資材運搬車は、陸上自衛隊で使用されている車両です。製作は産業機械メーカーの諸岡で、民間向けの不整地運搬車(ゴムクローラー駆動のキャリアダンプ)を陸上自衛隊仕様にして採用している。
陸上自衛隊では敵機甲部隊の進撃を食い止める防禦戦闘の1つである遅滞戦闘を重視しているが、その際には多数の人員、装備品を敵進撃ルート周辺に配置する必要がある。防禦地域は必ずしも車両の進入が出来る場所ばかりではなく、この装備の導入前はトラックでの進入が出来ない山間部や泥濘地への輸送は空輸か人力輸送、あるいは小型のトラックによる分散輸送を行う程度に過ぎず、効率的な輸送手段が求められていた。山岳輸送車や水陸両用車も研究されたが、結局採用に至ることは無かった。そのため効率的な輸送能力の確立を期して1990年より本車が導入されることとなった。
民間向けのゴムクローラーキャリアダンプを陸上自衛隊仕様にして採用している。ゴム製の履帯により登攀能力30度、超塹能力1mと、高い路外走行性能があります。普通科部隊、特科部隊、施設科部隊に装備し、主として不整地地域における弾薬の運搬、築城資材等の極地輸送に使用する。コンパクトですがけっこう力持ち。クレーンは2tの物資を吊り上げる事もできる。座席はセパレート式で、左側が運転席となる。
使い勝手が良く安価であるため普通科、特科、施設科等さまざまな部隊に配備され、弾薬運搬、築城資材運搬などの不整地での局地輸送に使用される。ゴム履帯なので雪上でも行動することが可能であり、冬季の演習では荷台部分に12.7mm重機関銃を据え付けて対空戦闘に使用されることもある。
東日本大震災では、被災各地での行方不明者捜索に伴うガレキ撤去作業に使用された。
操作はいたって簡単だそうで、両足の間に位置するT字型のレバーを前へ倒すと前進、後ろへ倒すとブレーキ、左へまわすと左折、右へ回すと右折、とまるで模型のリモコンのようである。
小型なことから大型トラックで輸送可能です。
民生品である諸岡製のキャリアダンプをそのまま流用しています。東日本大震災では、被災各地での行方不明者捜索に伴うガレキ撤去作業に使用されました。
全長 約4,300mm
全幅 約2,150mm
全高 約2,185mm
車輌重量 約5t
乗員 2人
最大積載量 約3t
最高速度 約20km/h
懸架・駆動 ゴムクローラー
製作 諸岡
登場作品
『超空自衛隊』
オーストラリアへ災害派遣に向かう途中で第二次世界大戦時にタイムスリップしてしまった、陸上自衛隊施設科部隊の装備として登場。ガダルカナル島などで、荷台にドイツ製のラインメタル37mm砲を搭載し、改造自走砲として使用された。