街道のバイパスとして大阪府道30号大阪和泉泉南線が東側を併走しているが、鳳駅は小栗街道の西側に位置しており、路線バスの乗り入れができない状態が長らく続いていた。
2008年3月に東急車輛製造大阪製作所跡地にアリオ鳳がオープンし、大阪和泉泉南線鳳駅下り交差点から鳳駅前を経由してアリオ鳳を結ぶ道路(鳳上線)を18m幅へ拡幅し、4400㎡の駅前広場を整備した上で、西区役所前から鳳駅前へバスターミナルを移転させる再開発事業が始まり、2019年9月23日より駅前(東口)に路線バスが乗り入れるようになった。
1929年(昭和4年)7月18日 - 阪和電気鉄道が阪和天王寺駅(現在の天王寺駅) - 和泉府中駅間および当駅 - 阪和浜寺駅(現在の東羽衣駅)間開業時に、その本線と支線の接続駅として設置。
1933年(昭和8年)
9月1日 - 車庫洗車台増築願届出。
10月26日 - 留置線増強願届出。
1935年(昭和10年)3月12日 - 機関庫増築願届出。
1937年(昭和12年)上半期 - ホーム延長。
1939年(昭和14年)上半期 - 当駅付近への梅鉢車両の工場移転に伴う側線延長。
1940年(昭和15年)12月1日 - 吸収合併により、南海鉄道山手線の駅となる。
1944年(昭和19年)5月1日 - 戦時買収により国有化され、運輸通信省(国鉄)阪和線の駅となる。
1985年(昭和60年)9月13日 - 橋上駅となる。
1986年(昭和61年)11月1日 - 特急「くろしお」の停車駅となる。
1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
1988年(昭和63年)9月9日 - ハート・インが営業を開始する。
1993年(平成5年)7月1日 - 阪和線運行管理システム(初代)導入。
2002年(平成14年)- 6番線を廃止。
2003年(平成15年)11月1日 - ICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
2010年(平成22年)3月13日 - 「くろしお」「スーパーくろしお」の停車が取りやめとなる。
2011年(平成23年)3月12日 - ダイヤ改正により日中時間帯の普通は天王寺駅 - 当駅間での運転となり、当駅 - 日根野駅間は区間快速に置き換わる形で廃止される。
2013年(平成25年)9月28日 - 阪和線運行管理システムを2代目のものに更新。
2018年(平成30年)3月17日 - 駅ナンバリングが導入され、使用を開始。
2019年(令和元年)9月23日 - 駅前バスターミナル供用開始。これに伴い旧「鳳駅前」停留所は「西堺警察署前」に改称。
鳳駅
おおとり
Ōtori
所在地 堺市西区鳳東町一丁125
北緯34度31分55.67秒 東経135度27分31.91秒
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
電報略号 オト
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 3面5線
乗車人員
-統計年度- 18,669人/日(降車客含まず)
-2017年-
開業年月日 1929年(昭和4年)7月18日[1]
乗入路線 2 路線
所属路線 R 阪和線
駅番号 JR-R33
キロ程 15.1km(天王寺起点)
◄JR-R32 津久野 (1.4km)(1.2km) 富木 JR-R34►
所属路線 ■阪和線支線(羽衣線)
キロ程 0.0km(鳳起点)
(1.7km) 東羽衣►
備考 直営駅(管理駅)
みどりの窓口 有