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鉄道車両検査

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鉄道車両検査(にほんのてつどうしゃりょうけんさ)では、日本の鉄道事業者が運行する鉄道車両の運行中の事故・故障等を未然に防ぐために実施する検査。

国土交通省告示「施設及び車両の定期検査に関する告示」では、状態・機能検査:車両の状態および機能についての定期検査
重要部検査:車両の動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置その他の重要な装置の主要部分についての定期検査
全般検査:車両全般についての定期検査
以上の3つが検査の種類として定められている。さらに、新幹線、新幹線以外の電車、貨車、内燃機関車などのような鉄道車両の種類別に、これら3つの検査における検査周期を定めている。JR東日本の新保全体系のように大きく異なるものもあるが、大部分の鉄道事業者はこれら3つを満たす形で検査を定めている。
重要部検査や全般検査が実際に行われる際には、更新修繕などと呼ばれる車体と内装(アコモデーション)の大規模なリフレッシュや改良、座席の撤去(車椅子スペースの捻出)などの改装工事なども併せて行われることがあり、過去には冷房化改造が同時に行われた例もある。
経年の長い車両の場合、車体や機器の老朽化や補給部品の調達難に伴い、検査切れとなる時期に廃車されることがある。

仕業検査
「仕業検査」(しぎょうけんさ)は、おおむね2 - 6日毎の短い周期で行なわれる検査で、特に運転に必要不可欠な装置とされる集電装置、台車、ブレーキなどの点検を、車両を運用から外さずに行う検査である。「仕業検」とも略する。対象機器類の状態確認と動作確認、必要に応じて消耗品の交換が行われる。国土交通省令第八十九条における「列車の検査」に相当する。

 

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交換される消耗品としては、ブレーキの制輪子や集電装置のスリ板、室内蛍光灯などがある。検査周期は事業者によって異なり、新幹線車両では48時間毎に実施される。事業者によっては「列車検査」とも呼び、東京メトロなどでは10日程度毎で列車検査を実施している。

交番検査
「交番検査」(こうばんけんさ)は、仕業検査より長期検査周期で行われるもので、仕業検査と同じく車両を分解せずに行われる検査だが、より詳細に検査を行われる。「交検」とも略する。国土交通省告示においては、「状態・機能検査」に相当する検査となる。このレベルの検査までは、車両の日常の運用・管理を行う車両基地で行うことが多い。おおよそ1月間隔で行う事業者もあり、そのような場合は「月検査」(つきけんさ、げつけんさ)とも呼ぶ。
各機器のカバーを外して、内部の状態や機器の動作確認だけでなく、主回路で絶縁不良が起きていないかなどの試験装置を用いたより詳細な試験が行われる。車輪の踏面形状を確認して、正規形状からの逸脱が大きい場合は、研削機で正規形状に削り直すこと(車輪転削)も行われる。新幹線では、輪軸の探傷試験なども行われる。

 

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ディーゼル機関車の場合は2段階に分別される。「交番検査A」では90日以内または走行距離2.5万キロメートル以内に、「交番検査B」では18か月以内または走行距離12.5万キロメートル以内で行われる。
蒸気機関車の場合は、通常の交番検査以外に、交番検査の隔回に「無火検査」と呼ばれる検査も行われる。無火検査では、通常の交番検査内容に加えて、ボイラーの火を消して、火室内部に留まった水垢や、煙管に溜まった煤の掃除を実施する作業が行われる。JR東日本の場合、交番検査の周期を90日以内または3万キロ以内と、月検査と同義としているため、この検査名での検査は行われていない。

重要部検査・台車検査
「重要部検査」とは、走行や安全に直結する、ブレーキ装置・主電動機・駆動装置などを取り外し、分解・検査・整備を行うことで、略して「要検」とも言われる。この際、内外の再塗装など、車両のリフレッシュ等も同時に行われることも多い。このレベルの検査になると車体と台車を切り離すため、通常の運用を離脱して、設備の整った整備工場(社によっては車両所、検車センターなどの呼称もある)へ回送されて点検・整備が行われることになる。
期間は、東京周辺の通勤電車(E231、E233系)の場合、およそ1 - 2週間程度を要する。特急形車両は走行距離が多くなる傾向にあるので検査サイクルが短い。
新幹線車両や電気機関車における、重要部検査と同等のものは「台車検査」(台検)と呼ばれる。新幹線車両の場合は前回の検査(全般検査もしくは台車検査)から18か月以内または走行距離60万キロメートル以内に行わなければならない。通常は台車のみを検査し、およそ1日で運用に復帰することが多い。これによって走れない状態の車両を増やさずに運用効率を上げている。電気機関車の場合は2段階に分別され、「台車検査A」は18か月以内または走行距離20万キロメートル以内に、「台車検査B」は36か月以内または走行距離40万キロメートル以内に行う。
蒸気機関車の場合は「中間検査」という名義になり、2段階に分別される。「中間検査A」では、所属所内にて大まかな点検を実施し、現在はおよそ1ヶ月ないし2ヶ月ほどの時間を要する。「中間検査B」では「全般検査」を行う工場に運び込み、中間検査Aよりも更に細部まで調べる大掛かりな検査となり、3ヶ月前後の時間を要する。

全般検査
「全般検査」とは、車両の主要部分やすべての機器類を取り外し、全般にわたり細部まで検査を行うことで、略して「全検」とも呼ばれる。定期検査としては最も大掛かりなもので、車体の修繕と台車や機器類などの分解・検査・整備のほか、車体の再塗装などや内装のリフレッシュ等も同時に行い、ほぼ新車の状態にする(いわゆるオーバーホール)。期間は、東京周辺の通勤電車の場合でおよそ10日 - 2週間程度要する。蒸気機関車の場合、現在は半年近くの時間を要することがほとんどである。
検査周期(検査のサイクル)は、設計・製造年次の古い車両(旧形車)や新幹線など高速運転を行う車両では短縮されることがある。逆に、イベント用など使用頻度の少ない(走行距離が極端に短い)車両の場合、一時的に休止扱いにして検査時期の期間を引き延ばすことも行われている。
東日本旅客鉄道の蒸気機関車C57形180号機は、1999年(平成11年)3月に動態復元された後、2006年(平成18年)11月の入場までの間は一度も全般検査を実施していない。これは国鉄分割民営化の際、既に営業用の蒸気機関車が存在していなかったため蒸気機関車に対する検査周期規定が設けられておらず、このため電気機関車などと同じ8年周期での全般検査を実施しているためである(蒸気機関車の復元・営業が開始されたのは民営化後のため、以降に車両登録が行われた蒸気機関車は民営化後の規定が適用される形となる)。ただし、蒸気機関車の状態や使用頻度によっては検査周期を適宜に早める場合があり、D51形498号機がこれに当たる。一方、西日本旅客鉄道のC57形1号機及びC56形160号機は、民営化以前より車籍を有し、かつ、民営化後も営業運転に就いていたことから、この2両のみ、国鉄時代の規定通り4年に一度の周期で全般検査を実施している。
国鉄でも無煙化計画の末期に、廃車が進んで残り少なくなった状態の良い蒸気機関車で所要両数を確保し、かつ検査費用を抑えつつ広域に転属配置するため、第一種休車(一休)にして検査期間を伸ばす(継続検査を受けずに延命する)ことが全国で行われていた。

 

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