樽見鉄道株式会社は、岐阜県で旧国鉄特定地方交通線転換線及び旧日本鉄道建設公団建設線から成る鉄道路線(樽見線)を運営している、西濃鉄道・住友大阪セメントおよび沿線自治体などが出資する第三セクター方式の鉄道会社です。本社は岐阜県本巣市に所在します。
第三セクター会社ではあるが、住友大阪セメント岐阜工場の製品輸送を行っていたことから、西濃鉄道・住友大阪セメントが2社あわせて出資比率7割を超える大株主となっている。収入もかつては貨物輸送が大きなウェイトを占めていたことから、初代の林社長は株式会社としての矜持を保つ意味で、いずれは配当を出すことを社是としていた。
しかし2004年に住友大阪セメントは鉄道利用を2005年度末で打ち切ることを表明し、2006年3月28日限りでセメント輸送列車の運行を終了した。終了後の経営は非常に厳しく、2005年度より沿線5市町から年間1億円前後の財政支援を受け、収支改善計画に取り組んでいるが最終赤字が続き、財政支援の打ち切りも検討されているなど、路線の廃止が危惧される状況であったが、その後は経常赤字の縮小、最終損益の黒字化が評価され、2013年時点では支援が継続されている。
その一方で「薬草列車」や「しし鍋列車」などのイベント列車を運行したり、ショッピングセンターの最寄駅となるモレラ岐阜駅を開設するなど、収入増を図っている。
本鉄道の特徴としては、朝ラッシュ時用および淡墨桜花見列車用の客車を保有していたことがあげられる。客車は国鉄やJRから払い下げられたもので、貨物用として保有するディーゼル機関車によって牽引されていた。
機関車を必要とするなど運用に手間がかかる客車を、イベント用や観光用ではなく定期列車、それも運賃以外を必要としない普通列車で運用するのは旧国鉄の特定地方交通線を転換した第三セクター鉄道としてはきわめて異例であった。
2006年に客車列車は廃止されている(イベント用としてはわたらせ渓谷鐵道や真岡鐵道が客車を有している。また大井川鐵道井川線では客車普通列車が定期運転されている)。
気動車形式の「ハイモ」とは、ハイスピードモーターカーを意味し、これに機関出力値を組み合わせている。
ハイモ330-700形(701)
2010年、新潟トランシス製のNDCで、車体は18m級。側窓は安全上の理由からすべて固定式となった。老朽化したハイモ230-312置き換えのために導入されたものである。2010年12月に入線して、25日に公式試運転を行い、2011年2月から営業運転を開始した。なお、ブレーキ方式が他車と異なる電気指令式のため、車両を増結しての運転は行えず、必ず単独で運用されている。