神戸電鉄6500系電車(こうべでんてつ6500けいでんしゃ)は、2016年に登場した神戸電鉄(神鉄)の通勤形電車。
2010年の6000系以来の新型車両である。2015年6月9日に導入を発表し、2016年5月21日より営業運転を開始した。製造は川崎重工業で、2010年の6000系以来の導入となる。
既存車両の1000系列を置き換えていく(実際は一部の3000系も置き換えている)。全密閉型高効率主電動機や最新のフルSiC-MOSFET素子を使用したVVVFインバータ制御装置の採用、すべての照明設備のLED化などにより、消費電力は1000系と比べ約60%低減された。
座席に大型袖仕切りを採用し、座席間の仕切板にスタンションポールが併設されている。登場時期が近い阪神5700系電車やJR西日本323系電車でも見られる座席構造である。
車体・車内
外観は6000系を踏襲し、ステンレス車体で片側3扉とした。構体と台枠はステンレスであるが、先頭車の前頭部は普通鋼を使用している。
編成定員は354名、うち座席定員は117名である。座席に大型袖仕切りを採用し、急ブレーキや衝突時の乗客の保護を高めている。座席間の仕切板にはスタンションポールが新設され、高齢者の座席からの立ち上がりの負担軽減などが配慮されている。つり革は従来の高・低の2段に加え、更に低い段を追加した3段階で設置された。
主幹制御器は従来のツーハンドル式を採用、ワンマン運転を考慮した機器配置となっている。
台車は従来車と同様、軸梁式でダイレクトマウント構造の空気ばね方式とし、駆動方式はWN継手によるカルダン駆動方式を採用した。
制御装置は、SiC適用のMOSFET素子による2レベルVVVFインバータ制御装置(三菱電機製)の採用で省エネルギーを図り、1C4M方式のユニットを両先頭車に搭載する。主電動機は定格出力140kWの全密閉かご形三相誘導電動機を採用、高効率化による電力損失の低減や低騒音化、保守性の向上が図られた。
車内案内表示器は扉上に1両あたり3箇所を千鳥配置、32インチハーフサイズの大型ディスプレイの採用により視認性の向上を図っている。停車駅や扉の開く方向の案内のほか、駅間では2画面に分割して旅客案内と映像の再生を行う。インバウンド対応として日本語・英語・中国語・韓国語の4ヶ国語で表記される。
車内灯は色温度5000ケルビンのLED灯を採用、前照灯もLED灯を採用して視認性向上と長寿命化を図った。標識灯、計器灯も含む全ての照明設備がLED灯となり、消費電力が削減されている。
これらの環境面が配慮された機器類の採用によって、消費電力は抵抗制御の1000系と比べ約60%低減された。
車種構成
Mc-T-Mcの3両編成で、Mc車は6500形、T車が6600形である。6500形にVVVFインバータ・電動空気圧縮機 (CP)が、6600形には静止形インバータ (SIV)が搭載されている。パンタグラフは電動車の連結部寄りに付けられている。
6000系がオールM車の4両編成であったのに対し、本系列は中間にT車を配した3両編成で、有馬方から cM1-T-Mc2 の順に編成される。
2019年2月時点で6編成が在籍している。
6500形制御電動車に三菱電機製のVVVFインバータ・電動空気圧縮機 (CP)が、6600形付随車 (M'c・M') には静止形インバータ (SIV)が搭載されている。パンタグラフ (PT) は電動車の連結部寄りに付けられている。
神戸電鉄6500系電車
基本情報
運用者 神戸電鉄
製造所 川崎重工業
製造年 2016年 -
運用開始 2016年5月21日
主要諸元
編成 3両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
(架空電車線方式)
最高運転速度 80 km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.3 km/h/s
編成定員 354名
全長 18,290 mm (先頭車)
18,140 mm
全幅 2,700 mm
全高 4,030 mm
車体 ステンレス
主電動機 全閉式かご形三相誘導電動機
主電動機出力 140 kW × 4個
編成出力 1,120 kW
制御方式 フルSiC-MOSFET素子VVVFインバータ制御
制動装置 MBSA形電気指令式電磁直通ブレーキ(電力回生・発電ブレーキ付き)・保安ブレーキ
保安装置 神鉄形ATS 防護無線