消防指揮車(指令車)日産・キャラバン(4代目)E25型
指揮車は災害活動の現場で指揮を執る「大隊長(=消防署長・消防分署長)」と麾下の、伝令や通信係、情報整理担当など5人~3人で1個隊が編成される「指揮隊」が搭乗する車両で、各消防署の指揮隊によって運用されている。関係機関や現場で活動中の各中隊小隊と情報交換ができるように、電話(自動車電話)・ファクシミリ・使用している全ての消防無線を送受信できる無線機などの通信機器、住宅地図帳、作戦図板になる折り畳み式テーブルを搭載している。大型の車両では“移動通信指令室”といえるような物もある(東京消防庁本庁警防部に所属する「本部指揮隊車」、及び同庁第8消防方面本部保有の「移動無線電話車」。実際に、無線端末5台を組み込んだ指令卓が搭載されている)。また、車両によっては大型のLEDボードや幕、サイドオーニング(収納式テント)を装備している。活動中は「現場指揮本部」・「現場本部」の幟を立てて目印とする。1BOXタイプの車両については、東京消防庁では「救助先行車」と呼称していた。
他の車両では各小隊長は助手席に乗るが、指揮車に限り大隊長は、現場に着いたら真っ先に飛び降りて現場本部立ち上げと指揮にかかるため、後部左側、ドアの前の席(全体の一番外側)に座って出動する。
平成17年、消防庁の消防力整備指針により、消防本部・消防署の指揮隊・指揮車の配備基準が定められた。
出動と同時に現場の詳細、出動隊の状態など多くの情報を取り入れる指揮隊は、「原因調査車」の行う役割と近いものがある。このため、本部によっては、指揮隊のメンバーに調査部門の職員を加え、「原因調査車」と兼用していることがある。そのような車両は、スモークガラス、調査資機材などを装備している。ワンボックスカーが多い。
「指揮車」「指令車」の違いは各消防本部によって委ねられている。大規模な消防本部では「指揮車」、指揮隊が存在しない小規模な消防本部及び消防団で使用される車輌には「指令車」と呼ばれることが多い。 「指揮車」「指令車」の両方が存在する消防本部では、指揮隊が使用する車両を指揮車、署長や当務責任者(当直司令)が現場に赴く際の車両を指令車としているようである。
日産・キャラバン(4代目)
E25型
4代目(E25型 2001年-2012年)
2001年(平成13年)4月26日
E25型発表。バン(1・4・8ナンバー)およびマイクロバス(2ナンバー)のみとなり、ロングボディとスーパーロングボディを設定。クラッシャブルゾーンを確保しつつも、ロングボディは4ナンバーサイズ(全長4.7 m以下)に収められている。搭載するエンジンは全て直列4気筒DOHCのKA24DE型、KA20DE型、およびZD30DD型直噴ディーゼルの3機種。当初GXとDXのエアバッグはオプション設定だったが後に標準装備となる。
AT車は全車コラムシフト、MT車は全車フロアシフトの設定。(コラムシフト車の設定は、先々代のE23型以来である)
クラッシャブルゾーンを確保した関係から、荷室長が先代比200mm減の2,800mm[3]となり、マイクロバスの乗車定員も12人へ減少した。
2001年(平成13年)5月14日
E25型発売。いすゞへのOEMモデルは「いすゞ・コモ」に名称変更。
2001年(平成13年)10月25日
サッカー日本代表チームのユニフォームと同じジャパンブルーの車体色、「Japan national team」のステッカー等を装備した限定車「サッカー日本代表モデル」を50台限定で発売。
2001年(平成13年)11月20日
「10人乗りコーチ」(3ナンバー)追加。搭載するエンジンはKA24DE型。オーテックジャパンの手による「ジャンボタクシー」を設定。
2002年(平成14年)1月
オーテックジャパンの手による5ナンバーサイズの幼児通園専用車を設定。
2002年(平成14年)9月30日
2WDのオートマチック全車に、ZD30DDTi型直噴ディーゼルターボエンジン搭載車を追加。4WD車はオーテックジャパンの手により設定。ハイエースが100系中期以降(1993年8月)から既にフルタイム式を採用している一方、先代同様にパートタイム式を用いている。ZD30DDTi搭載車は、エンブレムの表記が以前の「3.0Di」から、「3.0Di INTERCOOLER」に変更。
2002年(平成14年)10月
第36回東京モーターショー(商用車)に「キャラバンデリバリーバージョン」、および「キャラバンCNG車」を出品。
2003年(平成15年)5月20日
マイナーチェンジ。内外装を一部変更、仕様・装備を見直した他、8人乗りコーチ(乗用モデル)のシルクロードを追加。シルクロードは8年振りの復活である。
2003年(平成15年)7月11日
日産車体により、子会社であるオートワークス京都が販売している「キャラバン救急車」をベースとするSARS(重症急性呼吸器症候群)患者対応救急車を京都府に寄贈。
2003年(平成15年)10月2日
オーテックジャパンの手により、バンにCNG車(圧縮天然ガス自動車)を設定。E24型のCNG車に対し、ガスタンクを小径とし、床下に複数搭載する方法に変更している。エンジンはKA20DE型をベースとしている。
2004年(平成16年)8月20日
一部改良。ディーゼルエンジンをZD30DDTi型のみとして出力向上。バンGXの内外装デザインを変更し、5ドア車を追加設定。
2004年(平成16年)10月
第38回東京モーターショー(商用車)に「キャラバン ボックス イン ボックス」を出展。
2005年(平成17年)12月26日
マイナーチェンジ。フロントグリル、フロントバンパー、ヘッドランプのデザインを変更し、フロント部分のデザインを一新。同時にヘッドライトレベライザーを全車に標準装備した。
2007年(平成19年)8月31日
一部改良。ディーゼルエンジン搭載車の新長期排ガス規制適合に加え、ガソリンエンジン搭載車のエンジンをQR型に変更、5速オートマチック車の採用(ガソリン車)が行われた。タコメーターが全車標準装備となる。
2007年(平成19年)11月
特別仕様車「スーパーGX」を設定。シルクロード同様の分割スライドとリクライニングを採用したセカンドシート、カプロン加工等を装備。パーソナルユーズを意識したグレードとなった。
2009年(平成21年)1月28日
仕様向上。特別仕様車として発売されていた「スーパーGX」をカタログモデルに昇格し、「スーパーDX」を廃止。外装面では「DX」にカラードバンパーとフルホイールカバーを、バンとコーチの「GX」にカラードフィニッシャーをそれぞれ標準装備化し、「GX」と「スーパーGX」専用ボディカラーを追加。さらに、バン全車にはハイマウントストップランプを追加すると共に、バン「DX」は助手席SRSエアバッグシステムも標準装備化された。尚、これを機にシルクロードは廃止された。
2009年(平成21年)12月22日
特別仕様車「DX V-Limited」を設定(2010年1月15日発売)。バン「DX」をベースに、フロントグリル・バックドアアウターハンドル・電動格納式リモコン広角ミラーなどにメッキパーツを採用し、力強いエクステリアを採用すると共に、内装にもフロント・セカンドシートにスエード調トリコット生地を採用して質感を向上すると共に、助手席パワーウィンドウ、プライバシーガラスなどを装備し、機能性を高めた。2010年3月までの期間限定販売。ボディカラーは専用色の「ミスティックブラック」を含む4色を設定した。
2010年(平成22年)8月30日
仕様向上。バン「DX」の2列目シート機構を見直し、2列目シート乗車時でも6尺合板の積載を可能とした他、バン「GX」・「スーパーGX」のインパネをシルバー塗装に統一するなどの変更を行った。また、バンのQR20DE型エンジン搭載車は「平成27年度燃費基準」を達成したことで、環境対応車普及促進税制に適合した。同時にオーテックジャパン扱いの福祉車両「ライフケアビークル」にはコーチをベースに電動式スライドステップや乗降用大型手すり等を装備した「アンシャンテ 送迎タイプ」を新たに設定。「チェアキャブ」は車いす固定フックの形状を変更し、使い勝手を向上した。
2010年(平成22年)12月24日
新たに「ポスト新長期規制」に対応したZD30DDTi型ディーゼルエンジン車を追加。合わせて、2010年1月に発売した特別仕様車「DX V-Limited」のバージョンアップ仕様である「DX V Limited II」を発売。基本的な装備内容は「DX V-Limited」と同等だが、ボディカラーに専用色の「ディープカシス」を追加した。
2012年 (平成24年) 6月
NV350キャラバンに改名した5代目と入れ替わって生産・販売終了。
4代目(E25型 2001年-2012年)
日産・キャラバン(4代目)
E25型
前期型(2001年5月-2005年12月)
2001-2005 NISSAN CARAVAN.jpg
前期型リア
2001-2005 NISSAN CARAVAN rear.jpg
後期型(2005年12月-2012年6月)
NISSAN CARAVAN.jpg
販売期間 2001年-2012年
乗車定員 2 - 12人
ボディタイプ 4/5ドアキャブオーバー
エンジン 直4 2.4L KA24DE
直4 2L KA20DE
直4 2L QR20DE
直4 2.5L QR25DE
4気筒 3L ZD30DD/ZD30DDTi
エンジン位置 フロント
駆動方式 後輪駆動 / 四輪駆動
変速機 5MT/5AT(5E-ATx)/4AT(E-ATx)
サスペンション 前: ダブルウィッシュボーン
後: リジッドリーフ式
全長 4,690mm(前期型ロング)
4,695mm(後期型ロング)
4,990mm
(前期型スーパーロング)
4,995mm
(後期型スーパーロング)
全幅 1,690mm
全高 1,990mm(標準ルーフ)
2,285mm(ハイルーフ)
ホイールベース 2,415/2,715mm
別名 日産・アーバン