主として普通科部隊に装備し、分隊(班)の支援火器として使用する機関銃。主力小銃が89式小銃に更新されたのにともない、弾薬の共通化を図るとともに近接戦闘火力の増強のために、62式機関銃の更新用として1995年から装備が開始された。ベルギーのFN社が開発したM249「MINIMI」を住友重機械工業がライセンス生産しているもので、従来の軽機関銃より軽量で、携行も容易になっている。
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通常、リンクベルト給弾および専用の箱型弾倉(200発入り)から給弾されるが、場合によっては89式小銃の弾倉も使用可能である。発射速度は標準(750発/分)と最大(1,000発/分)の2段階に切替ができる。また、下部被筒の下に収容可能な二脚架を展張して射撃ができるほか、アダプタを介した三脚架での射撃が可能となっており、車載も容易である。
陸上自衛隊では2009年度までに4000丁以上が調達されている。
住友重機械工業がライセンス生産を行い、「5.56mm機関銃MINIMI」の名称で自衛隊が採用している。陸上自衛隊では62式7.62mm機関銃の後継として1993年度予算から調達を開始し、2017年度予算までに4,922丁を調達している。調達価格は約200万円。
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陸上自衛隊だけではなく、航空自衛隊では基地警備隊やUH-60Jの自衛用火器として、海上自衛隊では護衛艦の搭載火器として調達されている。
ライセンス生産されたMINIMIは、専用のアタッチメントで62式の三脚が装着可能で、精密な射撃を要求される際に使用される。さらに長距離の射撃の際には「直接照準眼鏡」(スコープ)を装着する場合もある。また、微光暗視装置を装着する例もある。
自衛隊が採用したのは金属チューブ製の銃床を備えるいわゆるスタンダード型で、銃身交換レバーの形状が異なるなど、独自の改良が施されている。銃本体側面に「5.56mm機関銃MINIMI」との刻印が入る。銃身上部に独自のヒートカバー(上部被筒)が取り付けられているのが外見上の特徴。このカバーはアメリカ軍と同様に採用後に装備されるようになった後付け品であるが、中央の列の放熱口が7つ(従来品は8つ)に減少しているなど、形状が異なる。また、STANAG マガジン用の装填の弾倉止めは、空包による射撃訓練ができなくなるために使用されていない。
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2013年12月18日、防衛省は過去数十年間に渡り検査データを改ざんし、要求性能に満たない機関銃を防衛省に納入したとして、製造元の住友重機械工業を5ヶ月間の指名停止処分にしたと発表した。改ざんは1979年以降、少なくとも5,350挺、12.7mm重機関銃、7.62mm機関銃、5.56mm機関銃の3種類が納入されたとされる。このデータ改ざんが発覚する以前から、現場の隊員においては住友重機械工業製のMINIMIは低性能であると認識されていたという。
口径 5.56mm
全長 約1,040mm
重量 約7.01kg
発射速度 750~1,000発/分
給弾方式 弾倉、ベルト
製作 住友重機械工業
ミニミ軽機関銃(MINIMI Light Machine Gun)は、ベルギーの国営銃器メーカー、FNハースタル社が開発した、5.56x45mm NATO弾を使用する軽機関銃である。
ミニミ(MINIMI)とは、フランス語で「小型機関銃」を意味する「MINI Mitrailleuse」ミニ・ミトラィユーズ)を略したものである。
同社のFN MAGを元に軽量化し、また軽量な小口径弾を採用することにより機関銃手一人当たりの携行弾数を増加させる事に成功した。日本やアメリカでは分隊単位に配備され、火力支援に使用される。弾帯のほか、小銃用のSTANAG マガジンでも給弾を行えるが、装弾不良が起こりやすいために推奨されていない。冷却は空冷式で、銃身交換も容易である。
二脚(バイポッド)が標準装備されており、簡単に携行できる分隊支援火器(Squad Automatic Weapon, SAW)として使用されるほか、アメリカ陸軍や陸上自衛隊では三脚を付けて使用することもある。世界各国の軍隊によって使用されており、ソマリアやイラクにおける各種作戦でも信頼度と射撃性能について優れた評価を受けている。
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特徴
分隊の支援火器として、また、歩兵と同じ弾薬を共用できる軽機関銃として設計された。このことから、M27弾帯からの給弾のほか、M16や89式5.56mm小銃をはじめ、NATO加盟国を含み広く採用されているSTANAG マガジンを装填しての射撃が可能となっている。切り替えの際に特別な操作は不要で、弾倉を装填するだけで使用できる。ただし、装弾不良が起こりやすいため、多くの国では弾帯が不足した際の緊急対処としてのみ、これを行わせている。STANAG マガジン用の装填口には、ダストカバーを兼ねた弾倉止めが備わる。
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銃弾の薬室への装填は、ベルト給弾方式の場合は引き金を引くと同時に遊底が前進し、それに合わせるように装填機能により給弾が開始されベルトリンクから弾が1発ずつ押し出され薬室に押し込まれ、遊底で固定され遊底内にセットされた撃針が雷管を叩いて銃弾が発射される。弾倉方式の場合は遊底部分が直接弾を押し出し、薬室に装填される。
斜めに固定されたキャリングハンドルは、銃本体の運搬のみならず、銃身交換の際にも用いられる。このハンドルによって、射撃直後の銃身が熱せられた状態でも耐熱手袋などを必要とせずに交換が可能となった。銃身は交換レバーを押し下げ、銃身を前方へ引き抜く動作のみで外すことができる。ハンドルの角度は、射手が右手でハンドルを握って銃を持ち上げた場合に、銃本体や弾薬ケースが射手の体に当たりにくいよう配慮されている。
リアサイトにはつまみが二つ付いており、前部のつまみを回すと左右に、後部のつまみを回すと上下にそれぞれ照門が移動する。
銃把(グリップ)上部に押しボタン式の安全装置が備わる。右側に押し出す(左側から押す)と安全装置がかかり、左側に押し出す(右側から押す)と解除となる。射撃は連発(フルオート)のみ。
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二脚を標準装備し、長さ調節は三段階。下部被筒内部には専用の手入れブラシや分解のための工具が収められている。
アメリカ軍やカナダ軍ではピカティニー・レールを装備し、Elcan社M145やACOGなどの倍率付きスコープ、エイムポイント社やEOtech社の光学照準器を標準的に装着している。また、日本の陸上自衛隊でもフィードカバー上部に固定式のマウントベースを装着し、専用の直接照準眼鏡(スコープ)を搭載する場合がある。
なお、全てのM249にはMILES(レーザー戦闘シミュレーションシステム)用のレーザー装備を取り付けることができる。また、サードパーティー製のサプレッサーを取り付けることもでき、ジェムテック(Gemtech)製のものはNATO標準のフラッシュハイダーに取り付けられるように設計されている。しかし、実際にこれを取り付けると持続射撃でサプレッサーがオーバーヒートを起こすため、あまり取り入れられてはいないようである。
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