秩父鉄道7000系電車(ちちぶてつどう7000けいでんしゃ)は、秩父鉄道の通勤形電車。東京急行電鉄から8500系電車を譲受した車両。
2009年(平成21年)3月26日から営業運転を開始した。
老朽化した1000系電車の置き換えのため、東急8500系を秩父鉄道で運用するに当たって羽生方からM1c(制御電動車) - T(付随車) - M2c(制御電動車)の3両編成としたものである。ただし、7002号編成の先頭車は中間電動車からの改造車で、おおむねオリジナル先頭車と同様の形状である。
東急からの提供車両が変更されたため、当形式は3両編成2本6両のみの導入となり、以降の増備は7500系・7800系に移行した。
全長20m、側扉は両開き4扉、座席はロングシートである点は東急時代からの変更はないが、客用扉にはドア開閉ボタンが設置されている。
バリアフリー対応として、車椅子スペースを設置したほか、ドアチャイムとドア開閉表示灯、LED式車内案内表示器も設置した。床は滑りにくい材質としている。また、自動放送装置には秩父鉄道で初の英語放送も採用し、車掌乗務時にも使用される。
三峰口方先頭車のデハ7200形(元・デハ8600形、デハ8800形)にはパンタグラフを新設したため、冷房装置を1基撤去した。そのため、冷房能力はサハ7100形(元・サハ8900形)およびデハ7000形(元・デハ8500形、デハ8700形)の36,000kcal/hに対して27,000kcal/hに減少している。
秩父鉄道の電車としては初の界磁チョッパ制御方式で、電気指令式ブレーキを装備した電車である。なお、2000系でも実績がある回生ブレーキ機能はそのまま問題なく使用している。
2009年3月30日から営業運転を開始した7001号編成は、しばらくの間、車体側面に連続テレビ小説『つばさ』のラッピングが施されていた。
2012年10月8日から2013年1月6日まで、本形式1編成が映画『のぼうの城』公開を記念し、同作品と行田市の観光ビジュアルをラッピングした「行田市観光ラッピング電車」として運行された。
秩父鉄道7000系電車
製造所 東急車輛製造
主要諸元
編成 3両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度 80[1](85) km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.5 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両定員 先頭車136人(座席48人)
中間車151人(座席51人)
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,115 mm
台車 ペデスタル+軸ばね方式空気ばね台車
TS-807形・ TS-815形
主電動機 直流複巻電動機
TKM-69形 130kW
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 85:16 (5.31)
制御装置 界磁チョッパ制御
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 秩父鉄道形ATS装置